触媒活性中の担持金属ナノ粒子の表面と相互作用する気体分子の可視化に成功
―米科学誌「サイエンス」に掲載―
ナノ構造・機能評価研究分野 竹田研究室
2012年1月
産業科学研究所の竹田研究室は、FEI Company(米国)、産業技術総合研究所関西センター(大阪府池田市)、首都大学東京(東京都)の研究グループと協力して、気体の化学反応を促進する触媒として働いている直径数ナノメーターの微小な金属ナノ粒子の表面を透過電子顕微鏡で直接観察することに成功しました。 この観察には、気体中の試料を原子スケールで観察できるレンズ収差の補正された最新の環境制御・透過電子顕微鏡が利用されました。これまで透過電子顕微鏡で観察できていたのは触媒を構成する原子のみでしたが、表面に吸着した気体分子の観察が可能であることが示され、今後、触媒のメカニズムを解明するための実験的な精度が格段に向上することになるでしょう。収差補正された環境制御・透過電子顕微鏡法は、さまざまな触媒の機能の向上や新触媒の開発のためにも応用できるのでは、と期待しています。
観察した触媒は金ナノ粒子触媒です。最も酸化しにくい金属のはずの金ですが、この金をナノ粒子として酸化物(セリア;CeO2)の上に担持させると、室温以下でも一酸化炭素を酸化させる活性の高い触媒となります。本研究では、金ナノ粒子触媒の発見者として著名な首都大学東京・春田正毅教授の研究室で特別に調製された金ナノ粒子触媒を試料としました。観察の結果、気体分子(一酸化炭素)は、金ナノ粒子の表面と相互作用して原子配列を組み替えさせることで吸着することが明らかになりました。予期されていなかった現象です。第一原理計算による解析から、一酸化炭素の吸着の安定性が確認されました。以上の成果は、触媒の構造の中で、気体分子が反応して別の気体分子になる位置(活性サイト)を特定できる方法を開拓した、と考えられます。
本研究成果は、文部科学省・科学研究費補助金・特別推進研究 19001005により得られたもので、平成24年1月20日に米科学誌「サイエンス」で発表されました。

図1

図2
Top of Page
1原子接合で非対称な発熱現象を発見
バイオナノテクノロジー研究分野 谷口研究室/最先端研究開発支援プロジェクト川合研究室
2012年1月
大阪大学産業科学研究所の谷口研究室と最先端研究開発支援プロジェクトの川合特任教授の共同研究グループは、1原子接合で非対称な発熱現象を発見しました。
電極に接続された1原子(1原子接合)や1分子(1分子接合)は、先進バイオナノデバイスや超集積デバイスへの応用が期待されています。これらのナノデバイスを流れる電流密度は非常に大きいため、大きな発熱(局所加熱)が予測されます。このような局所加熱はデバイスの破損や誤作動の原因となるため、ナノデバイスにおける熱の流れの解明は、ナノデバイスを応用する上で鍵となります。ところが、これまで1原子接合における電熱発生機構は実験的に未知のままでした。
研究グループは、ナノヒーター、ナノ温度計、および金の1原子接合が集積したナノ構造を、ナノテクノロジーを駆使して作製しました(図1)。この集積ナノ構造は、外部の熱と遮断された特殊なナノ構造を持っています。この1原子接合に一定方向の電圧を加えてナノ温度計で接合付近の温度上昇を計測すると、正の電圧を加えたときの温度上昇と、負の電圧を加えたときの温度上昇が異なる非対称な発熱現象が観察されました。この非対称は、1原子接合を準弾導的に伝導するホットエレクトロンが原因であると考えられます。
研究成果は、2012年1月10日(英国時間、日本時間:1月10日)にネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)「Scientific Reports」のオンライン速報版で公開されました。

図1.
ナノテクノロジーで作製した、ナノヒーター、ナノ温度計、および金の1原子接合の集積ナノ構造の電子顕微鏡像。
Top of Page
本研究所量子ビーム科学研究施設の写真がアメリカ化学会発行のJ. Phys. Chem. Lett.の表紙に掲載されました。
量子ビーム科学研究施設・励起分子化学研究分野 真嶋研究室
2011年12月
本研究所量子ビーム科学研究施設(磯山悟朗教授)の装置であるLバンドライナックおよびコバルト60ガンマ線放射装置は電子線またはガンマ線を物質に照射することでさまざまな化学反応を誘起させることのできる装置で、物理化学の基礎研究から材料や生体などにおよぶきわめて幅広い分野の研究に利用されています。本研究所真嶋教授らの研究グループでは、これらの装置を用いることで、共役系分子の電荷非局在、励起ラジカルイオンの反応性の検討、電気化学発光ダイオードの発光メカニズムの検討、光触媒反応機構の検討、DNA内の電荷移動および構造変化などの広範な研究を行っています。最近、その研究成果をアメリカ化学会発行のThe Journal of Physical Chemistry LettersのPerspectiveにまとめました。これは平成23年11月8日にオンライン掲載され、12月1日発行の冊子の表紙に研究に用いたLバンドライナックおよびコバルト60ガンマ線放射装置の写真が掲載されました。
Top of Page
多剤耐性感染症の原因となる異物排出タンパクの薬物排出機構に新発見!
-分子標的創薬に向かって大きく前進-
生体情報制御学研究分野 山口研究室
2011年11月
中島良介助教、山口明人教授らの研究グループは、多剤耐性菌感染症の大きな原因である異物排出タンパクの薬物との結合構造を決定することにより、薬物認識・排出機構を解明する画期的な新発見を行いました。抗生物質の発達で克服されたと思われていた細菌感染症が、多剤耐性菌の登場によって再び脅威となっています。中でも、多剤耐性緑膿菌には有効な臨床治療薬がまだありません。緑膿菌、大腸菌などのグラム陰性細菌の多剤耐性の主原因は異物(多剤)排出タンパクです。異物というのは本来特定できないものです。特定できない異物を、異物排出タンパクはどうやって特異的に認識して排除することができるのかという仕組みは学術上の大きな謎でした。私たちは、異物排出タンパクの分子構造を決定することによりこの仕組みの解明を進めてきましたが、今回、新たに大分子量の薬物との結合構造の決定に成功し、異物排出タンパクが多様な薬剤を認識する結合ポケットを複数持っており、これらのポケットを次々と受け渡して薬物が輸送されるペリスタポンプ機構という新しい仕組みを発見しました。阻害剤を分子設計する標的の構造が明らかになったことにより、多剤耐性菌感染症を克服する治療薬の分子標的創薬に向かっても大きく前進しました。
なお、本研究の内容は11月28日Nature誌にオンライン公開されました。

図1.
今回決定した大分子量薬物結合AcrB構造はこれまでの遠位結合ポケットに加えて、もう一つの近位マルチドラッグ結合ポケットの存在を明らかにした。基質認識スペクトルの異なる2つのマルチドラッグ結合ポケットの存在により基質の範囲が飛躍的に拡大する。

図2.
薬物は「待機」段階で近位ポケットに入り、大分子量薬物はここで認識され、「結合」段階で遠位ポケットに送り込まれる。小分子量薬物は遠位ポケットで認識される。両ポケットの薬物認識スペクトルは異なる。
Top of Page
「百聞は一見にしかず」単一分子の回転振動をくっきり可視化
(バイオナノテクノロジー研究分野 谷口(正)研究室)
2011年11月
軸受けの機械機構は日常生活にかかせません。分子マシンの開発を進めるには、回転や振動の機能を有する分子の設計・合成、さらにその動作確認が必須です。
光合成で有名なクロロフィルの類似構造を持つポルフィリン分子(四つ葉のクローバー状の平面型分子)が金属イオンを挟んでできたハンバーガー状のダブルデッカー型錯体は、金属イオンがボールベアリングの役目を果たす軸受けのように機能することが、相田ら(東京大学)や新海ら(九州大学)のグループの研究で明らかになっており、その発展が期待されていました。
しかし、デバイスのように、基板上に集積し配列させて使おうとした場合にも、本当に回転や振動といった軸受けの機能を発揮できるかどうかを明瞭に実証した研究報告例はありませんでした。
このたび大阪大学産業科学研究所の谷口研究室・田中裕行助教は、同研究所の川合知二特任教授や、(独)物質・材料研究機構の竹内正之グループリーダーや、九大院工・崇城大工の新海征冶教授らのグループと共同で、ポルフィリン誘導体からできたダブルデッカー型錯体およびトリプルデッカー型錯体を表面に自己組織化配列させ、回転子に相当するポルフィリン配位子が回転振動する様子を明瞭に可視化することに成功しました。
この成果は、分子マシンのみならず、回転子の角度を情報とする分子メモリや創発的アロステリック特性を有する高感度センサーの開発を推し進めるものと期待されます。
本研究成果は、平成23年11月11日に米国の科学雑誌「ACS NANO(エーシーエスナノ)」のオンライン版で公開されました。

