ご挨拶 Greetings

所長 八木 康史
ネットワーク型共同研究拠点と新しい産学連携
2010年4月1日、我が国初の本格的な全国縦断ネットワーク型「物質・デバイス」共同研究拠点が発足しました。3月24日にはその発足シンポジウムが阪大で行われ、翌25日には北大電子研でネットワーク拠点発足を記念したサテライトシンポジウムがノーベル賞受賞者下村脩先生を招いて行われました。また、本年4月には阪大で初のオンキャンパス型企業リサーチパークを持つ産研インキュベーション棟が完工し、6月9日にその竣工記念式典がインキュベーション棟にて執り行われました。
諸外国には、ドイツのマックスプランク研究所、フラウンホーファー研究所、フランスのCNRSなどの全国的研究所ネットワークがあり、効率的な研究推進に効果を上げていますが、我が国にはこれまでそうした半恒久的な全国的ネットワーク拠点は存在しませんでした。私たちの、北大電子研、東北大多元研、東工大資源研、阪大産研、九大先導研によるネットワーク型研究拠点は、今回の文科省による全国共同利用・共同研究拠点制度の大改革の目玉とも言えるものです。阪大産研は、その拠点本部として大きな責任を担っての船出といえます。ナノサイエンス、ライフサイエンスの推進は国家的課題ですが、その効率的推進に本ネットワークの果たす役割は大きなものがあります。
これからの日本経済の活性化には、最先端技術の開発と応用において我が国の優位性を確立することが不可決です。それには、企業が大学の研究リソースをもっとうまく活用できる仕組みが必要です。産業科学研究所は、阪大の産学連携をリードする責任があると自覚していますが、本学初のオンキャンパス型企業リサーチパークを開設したことは、新聞紙上でも幾度か注目されているとおり、大きな意義のある第一歩であると思われます。
産研は、歴史と伝統を背景に、新しい時代をリードすべく、今後も物質・デバイス・システム領域での共同研究の中心として、また産学連携の先兵として引き続き渾身の努力を続けて参りますので、皆様の暖かいご支援とご協力・ご鞭撻を心よりお願いいたします。