図1.
分子構造モデル: (左)ダブルデッカー型錯体、(右)トリプルデッカー型錯体

図2.
トリプルデッカー型錯体の回転振動の顕微鏡映像
Top of Page
世界で初めて「トポロジカル超伝導体」の確認に成功
(量子機能材料研究分野 安藤研究室)
2011年11月
大阪大学産業科学研究所の安藤研究室は、名古屋大学工学研究科の田仲由喜夫准教授らの理論チームと共同で、世界で初めて「トポロジカル超伝導体」の確認に成功しました。トポロジカル超伝導体とは内部の電子波動関数が特殊な形を持っている超伝導体で注)、その存在はこれまで理論的に考えられていただけでしたが、その最も顕著な特徴は、表面に「マヨラナ粒子」と呼ばれる全く新しい粒子が現れることです。このマヨラナ粒子とは、粒子がそれ自身の反粒子でもあるという奇妙な粒子で、1937年にイタリアの理論物理学者マヨラナによって、当時未知の粒子だったニュートリノのモデルとして提唱されました。これまでマヨラナ粒子が実際に自然界に存在することは確認されていませんが、近年、トポロジカル超伝導体の表面では電子がマヨラナ粒子として振舞うことが理論的に予測され、大きな関心を集めてきました。
安藤研究室の今回の成果は、CuxBi2Se3という物質がトポロジカル超伝導体であることを、マヨラナ粒子が作る表面電子状態の測定によって確認したものです。マヨラナ粒子は超高速で情報処理を行う量子コンピュータ実現の鍵を握るとも考えられており、その応用のための最初の一歩となる成果です。
本研究成果は、米国物理学会が発行する学術雑誌「Physical Review Letters(フィジカルレビューレターズ)」オンライン版(
http://prl.aps.org/abstract/PRL/v107/i21/e217001)で平成23年11月14日に出版され、米国のメディアScience Newsの記事(
http://www.sciencenews.org/view/generic/id/336093/)になりました。
(注:詳しくは添付資料を御参照下さい。)

図1.
今回トポロジカル超伝導体であることが確認されたCuxBi2Se3の単結晶。

図2.
測定試料の電子顕微鏡写真と得られたデータ。
Top of Page
バイオナノカプセルを用いた多種類抗原タンパク質同時検出用バイオイメージング技術の開発
(生体触媒科学研究分野 谷澤研究室)
2011年10月
バイオナノカプセル(BNC)は,B型肝炎ウイルスの表面抗原Lタンパク質を主成分とする直径約70 nmの中空ナノ粒子であり,遺伝子や薬剤を高効率にヒト肝臓特異的に送達できる。私たちは,名古屋大学農学部黒田俊一教授のグループとの共同研究で,Lタンパク質の肝臓特異的レセプター領域をプロテインAのIgG-Fc結合領域(Zドメイン)2分子に置換したZZタグ提示型BNC(ZZ-BNC)を作製し,ZZ-BNC表面に抗体Fv領域が整列化する性質を応用して,既存のELISAにZZ-BNCを添加するだけで高感度化できることを見出した。さらに,各種蛍光色素で標識したZZ-BNCに,それぞれ異なる抗体を結合させて,短時間で各種抗原を複数同時に解析できるバイオイメージング技術の開発にも成功した。まず,種々のCy蛍光色素で標識したZZ-BNCに各種抗体をそれぞれ結合させ,SDS-PAGEにより分離後PDVF膜へ転写した抗原タンパク質に添加して抗原抗体反応を行い,蛍光イメージアナライザーで解析した結果,従来法に比べて短時間に多種類の抗原を同時かつ高感度に検出できた。さらに,培養細胞の各抗原タンパク質に対して細胞免疫染色を行い,多種抗原を同時に観察することにも成功した。本蛍光標識ZZ-BNCをバイオイメージングプローブとして用いる方法は,高効率化・高感度化のみならず,多種類の抗原の複数同時検出が可能で,非常に有用である。現在,黒田グループの飯嶋益巳博士が中心となり,本方法を「IRODORI (彩)」と命名し,研究試薬・医療診断・食品分析等の応用分野の拡大を図っている。
本研究成果は、平成23年9月25日にELSEVIER社発行の「Biomaterials」誌のオンライン版で公開された。

図1.ウェスタンブロットにおける4種類のタンパク質の同時多色検出

図2.細胞免疫染色における2種類のタンパク質の同時検出
Top of Page
Top of Page
トポロジカル絶縁体を舞台にした固体物理学と素粒子物理学の新たな接点
-質量ゼロのディラック電子とヒッグス機構-
(量子機能材料研究分野 安藤研究室)
2011年8月
トポロジカル絶縁体とは、内部は電流を流さない絶縁体であるのに、その表面に特殊な金属状態が現われる物質です。この表面状態においては、電子は質量ゼロの相対論的粒子のように振舞う「ディラック電子」となってディラック錐(図1)と呼ばれる状態を形成するため、普通の電子よりも格段に動きやすくなっています。
このためトポロジカル絶縁体には、高効率トランジスタなどの応用が期待されていますが、このディラック電子に意図的に“質量”を持たせて(図1)その運動をコントロールする事ができれば、トポロジカル量子コンピュータのようなさらに高度なデバイスが実現できると考えられています。
このたび大阪大学産業科学研究所の安藤研究室では、東北大学理学研究科の佐藤宇史准教授や東北大学原子分子材料科学高等研究機構の高橋隆教授らのグループと共同で、トポロジカル絶縁体における質量ゼロのディラック電子が、これまで知られていなかった新しいメカニズムによって質量を持つことを発見しました。
このメカニズムは、素粒子理論において粒子が「ヒッグス機構」と呼ばれるメカニズムによって質量を獲得するのと同様、「自発的対称性の破れ」が背後にあると考えられますが、詳細はまだわかっていません。
この発見は、トポロジカル絶縁体の高度なデバイス応用に可能性を拓くと共に、固体物理学と素粒子物理学の新たな接点を示唆するものとしても注目されます。
本研究成果は、平成23年8月14日に英国の科学雑誌「Nature Physics(ネイチャーフィジックス)」のオンライン版で公開され、同誌11月号の表紙を飾りました。
Nature Physics(ネイチャーフィジックス)オンライン版 掲載ページURL

図1.質量ゼロのディラック電子が示すエネルギー分散(固有エネルギーの運動量依存性)と、それが質量を持つ様子の概念図

図2.今回TlBi(S1-xSex)2という物質においてSe濃度xを変化させたときに観測された、ディラック電子が質量を持つことを示すデータ
Top of Page
シリコン基板面内にサブナノメートルのゲーティングナノポアデバイスを実現
川合最先端研究開発支援開発プロジェクト・産業科学研究所ナノテクノロジーセンター
2011年7月
川合最先端研究開発支援開発プロジェクトの筒井真楠研究員と川合知二特任教授、大阪大学産業科学研究所ナノテクノロジーセンターの谷口正輝准教授の共同研究グループは、シリコン基板面内にサブナノメートルの電極間距離を持つゲーティングナノポアの開発に成功しました。
ゲーティングナノポアは、米国国立衛生研究所が進める$1000ゲノムシーケンスのターゲットデバイスです。この新デバイスは、超スピード・超低コストでゲノム解析を可能にすると期待され、個別化医療を実現する切り札と考えられています。
ゲーティングナノポアは、ナノメートルスケールの直径を持つSiO2の穴(ポア)と、直径と同程度のナノギャップ電極から構成され、数ナノメートルの電極間(ナノギャップ電極)を流れる生体分子を、トンネル電流で識別する原理で動作します。この動作原理は、ナノギャップ電極を容易に作ることができる機械的破断接合や走査トンネル顕微鏡を用いて実証されてきました。実用デバイスへと展開するためには、半導体デバイスとの融合が容易なシリコン基板面内にゲーティングナノポアを作ることが、強く要求されています。しかし、ナノポアの作製、ナノギャップ電極の作製と、ナノ電極とナノポアの位置合わせ技術が、大きな障壁になっていました。共同研究グループは、ナノポアの作製、ナノギャップ電極の作製、ナノポアとナノギャップ電極の位置合わせを同時に制御できる自己整合技術を開発し、この課題を突破しました。作製したゲーティングナノポアを用いて、金属内包フラーレン(Er@C82)の1分子検出を行い、さらにDNAオリゴマーの識別を実証しました。
本手法は、ゲーティングナノポアを作る革新的な自己組織化技術であり、実用化研究を加速度的に推し進めるものと期待されます。
本研究は、独立行政法人 産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センターの岡崎俊也研究チーム長、筑波大学大学院数理物質科学研究科博士後期課程飯泉陽子との共同研究であり、日本学術振興会最先端研究開発支援プログラムの助成を受けたて行われました。
研究成果は、2011年7月28日(英国時間、日本時間:7月28日)にネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)「Scientific Reports」のオンライン速報版で公開されました。
論文掲載ページURL

図1.サブナノメートルのゲーティングナノポアデバイス

図2.ゲーティングナノポアを用いた単一DNA分子の識別
Top of Page
カーボンナノチューブを用いた超低消費電力不揮発性メモリの開発
(半導体量子科学研究分野 松本研究室)
2011年6月
産業科学研究所 松本和彦教授、井上恒一准教授、前橋兼三准教授および大野恭秀助教らは、カーボンナノチューブをチャネルに利用した超低消費電力不揮発性メモリを開発しました。
カーボンナノチューブは1次元量子細線という特異的な構造、及び優れた電気伝導特性を有することから、次世代の高性能デバイスの為の材料として期待されています。カーボンナノチューブは直径が非常に小さい(~1 nm)ため、カーボンナノチューブ周囲にある個々の蓄積電荷に対して非常に敏感に反応します。そのため1個の蓄積電荷の精度で1 bitを構成する単電子メモリの実現が期待でき、究極の低消費電力や多値情報の記憶が可能となります。
本素子は、図1に示すように、カーボンナノチューブ電界効果トランジスタの上に、Auドットのナノ浮遊ゲートを絶縁膜で挟んだ構造をしています。そのため、Auドットへの電荷の注入はクーロン反発作用により1個1個制御できるので、Auドットに蓄積された電荷の影響によりチャネル部分の電気特性を制御することができます(図2)。
これらの結果は、超低消費電力の不揮発性メモリへの可能性を開いたといえます。本研究成果は2011年5月31日(米国時間、日本時間2011年6月1日)に米国応用物理学会誌(Applied Physics Letter)のオンライン版で公開され、同雑誌のCover Letterとして採用されました。
図1 カーボンナノチューブを用いた超低消費電力不揮発性メモリの模式図
図2 Auドットに1個ずつ蓄積させたときの電気特性
Top of Page
従来の溝型ヒートシンクよりも15倍も冷却能の優れた空冷型
ロータスヒートシンクの開発に成功
(金属材料プロセス研究分野・中嶋研究室)
2011年5月
我々は、多数の微細な貫通孔を有するロータス銅を直列に並べ空気流を吹き込み熱伝達率を測定し、比較のために溝型フィンでも同様の測定を行った結果、両者を同じ流速で比較すると、ロータス銅を用いたヒートシンクでは熱伝達率が溝型フィンを用いた場合に比べて15倍も大きく、きわめて優れた冷却能を持つことがわかった(図2)。また、水冷型ヒートシンクでもロータス銅を用いたヒートシンクは溝型フィンよりも4~5倍も優れた冷却能を示した。(ロータス銅を使用したパワーモジュールは図1参照)
近年、電子デバイスの小型化、高性能化に伴い発熱密度が飛躍的に上昇してきている。例えば、インバーターなどに使用されるパワー素子での発熱密度は100W/cm2をすでに超えており、また、高周波素子では1000W/cm2以上になろうとしている。そのため、これらの素子の効果的な冷却のために、従来の溝型ヒートシンクに比べ格段の熱伝達率をもつ高性能の空冷あるいは水冷ヒートシンクが求められている。一般に、冷却流路(チャンネル)となるチャンネル直径が小さく冷媒に接する表面積が大きい多孔質材料が大きな熱伝達率(高い冷却能)をもつヒートシンク材料として有望視されてきたが、多孔質材料は流路が曲がりくねっているため、流れの圧力損失やポンプ動力が大きくなるという欠点があった。
我々は多数のストレートの微細孔を持つロータス型ポーラス金属を用いたヒートシンクの開発を進めてきたが、今回の成果により、上記のような高性能ヒートシンクを用いれば、電子機器の小型化を可能にし、今後の高発熱密度のヒートシンクに対応できる従来製品よりも格段に優れたヒートシンク製品として期待される。これらはコンピューターの放熱板や電気自動車、ハイブリッド自動車のインバーター素子の冷却に威力を発揮することが期待される。

図1.空令型ロータス銅ヒートシンク

図2.空冷型ロータス銅ヒートシンクの性能
Top of Page
光触媒反応の結晶面依存性の観測に成功
―高活性・高選択性光触媒や高効率太陽電池の開発へ―
(励起分子化学研究分野 真嶋研究室)
2011年4月
大阪大学産業科学研究所の真嶋教授・立川助教らは、光触媒反応の結晶面依存性の観測に成功しました。
酸化チタン(TiO2)は、太陽エネルギーを利用した環境浄化を目的とした光触媒や太陽電池の電極材料としての応用が期待されています。近年、より高活性なナノ粒子の開発を目指し、結晶面を制御したTiO2結晶の合成が盛んに行われています。しかしながら、実際に表面で起こっている化学反応を直接観察することは難しく、これまで光触媒反応における結晶面の影響についてはほとんど明らかにされていませんでした。今回、我々は還元応答型蛍光プローブ(本グループによって開発)を用いた単一分子蛍光観察により、TiO2光触媒反応の効率が結晶面によって大きく異なることを発見しました。TiO2結晶への紫外光照射によって発生した電子が、表面に吸着した蛍光プローブ分子を還元すると、本来蛍光を発しない分子の性質が変化し、緑色の強い蛍光を示すようになります。この蛍光を超高感度カメラによって単一分子毎に撮影することで、反応位置をナノメートルスケールで特定することに成功しました。その結果、従来反応活性が高いと信じられていた{001}面より、{101}面の方が2倍以上も反応活性が高いことがわかりました。
本研究の成果は、高い触媒活性と選択性を併せ持つ光触媒や高効率な太陽電池の開発につながると期待されます。
本研究の内容はJournal of the American Chemical Societyに(4/16, web)に掲載され、共同通信(4/19)、日刊工業新聞(4/19)でも紹介されました。
T.Tachikawa, S. Yamashita, and T. Majima, “Evidence for Crystal-Face-Dependent TiO2 Photocatalysis from Single-Molecule Imaging and Kinetic Analysis”, J. Am. Chem. Soc. in press.
蛍光プローブを用いた光触媒反応のその場観察の方法.右図は、TiO2結晶上における反応点の空間分布.{001}面(青色)と比べ、{101}面(赤色)でより高い触媒活性がみられた.背景はTiO2結晶の光学顕微鏡像である.
Top of Page
塗布法で世界最高性能の有機トランジスタを開発
(先進電子デバイス研究分野 竹谷研究室)
2011年2月
大阪大学産業科学研究所の竹谷研究室では、広島大学瀧宮研究室との共同研究で、印刷法などの容易なプロセスで作製できる世界最高性能の有機トランジスタを開発しました。
有機半導体は、室温に近い温度で、溶液を塗布する簡単な工程で形成することが可能なため、次世代のエレクトロニクス産業を担う機能性材料として大きな期待を寄せられています。ところが、これまでの塗布法による有機半導体では、十分なデバイスの性能を得られないことが、課題になっていました。
今回、溶液を基板上に塗布する際に、摂氏100度程度の温度において、一定方向に溶液を乾燥させることによって、有機分子を結晶化する手法を開発しました。この方法を、瀧宮研究室で開発された有機分子材ジアルキルジナフトチエノチオフェンに適用し、トランジスタデバイスを作成したところ、通常の塗布型有機トランジスタやアモルファスシリコントランジスタと比べて桁違いに高い性能を実現しました。すなわち、性能の指標であるキャリア移動度として、10cm2/Vsを超える値が得られ(図1)、また、この方法を用いて、有機半導体形成と同時に、マトリックス上にパターン化することにも成功しました(図2)。これにより、薄型ディスプレイパネルのアクティブマトリックスを作製する工程が非常に容易になるメリットがあります。 本研究の結果、印刷法による有機トランジスタの性能面での課題を解決していくことによって、有機エレクトロニクス産業の展開を加速することが期待されます。
本研究の内容は、Advanced Materials誌にonlineで掲載され、印刷版が間もなく発刊される予定です。また、2月21日付日本経済新聞でも紹介されました。

図1

図2
Top of Page
バルク絶縁性が格段に高いトポロジカル絶縁体新物質を発見
(量子機能材料研究分野 安藤研究室)
2011年1月
大阪大学産業科学研究所の安藤研究室では、これまでに発見されたどのトポロジカル絶縁体物質よりも格段にバルク絶縁性が高いトポロジカル絶縁体新物質を発見しました。トポロジカル絶縁体とは本来、バルク絶縁体の表面にトポロジカルな金属状態が生じている物質のことで(トポロジカル絶縁体に関する詳しい解説はこちら)、この表面における有効質量ゼロのディラック粒子を利用した超低消費電力デバイスの実現が期待されています。しかし現実には、バルクが本当に絶縁体になっている(つまりバルクには電気が流れない)ような材料はこれまでにまだ得られていません。このため、トポロジカル絶縁体に特有の金属的表面に流れる電流の特性を実際に調べることは非常に困難でした。
今回、大阪大学産業科学研究所の安藤研究室では、Bi2Te2Seという物質の化学的特性に着目し、その高品質単結晶を作製して調べた結果、この物質が格段に高いバルク絶縁性を持つトポロジカル絶縁体新物質であることを発見しました。さらにそのバルク絶縁性の高さを利用して、トポロジカルな表面状態の電気伝導率が強磁場中で量子振動現象を示す様子を明確に観測することにも成功しました。この成果は米国の学術雑誌Physical Review Bに出版され、物理学研究上の重要なトピックスを伝える米国物理学会のオンライン雑誌Physicsで紹介されました。
Top of Page
量子ゆらぎ電流で1分子の識別に成功 ―1分子解析技術の新原理―
(川合最先端研究開発支援開発プロジェクト)
2010年12月
【ポイント】
・ 量子揺らぎ電流で1個の分子種の識別に世界で初めて成功。
・ 1分子センサーデバイスへと発展する1分子解析技術は安心・安全・健康社会を実現する新技術へ。
【概要】
国立大学法人 大阪大学(鷲田 清一 総長)は、電流計測から得られるノイズ解析の手法により、電極に接続されている1分子の識別に世界で初めて成功しました。これは、大阪大学産業科学研究所川合最先端プロジェクトの筒井真楠研究員と川合知二特任教授、大阪大学産業科学研究所ナノテクノロジーセンターの谷口正輝准教授の共同研究の成果です。
電気計測による1分子解析技術は、ウイルスやDNAなどの生体分子を超高速・超低コスト・超ハイスループットで検出・識別を実現する高いポテンシャルを持っており、安心・安全・健康社会を実現する新技術として期待されています。
一般的に、電流計測で得られるノイズは計測対象の特性を不明瞭にするため、電流ノイズは除去される邪魔者となります。しかし、共同グループは、ナノスケールの電極間距離を持つナノギャップ電極(用語1)に1分子が接合された1分子接合(図1)で得られる電流ノイズに、分子の種類を識別する情報が隠れていることを発見し、電流ノイズから1分子を識別する情報を取り出すことに成功しました (図2) 。
本手法は、電気計測による新しい1分子解析技術の新原理となり、1分子センサーデバイスや1分子デバイスの診断技術への応用が期待されます。
研究成果は、2010年12月14日(英国時間、日本時間:2010年12月15日)に英国科学雑誌「Nature Communications」のオンライン速報版で公開されました。

図1.1分子接合の概念図
図2.電流ノイズスペクトル. 赤矢印は、1分子の分子振動エネルギーを表す.
Top of Page
世界初のアプタマー修飾グラフェンを用いた選択的たんぱく質検出に成功
(半導体量子科学研究分野 松本研究室)
2010年12月
産業科学研究所 松本和彦教授、前橋兼三准教授および大野恭秀助教らは、特定のたんぱく質と特異的に結びつくアプタマーをグラフェン上に機能化することに成功し、特定のたんぱく質のみを検出するセンサーを開発しました。
グラフェンは炭素原子1原子層からなるナノカーボン材料であり、その移動度の高さから次世代デバイスへの応用、透明電極・タッチパネルの開発など、近年非常に注目されています。また、アプタマーはDNAの一種で、特定のたんぱく質と強く結合し、抗体と比べて安価に合成できるため、近年抗体に代わる物質として研究されています。これまでの研究でグラフェンは表面の環境に非常に敏感であり、溶液中でのたんぱく質吸着を電気的に検出できることは分かっていましたが、選択的に特定のたんぱく質を検出することはできませんでした。今回、作製したグラフェントランジスタ上に、欠陥導入を伴わない手法でアプタマーを修飾し、特定のたんぱく質のみを高感度に検出することに成功しました。このような高価な装置や危険な薬品、煩雑な標識作業を必要としない、生体分子の電気的検出は、家庭や屋外で使用可能な医療用バイオチップへの適用が期待されるため非常に有望です。
これらの結果は、グラフェンを用いたセンシング応用の新しい扉を開き、安価で安定に生体分子検出ができるようになると期待されます。本研究成果は平成23年2月発行(予定)の米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society)に受理され、平成22年12月3日にオンライン版が公開されました(DOI: 10.1021/ja108127r)。
図: (左) 作製したアプタマー修飾グラフェンを用いたセンシング実験の模式図。(右) センシング実験の様子。アルブミン、アビジンといったターゲットではないたんぱく質には反応せず、ターゲットである免疫グロブリンEにのみ反応していることが分かる。
Top of Page
世界一伸びる電気配線の開発に成功
(先端実装材料研究分野 菅沼研究室)
2010年10月
大阪大学産業科学研究所 菅沼研究室とバイエル マテリアルサイエンス株式会社、住化バイエルウレタン株式会社は、7倍伸ばしても電気を通す「世界一伸びる導電性材料」の開発に成功した。
この導電性材料は、大阪大学が開発した「金属粒子の分散技術ならびに電気配線の印刷技術」とドイツ・バイエル マテリアルサイエンス社の開発した水性ポリウレタンディスパージョン「Dispercoll U 42」を組み合わせることによって実現した。
今後はこの技術を使って、フレキシブルディスプレイやヘルスケアデバイスセンサー、ロボティックスなどの数多くの電子デバイスの実現が期待される。
Top of Page
新型のトポロジカル絶縁体を発見 ― 次世代省エネデバイスの開発に向けて大きく前進 ―
(量子機能材料研究分野 安藤研究室)
2010年9月15日
固体には、金属、絶縁体、半導体、超伝導体といった状態が存在しますが、ここ数年、「トポロジカル絶縁体」と呼ばれる従来の物質の状態とは全く異なる新しい状態が存在することが発見され、大きな話題になっています。このトポロジカル絶縁体物質は、内部(バルク)は電流を流さない絶縁体状態であるのに対して、その表面に特殊な金属状態が現われます。この表面における電子は、従来の物質中の電子よりも格段に動きやすい上に不純物に邪魔されにくいという性質を持っており、これを利用した次世代の超低消費電力デバイスや超高速の量子コンピューターへの応用へ向けた研究が現在世界中で急ピッチに進められています。しかし、これまでに知られているトポロジカル絶縁体物質はバンドギャップが比較的小さいため、その優れた特性が熱によって壊れやすいという欠点を持っていました。そのため、室温で安定して動作する新型デバイスを開発するためには、熱に強い新型のトポロジカル絶縁体を発見することが不可欠と考えられてきました。
今回、大阪大学産業科学研究所の瀬川耕司准教授と安藤陽一教授は、東北大学大学院理学研究科の佐藤宇史准教授および東北大学原子分子材料科学高等研究機構の高橋隆教授らと共同で、次世代省エネデバイスへの応用などで注目されている「トポロジカル絶縁体」の中で最も大きいバンドギャップを持つTlBiSe2という新物質を発見しました。今回の研究成果は、これまでごく限られた物質でしか見出されなかったトポロジカル絶縁体が、より多くの物質で発見される可能性を明確に示したものであり、また、室温で動作するデバイスへの実用に道を拓くものです。
本研究成果は、平成22年10月1日発行(予定)の米国物理学会誌Physical Review Lettersに受理され、オンライン版で近日中に公開されます。
より詳しい情報はこちら

図:TlBiSe2単結晶を角度分解光電子分光で測定することによって決定されたバンド分散。バルク状態の間にディラック錐的なエネルギー分散を示す表面状態が観測されている。
Top of Page
高温超伝導体母物質の「無垢の状態」の特性を解明 ~英科学誌Nature Physicsに掲載~
(量子機能材料研究分野 安藤研研究室)
2010年7月5日
大阪大学産業科学研究所量子機能材料研究分野の安藤陽一教授・瀬川耕司准教授は、東北大学金属材料研究所等と共同で、銅酸化物高温超伝導体のキャリアを極限まで減らすことに成功し、高温超伝導への出発点となる「無垢の状態」が示す予想外の特性を明らかにしました。
高温超伝導は、電子間の反発力のために電気が流れなくなっているモット絶縁体と呼ばれる母物質にキャリア(電子もしくは正孔)を導入したときに起こります。しかしその発現機構はまだわかっていません。これを理解するためには、モット絶縁体にキャリアが注入されると何が起こるのかを正確に知る必要があり、特に電子(マイナス)側と正孔(プラス)側の違いを理解することが重要です。しかし銅酸化物高温超伝導体で同じ構造を保ったままキャリアの符号を変えることのできる系は、瀬川准教授がYLBLCO系(Y1-zLazBa2-xLaxCuOy)で実現する以前には存在しなかったため、その違いは未解明のままでした。今回、このYLBLCO系について、精密な試料調製によってキャリアがいない「無垢の状態」を実現し、そこにわずかに電子または正孔を注入しました。そして電気的測定と磁気構造決定を組合わせて行うことにより、絶縁体組成を通り越してキャリアが符号を変える際に基底状態に非常に急峻な変化が起こることがわかりました。しかもその変化は、電子ドープ領域と正孔ドープ領域の間の「競合」という、予想外の現象に起因していることが明らかになりました。これらの結果は、高温超伝導が出現する舞台となるモット絶縁体の理解を進める上で大きく貢献すると期待されます。この成果は2010年7月4日(英国時間、日本時間 7月5日)に英国科学雑誌 Nature Physics のオンライン版で公開されました。

図:YLBLCO系における絶縁体近傍の相図と、磁気構造を示す模式図
Top of Page
プリンテッド・エレクトロニクス研究会発足
(先端実装材料研究分野 菅沼研究室)
2010年5月14日
プリンテッド・エレクトロニクス分野の技術と学問の確立を目指し、新たな産官学の研究会を発足することになりました。既に、全国から60社を越える企業メンバーが集まり、多くの官学の研究者が参画することになりました。発足式は5月19日ですが、詳細は研究会(pe@eco.sanken.osaka-u.ac.jp)へお問い合わせ下さい。
Top of Page
平成22年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を山口教授(科学技術賞)と谷口准教授,能木助教(若手科学者賞)が受賞
2010年 4月
「科学技術分野の文部科学大臣表彰」の科学技術賞を山口明人教授(生体情報制御学研究分野)が、若手科学者賞を谷口正輝准教授(バイオナノテクノロジー研究分野)、能木雅也助教(先端実装材料分野)が受賞しました。
「科学技術分野の文部科学大臣表彰」は、文部科学省が科学技術に関する研究開発、理解増進などにおいて顕著な成果を収めた者の功績を表彰する制度です。
山口教授は、異物排出タンパク構造・機能・制御と生理的役割に関する研究の業績が讃えられ、科学技術分野で顕著な功績をあげた者を対象とした「科学技術賞(研究部門)」を受賞しました。
萌芽的な研究、独創的視点に立った研究分野で顕著な研究業績をあげた若手研究者を対象とした「若手科学者賞」において、谷口准教授は、ナノ分子デバイスの自己組織化プロセスと電気特性の研究が、能木助教は、セルロースナノファイバー透明材料の研究が高く評価されて受賞しました。
表彰式は、4月13日(火)に京王プラザホテルにて行なわれます。
Top of Page
電気計測による核酸塩基分子の単分子識別 ―次々世代DNAシーケンサーの原理実証―
(バイオナノテクノロジー研究分野 川合研究室)
2010年 3月
大阪大学産業科学研究所ナノテクノロジーセンターの川合知二教授と谷口正輝准教授らは、電気計測の手法により核酸塩基分子(用語1)をわずか1分子で識別することに成功した(図1)。約1ナノメートル(nm)の電極間距離を持つナノ電極(用語2)を用いて、DNAを構成する核酸塩基分子1個を電極間にはさみ、流れる電流を測定したところ、3つの核酸塩基分子において異なる電流値を示すことを発見し、電流計測により核酸塩基分子の種類を1分子単位で識別できることを実証した。本手法は、アメリカ合衆国の国立衛生研究所が進める1000ドルゲノムシーケンス(用語3)を実現する次々世代DNAシーケンサー(図2)の基本原理として期待されており、本研究は世界に先駆けこの基本原理の実証に成功した。開発した手法は、これまでのDNAシーケンサーとは全く異なる検出原理を持っており、オーダーメイド医薬、精確な犯罪捜査、ウィルスの超高速検査などを実現する超高速・非標識・低コストDNAシーケンサーへの応用が期待される。
この研究は大阪大学で行われ、成果の一部はJST 戦略的創造研究推進事業 個人型研究(さきがけ)の「構造制御と機能」研究領域(研究総括:岡本佳男 名古屋大学 特別招へい教授)における研究課題「自己組織化配線法による超高集積分子デバイスの創製」(研究者:谷口正輝)によって得られました。2010年3月21日(英国時間、日本時間:3月22日)に英国科学雑誌「Nature Nanotechnology」のオンライン速報版で公開された。

図1 1個の核酸塩基分子をナノ電極間の電流値により識別する模式図

図2 次々世代DNAシーケンサーの模式図
Top of Page
世界初!SiCパワー半導体ダイアタッチ300℃耐熱を達成
(先端実装材料研究分野 菅沼研究室)
2010年 3月
近年パワーデバイス分野では、パワーモジュールの小型化及び効率向上のため、現在主流のSi半導体素子をSiCやGaNなど化合物半導体素子に変更する研究が進んでいる。次世代パワー半導体素子として、その実用化は急速に近づいているが、その特性を生かす実装技術は未だに確立されていない。特に、半導体素子のダイアタッチ技術は重要な課題の一つであり、200℃以上高温での作動を想定した高耐熱性及び素子の高発熱を解決できる高熱伝導率を揃えた接合材料の開発が必須である。これまでの技術開発では、Au系はんだ合金やAgナノペーストによるダイアタッチが耐熱性及び高熱伝導を実現しているが、コストが非常に高いため、汎用パワーエレクトロニクスに適用するには難点があった。
今回の発明では、純Znと微量元素を加えた合金系を新たなダイアタッチ材料として提案し、SiC素子のSi3N4-DBC基板とのダイアタッチ接合に適用し、欠陥の無い良好なせん断強度の接合を得ることに成功した。Znの柔軟さと高熱伝導を生かし、SiCダイ及び基板へのぬれ性向上と拡散バリアのためのTiN層を介したダイアタッチを設計した。これにより、極めて安定した接合構造が得られた。上記のモジュールを-50℃~300℃の厳しい温度サイクルへ掛けた結果、世界ではじめて500サイクルまで劣化が無いダイアタッチを実現した。微細組織にも全く亀裂は認められない。従来の、高温はんだであるPb-5%Snでダイアタッチすると、温度サイクルによる強度の劣化が著しく、著しい数の亀裂が発生する。300℃までの使用に対して信頼性は全く取れないことが明らかになった(図1~3)。本開発は、今後市場が拡大するSiCやGaNなど、新世代パワーエレクトロニクスの発展と活性化に大きく寄与すると期待される。
本成果は、物質基盤センターMSTeCの活動の一環として得られた。
図1 -50℃~300℃の厳しい温度サイクル試験後のSiCダイアタッチ接合部の断面組織.高鉛はんだは大きな亀裂が縦方向に入るが、Znには全く割れが無い。
図2 温度サイクル試験を通じての各はんだ接合部のせん断強度変化.高鉛はんだは直ぐに劣化が始まるが、Znはほとんど劣化しない。
図3 温度サイクル試験後の各はんだ接合部のX線透過像.高鉛はんだは、亀裂(白い部分)だらけの劣化が見えるが、Znは全く割れがない。
Top of Page
3次元電子線トモグラフィー法でオートファジーを解明
- 英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」に掲載 -
(新産業創造物質基盤センター医療基盤グループ・
生体情報制御学研究分野 山口研究室)
2009年11月
大阪大学産業科学研究所 山口明人教授・西野美都子特任助教は、同大学微生物病研究所の吉森保教授、長浜バイオ大学の山本章嗣教授らのグループとの共同研究により、細胞の自食作用(オートファジー)の機構を明らかにすることに成功しました。
オートファジーは真核生物に普遍的に見られる現象であり、細胞内の不要タンパク質や病原菌を分解し、生命の維持に重要な役割を果たしています。オートファジーが起ると、細胞質にオートファゴソームと呼ばれる特殊な膜構造が現れ、不要タンパク質や病原菌を取り囲みます。この膜の起源は生物学における50年来の謎でした。
今回、西野美都子特任助教らは、先端技術である電子線トモグラフィー法を用い、オートファジーの過程を3次元的に解析しました。その結果、オートファゴソームの膜は、小胞体と呼ばれる細胞内膜構造から新たな膜が伸びてできていることが明らかになりました。また、小胞体が成長するオートファゴソーム膜の“ゆりかご”の役割を果たしていることも分かりました。
オートファジーは細胞内代謝や病原菌の排除の他にも心不全や、癌、糖尿病、アルツハイマーなど、様々な病気に関係していることが示されています。今回の発見によって、オートファジーの解明が前進し、新しい医療や製薬のターゲットにもなることが期待されます。
本研究の成果は、Nature Cell Biology (11/8, web)に発表され、11月11日の日経産業新聞で紹介されました。さらに、12月23日に発表論文がFaculty of 1000 Biologyに選出されました(http://www.f1000biology.com/article/id/1331957)。Faculty of 1000 Biologyは世界中の研究機関で利用されている論文評価システムで、生物学を70以上の分野に分け、各々の分野の一流研究者数十名が、最新の論文の中から優れたものを推薦する仕組みです。該当論文は、Faculty of 1000 Biologyの評価システムにおいて重要な論文としてMust Readに選出されました。
Hayashi-Nishino M, Fujita N, Noda T, Yamaguchi A, Yoshimori T, and Yamamoto A., A subdomain of the endoplasmic reticulum forms a cradle for autophagosome formation. Nature Cell Biology 2009 (http://www.nature.com/ncb/journal/vaop/ncurrent/full/ncb1991.html).
図の説明:図1. 電子線トモグラフィーを用いた解析により、オートファゴソーム膜はゆりかごのように湾曲した小胞体により沿って成長し(a)、その先端部分が小胞体に繋がっていることが明らかになった(b-d)。図2. 本研究で提示されたオートファゴソーム形成の新モデル。
Top of Page
谷口直之寄附研究部門教授「HUPO Distinguished Service Award」を受賞
(疾患糖鎖学(生化学工業)寄附研究部門・ 谷口研究室)
2009年10月
谷口直之寄附研究部門教授が、国際ヒトプロテオーム機構(HUPO)でHUPO Distinguished Service Awardを受賞しました。この賞は、受賞委員会で卓越した成果を挙げたヒトプロテオーム研究に加えて、その国際的な組織運営等にも著しい貢献をした研究者1名に贈られる国際賞です。 谷口教授は、これまで糖鎖遺伝子を用いて糖鎖の疾患における意義の先駆的な研究を続けてきましたが、特に今回はヒトプロテオームの研究に糖鎖研究の重要性を提唱し、がんの診断に有効なバイオマーカーの基礎的研究や、糖鎖が疾患の発症機構に果たす役割などを明らかにしたこと、また国際的な糖鎖の構造解析法の標準化のパイロット研究を多数の国際研究機関とともに行ったことが評価されました。9月30日(日本時間10月1日)カナダのトロントで開催された第8回総会にて授賞式が行われ、谷口教授は日本人として初の受賞となりました。
Top of Page
世界初のグラフェンバイオセンサーの開発に成功 - 高感度バイオセンシングへの突破口 -
(半導体量子科学研究分野・ 松本研究室)
2009年10月
産業科学研究所 松本 和彦 教授、前橋 兼三 准教授および大野 恭秀 助教らは、炭素原子1原子層からなるグラフェンを用いてトランジスタを作製し、溶液中のタンパク質を電気的に検出する方法を世界で初めて開発しました。
グラフェンは室温でのキャリア移動度が150,000 cm2/Vs (電子や正孔の移動のしやすさ; 従来のシリコンでは500~1,000 cm2/Vs)を超え、化学的に非常に安定であることから、次世代のトランジスタ材料として近年非常に注目されている炭素材料です。
本研究では、作製したグラフェントランジスタを溶液中に浸し、参照電極から溶液を介してトップゲート電圧を印加することで、従来の30倍以上高い増幅率が実現できることを初めて見いだし、これを利用してタンパク質の高感度検出に世界で初めて成功しました。
この技術の開発によって、グラフェントランジスタ応用の幅が広がり、非常に安定に化学物質及び生体分子を電気的に検出することができるようになると期待されます。以上の研究成果は平成21年10月7日から仙台で開かれる国際固体素子コンファレンスで発表されます。
Top of Page
生きた細胞内のATP濃度を可視化する技術を開発 - 細胞のエネルギー状態を“視る”ことが可能に -
(生体分子エナジェティクス研究分野・ 野地研究室)
2009年9月
大阪大学産業科学研究所の野地教授・今村研究員(JSTさきがけ研究者)らは、生きている細胞中のアデノシン三リン酸(ATP)濃度を計測するための蛍光性たんぱく質プローブの作成に成功しました。
ATPは、全ての生物に共通する「細胞のエネルギー通貨」と呼ばれる化合物です。私たちが食べた食物のエネルギーは、いったんATPを合成するために消費されます。そして、ATPに蓄えられたエネルギーは、たんぱく質合成・神経細胞の活動・筋肉の収縮などエネルギーを必要とする反応のために消費されます。このように、細胞はエネルギーをATPというかたちでやりとしていることから「細胞のエネルギー通貨」と呼ばれています。
野地教授らは、ATPを特異的に結合するたんぱく質の両末端に水色および黄色蛍光たんぱく質をつなげることで、ATP濃度に応じて蛍光色が変化する人工たんぱく質「ATeam」を作成しました。そして、ATeamの遺伝子を細胞に導入することで、ATeamたんぱく質が細胞内で合成され、その蛍光色から生きた細胞のATP濃度をリアルタイムで観察することに成功しました。この観察の結果、細胞内部のATP濃度は均一ではなく、たとえばミトコンドリアは細胞質と比べてATP濃度が低く保たれていることが新たに発見されました。また、ATeamを改造することで、様々なATP濃度での計測に適した改変型ATeamを作成することにも成功しました。これにより、生きた細胞1個1個のATP濃度を知ることが可能となり、ATPの新しい役割が解明されると期待されます。
本研究成果は、文部科学省ポストシリコン物質・デバイス創製基盤技術アライアンスプロジェクトの一環として北海道大学電子科学研究所の永井健治教授らとの共同研究によって得られたものです。
本研究成果は、米国科学雑誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」オンライン速報版で2009年8月31日の週(米国東部時間)に公開されました。
Top of Page
走査トンネル顕微鏡を使ってDNA1本でのグアニン塩基の配列の解読に成功
(バイオナノテクノロジー研究分野・ 川合研究室)
2009年7月
大阪大学産業科学研究所の川合教授・田中助教は、走査トンネル顕微鏡を使って、単一分子DNAの中にあるグアニン塩基の配列を一個一個直接読みとる技術の開発に成功しました。従来のDNAの塩基配列決定方法では、大量のDNAが必要、また、繰り返し配列や、Gの含有量が多いと読めない、さらに、知りたい遺伝子の部分のみを飛ばし読みすることができないなどの問題がありました。今回我々は、約7千塩基を有する1本鎖DNAを基板の上に固定する技術を開発し、STMで塩基配列決定を試みました。その結果、Gが他の塩基分子より明るく観察され、STM観察やエネルギー分光でGの識別ができることが明らかになりました。本研究の成果は、「僅か1本のDNA試料」で、「高速」に「飛ばし読み」のできる次々世代のDNAシーケンサーの開発につながると期待されます。
本研究の内容はNature Nanotechnology (7/5,web)に発表され、日本経済新聞(7/6)、読売新聞朝刊(7/6)、毎日新聞(7/6)、毎日.jp(7/6)、時事ドットコムで紹介されました。
Top of Page
塩基対の並び方に依存しないDNA内高速電荷移動に成功 – DNAナノ配線に新たな活路
~ 英科学誌「ネイチャー・ケミストリー」に掲載 ~
(励起分子化学研究分野・真嶋研究室)
2009年4月
大阪大学産業科学研究所の真嶋教授・川井准教授らは、配列に依存せず電荷が高効率で移動できるDNAの合成に成功しました。
DNAはG-C、A-Tの二種類の塩基対の並び方によって、我々の遺伝情報を保管する通常の2本鎖構造に留まらず、世界地図や立方体と言った様々な2次元、3次元のナノ構造の形成に利用することができます。DNAが導線として働けば様々なナノ配線が可能となり、ナノテクノロジーの発展に大きく寄与すると期待されましたが、電荷が主にG-C塩基対を介して運ばれるため、A-T塩基対の存在により電荷移動効率が大きく低下することがわかりました。DNAを用いて自在に2次元、3次元構造を構築するには、様々な塩基対の並び方を持つDNAを使う必要があるため、DNAを用いてナノ配線を達成することはできませんでした。真嶋研究室では、A-T塩基対のAの一つの窒素原子を炭素原子と水素原子の組み合わせに置き換え(Z-T塩基対)、A-T塩基対の電子によって占有されている分子軌道のうち最もエネルギーの高い軌道のエネルギー(HOMOレベル)をG-C塩基対のHOMOレベルに近づけることにより、DNAの持つ情報を失わずにA-T塩基対も電荷を運べるように設計したDNAを構築し、G-CとA-T塩基対の並び方に関係なく高い電荷移動効率を得ることに成功しました。本研究の成果は、DNAを利用したナノ回路ナノデバイス、ナノセンサーの開発につながると期待されます。
本研究の内容はNature Chemistry(4/13, web)に発表され、英王立化学会発行の“Advancing of the Chemical Science”(4/14)、日刊工業新聞(4/14)、日経産業新聞(4/21)でも紹介されました。
K. Kawai, H. Kodera, Y. Osakada, and T. Majima, “Sequence Independent Rapid Long-Range Charge Transfer through DNA”, Narture Chem. 2009, 1(2), 156-159.
Top of Page
カーボンナノチューブの成長方向の制御に成功 –電子デバイスへの応用も視野に –
(半導体量子科学研究分野 松本研究室)
2009年3月
産業科学研究所 松本 和彦 教授は、カーボンナノチューブの成長方向を制御するまったく新しいプロセスを開発し、これを応用してカーボンナノチューブトランジスタを作製することに成功しました。
カーボンナノチューブは電界効果トランジスタのチャネルに応用すると、現在の集積回路に使用されているシリコントランジスタと比較して10倍~100倍高い増幅率を示すために、次世代のトランジスタの為の材料として期待されています。
ところがこれまで、カーボンナノチューブを酸化シリコン基板上で成長させると、その成長方向は全くランダムであり、成長方向の制御は不可能でした。そのため、カーボンナノチューブをチャネルとしたトランジスタを作製すると、ソース/ドレイン間の意図した方向にカーボンナノチューブが成長せず、トランジスタの作製歩留まりが極めて悪いという問題がありました。これがカーボンナノチューブを用いたデバイスを実用化する上で大きな障害となっていました。
大阪大学と産総研は共同で、酸化シリコン基板上に微細加工法により人工ステップ(四角柱のラインパターン)を形成し、この上にカーボンナノチューブを成長させると、カーボンナノチューブが人工ステップの上端に沿って成長することを発見しました。従って人工ステップの方向を決めることにより、カーボンナノチューブの成長方向が決まります。これにより、カーボンナノチューブの成長方向を意図した方向に制御することが可能になりました。理論解析により、カシミール力という分子と分子の間に働く力が、人工ステップの上端に強く集中することを見いだし、これによりカーボンナノチューブが人工ステップの上端に引き寄せられて成長することを明らかにしました。
この技術の開発によって、従来きわめて歩留まりが悪く、信頼性に問題があったカーボンナノチューブを用いたトランジスタにおいて、これらの問題が解決したことにより、カーボンナノチューブトランジスタを用いた高感度なバイオセンシングや、単一バイオ分子の検出等が可能になると考えられ、今後これらの応用に大きく貢献すると考えられます。
Top of Page
溶液中の1個のナノ粒子を検出
バイオナノテクノロジー研究分野(川合研)
2009年3月
大阪大学産業科学研究所の川合教授・谷口准教授は、水中に含まれる2ナノメートル(ナノメートル:1mmの100万分の1)の大きさを持つ1つの金ナノ粒子を電気的に検出する技術を開発しました。ナノメートルの大きさを持つ物質を検出するこれまでの方法は、真空環境や、不安定で高価な標識物質を必要としましたが、開発した技術の測定環境は水溶液中であり、標識物質を必要としないため、水溶液中でしか安定な形を持つことができないDNAなどの生体分子を標識なしで検出することが期待されます。
従来の微細加工技術では、2ナノメートルの隙間を持つ超微小電極を作製することが出来ませんでしたが、金属の細線を3点曲げの要領で機械的に切断する簡単な方法で超微細電極の作製に成功しました。検出には超微細電極と水溶液が流れるマイクロ流路を組み合わせます。マイクロ流路を流れる金ナノ粒子が超微細電極の隙間にいないときは電極間に電気が流れませんが、金ナノ粒子が隙間に入ると金ナノ粒子を介して電極間に電流が流れるため、電気的に金ナノ粒子を迅速に検出することができます。また、本手法は、2ナノメートルの大きさの物質に限定されるわけではなく、超微細電極間の隙間を自由に制御できるため、異なる大きさを持つ物質の検出が可能です。今後、本技術により、化学標識を必要としないDNAやウイルスの検出、あるいは有害物質の検出などへ応用が期待されます。
Top of Page
安価なミクロンサイズの銀粒子で高熱伝導ダイアタッチ技術を開発
先端実装材料研究分野(菅沼研)
2009年2月
LED、Si、SiCなどのダイアタッチ技術には、素子の高発熱を解決するための高熱伝導接続技術の開発が必須になっている。これまでの技術開発では、当研究室が提案する亜鉛-すず合金や銀ナノペーストによるダイアタッチが高熱伝導を実現しているが、前者は200℃以上では用いることが出来ず、後者は耐熱性はあるもののコストが非常に高いために、汎用性に欠ける難点があった。今回の発明では、価格の安い銀のミクロンからサブミクロンサイズの粒子を用い、アルコールのみでペースト化することで、低温焼結で高熱伝導、低抵抗と良好な接合強を得ることに成功した。たとえば、200℃程度の焼結で抵抗率は6x10 -6Ωcmに至り、熱伝導率は140W/m・K(はんだ:23W/m・K)、接合強度は導電性接着剤と同等に達し、理論上、耐熱性は300℃を超え、高輝度LEDばかりでなく高温用途のSiCのダイアタッチにも適用できる。これは、銀ナノペーストの特性に匹敵するもので、ダイアタッチ・コストを10分の1に下げることになる。
本開発は、今後市場が拡大するLED照明、SiCデバイスの実用化に大きく拍車を掛けるものとして期待される。なお、本研究は、平成20年度まで実施したNEDOプロジェクト「高温鉛はんだ代替技術開発」の成果であり、日亜化学工業株式会社と共同で技術開発を進めている。
本研究成果は、日経産業新聞(1/28)、日刊工業新聞(2/6)で紹介された。
Top of Page
細胞の移動を制御する情報伝達物質の放出輸送体を初めて同定
~米科学誌「サイエンス」に掲載~
(生体情報制御学研究分野・山口研究室)
2009年2月
生体情報制御学研究分野・山口研究室の西毅准教授のグループは国立循環器病センターの川原敦雄室長らのグループとの共同研究によりスフィンゴシン1リン酸を細胞外へ放出する輸送体を同定することに成功しました。
スフィンゴシン1リン酸(S1P)は脂質メディエーターの一種で、細胞間情報伝達物質として働き、細胞増殖、リンパ球の遊走や癌の増殖、転移など様々な生理作用を示すことが知られています。これまでにその細胞上の受容体が明らかになり、様々な解析が進められてきましたが、S1Pがどのようにして細胞外に放出されるのかは分かっておらず、その解明がまたれておりました。
今回、国立循環器病センターで、ゼブラフィッシュの心臓前駆細胞が正常な場所まで移動することができず、心臓に形成異常を示す変異体が見いだされ、その原因遺伝子としてSpinster-like protein 2 (Spns2)が同定されました。Spns2の働きを調べたところ、情報伝達物質S1Pを細胞外へ放出する機能を持ち、心臓前駆細胞を正常な位置へと導く役割を担っていることが明らかとなりました。これは個体において生理的に働くS1P放出輸送体を同定した初めての例であり、今後哺乳類においてS1Pシグナル伝達の関与する生理作用や疾病の解明につながることが期待されます。この成果は1月22日発行の米科学誌「サイエンス」に発表され、同じ号の“This weeks in Science”欄でも紹介されました。
Kawahara‚ A.‚ Nishi‚ T.‚ Hisano‚ Y.‚ Fukui‚ H.‚ Yamaguchi‚ A.‚ and Mochizuki‚ N.‚ The sphingolipid transporter spns2 functions in migration of zebrafish myocardial precursors. Science 323‚ 524-527 (2009)

図の説明:spns2は細胞膜に発現しS1Pを細胞外に放出する活性を持つ。
ゼブラフィッシュで正常な心臓形成ができず、2つの心臓を持つ
ko157変異体で見られたR153S変異では輸送活性は完全に消失する。
Top of Page
1nmサイズの金クラスターの合成に成功
(励起分子化学研究分野・新産業物質基盤技術研究センター 真嶋研究室 /
ソフト材料基盤研究グループ)
2009年1月
200個以下の原子からなる金属クラスターは、直径10 nm以上の金属ナノ粒子やバルクの金属とはまったく異なり、発光や触媒活性など量子化に由来する様々な有用な性質を示します。例えば、金クラスターは一酸化炭素の二酸化炭素への酸化(無害化)、アルコールの酸化、カップリング反応など多くの重要な反応プロセスに対して高い触媒活性を示します。また、銀クラスターは優れた発光特性を示し、蛍光標識としての開発が期待されています。しかし、特に数 nm以下の金属クラスターの合成は非常に困難であり、その方法は限られていました。
今回、真嶋研究室は、高分子中で金イオンを光化学的に還元し、高分子のもつ安定化効果を利用して、1 nm程度の金クラスター(金原子が10個程度集合)を選択的に合成することに成功しました。また、単一分子蛍光顕微鏡を用いて高分子中で作成された金クラスターの光反応性を調べたところ、励起状態の金クラスターが空気中の酸素に対して高い反応性を示すことを発見しました。
今回成功した光化学反応を利用した新しい金属クラスター作成方法を用いることによって、高分子中での金属クラスターの簡便な作成が可能になります。高分子で保護された金クラスターはアルコールの酸化やカップリング反応など工業的に重要な有機合成プロセスに対して高い活性を示すことは既に報告されていますが、本手法は高分子中に直接金属クラスターが作成することができるため、実践的な金属クラスター作成プロセスとして期待されるとともに、光反応を用いるという特性から、フォトマスクを用いて高分子フィルム中に局所的に金ナノ粒子を作成することも可能です。
なお、本研究成果は、日経産業新聞(1/8)、日刊工業新聞(1/8)、読売新聞(1/9)、Yomiuri Online、朝日新聞(1/19)で紹介されました。また、アメリカ化学会誌に掲載される予定です。
(掲載誌は順次追加予定)
(a)

(a):高分子フィルム中に局所的に形成された金クラスター(発光部分)。フォトマスクを用いてISIRロゴの形に金クラスターを作成し、紫外光を照射すると金クラスターに由来する発光が観察された。
(b)

(c)

(b)(c): 高分子中に作成された金クラスターの透過型電子顕微鏡(TEM)画像および粒径分布。直径1ナノメートル程度のクラスターが形成されていることがTEM観察から明らかになった。
Top of Page
2色2レーザー照射法による金属ナノ粒子の三次元光加工に成功
(励起分子化学研究分野・新産業物質基盤技術研究センター 真嶋研究室 /
ソフト材料基盤研究グループ)
2008年9月
真嶋研究室では、新しい概念に基づく三次元光加工技術として2種類の波長の励起光を照射する2色2レーザーを用いた三次元光加工技術を開発しました。具体的には、還元剤ラジカルの前駆体および金属イオンを含む樹脂(PVA, PVAc, PMMAなど)に、波長の異なる2つのレーザー光を照射することで、その交点に還元力の高いラジカル励起状態を生成させ、金属イオンを還元して金属ナノ粒子を作成することができます。交点を動かすことによって三次元空間に位置特異的に金属ナノ粒子アレイを作成することができ、4-5 μmの分解能を達成しました。逆に、レーザーの重なり合わせを調整することによって大面積(体積)を一度に加工することも可能です。また、レーザー強度を調整することにより、交点からレーザー入射方向へと起こる金属ナノ粒子アレイのカスケード的な形成(レーザー誘導形成)や、線状のナノアレイからの枝分かれナノアレイの作成、さらには、表面を傷つけることなく材料内部に空孔やトンネル状の金属ナノ粒子アレイを作成することができます。本手法は、樹脂に限定されるものではなく多種多様な材料に適用可能であり、光、熱による損傷を受け易い材料内部での非破壊的な三次元位置特異的金属ナノ粒子アレイの作成から、空孔やトンネルの作成まで多彩な加工が可能です。今後、本手法による三次元微細配線、金属アレイ、三次元記録素子、マイクロ流路の作成や、マイクロマシン用の極微加工など様々な用途への応用が期待されます。
この研究成果は、Advanced Materialsに発表され、読売新聞朝刊(9/3)、読売ONLINE(9/3)、日経産業新聞(9/3)、朝日新聞夕刊(9/6)、asahi.com(トップニュース)(9/7)、日刊工業新聞(9/9)、化学工業日報(9/16)で紹介されました。(掲載誌は順次追加予定)

図1.2色2レーザー照射法による金属ナノ粒子の三次元光加工の概念図

図2.2色2レーザー照射法による金ナノ粒子の三次元光加工の例。金ナノ粒子の形成された部位はナノ粒子の表面プラズモン吸収のため紫に変色する。(a)樹脂中に金ナノ粒子で書き込まれた「光」という文字。(b-d)樹脂中に三次元位置選択的に作成されたマイクロメートルサイズの金ナノ粒子アレイ(b)、マイクロキャビティ(c)、マイクロトンネル(d)。

図3.2色2レーザー照射による金属ナノ粒子アレイの生成
Top of Page
「ビスマス系銅酸化物高温超伝導体における不均一な超伝導相互作用の起源」を見出す
~米科学誌「サイエンス」に掲載~
量子機能材料研究分野(安藤研)
2008年4月
Electronic Origin of the Inhomogeneous Pairing Interaction in the High-Tc Superconductor Bi2Sri2CaCui2Oi8+δ, Abhay N. Pasupathy, Aakash Pushp, Kenjiro K. Gomes, Colin V. Parker, Jinsheng Wen, Zhijun Xu, Genda Gu, Shimpei Ono, Yoichi Ando, Ali Yazdani, Science 320, 196 (2008).
大阪大学産業科学研究所の安藤教授は、ある種の銅酸化物高温超伝導体において超伝導状態が空間的に不均一に分布していることの起源を、財団法人電力中央研究所および米国のプリンストン大学との共同研究によって明らかにしました。これは「ビスマス系銅酸化物」と呼ばれる高温超伝導体(Bi2Sri2CaCui2Oi8+δ)の高品質単結晶を対象にして、「トンネル分光法」と呼ばれる実験手法を用いて見いだした成果です。
銅酸化物高温超伝導体においては、一般に超伝導状態が空間的に不均一であることが知られていました。その原因として、電子対をつくる媒介であるボゾン励起(超伝導の電子対を作る媒介のエネルギー)が不均一なことが理由であるのか、それとも電子系の状態密度の不均一性に起因するのか、2つの可能性が考えられていました。
今回、常伝導状態と超伝導導状態の両方を原子レベルの分解能で電子状態を測定することで、超伝導状態においてボゾン励起は空間的に均一であり、また常伝導状態における電子系の不均一さがそのまま超伝導状態における不均一さに繋がっていることを見いだしました。さらに、数百meVという比較的高いエネルギー領域における電子励起が超伝導ギャップの大きさを決定していることも明らかにしました。今回の成果は、高温超伝導が発現する仕組みの解明に向けて更に踏み出したものと言えます。なおこの成果は、4月11日発行の米科学誌「サイエンス」に掲載されました。
図の説明:Aは常伝導状態における電子状態密度の分布。Bは超伝導状態の強さを表す「エネルギーギャップ」の分布。Aと比較すると色が反転しているが、分布の仕方はAと同じであることがわかる。
Top of Page
高圧・暴爆性水素を用いない蓮根型ポーラス金属の簡単な革新的製法発明
(金属材料プロセス研究分野・中嶋研究室)
2007年8月
金属材料プロセス研究分野・中嶋教授は、高圧・暴爆性水素を用いない新しい蓮根型ポーラス金属の製法を世界に先駆けて発明することに成功しました。従来、気孔が一方向にそろった蓮根型ポーラス金属は、金属を高圧水素の雰囲気の中で溶かし凝固させることによって作製されてきました。このポーラス金属は超軽量、制振性、放熱性、生体適合性などに優れているので、産業の種々の分野に工業材料として実用化が期待されています。しかしながら、高圧容器を用いることで装置がコスト高であることや、暴爆性の水素を用いるため危険性が問題視され、工業化に難点がありました。
今回、中嶋教授らは、この障害を克服した、高圧・暴爆性水素を用いない新しい蓮根型ポーラス金属の製法を世界に先駆けて発明しました。新製法は、ガスを発生する化合物粉末を1気圧のアルゴン雰囲気中や大気中で溶融金属に添加して凝固させる方法で、高圧容器も水素ガスも不要ですので、安全で簡単な安価な製造方法と言えます。しかも、ナノサイズに分散した化合物は気泡発生核になるので、緻密な均一な気孔を生成させることができます。新製法の作製装置コストは従来のものと比べて1/10以下に抑えられますので、実用化が国内外で急速に発展すると期待されます。
現在、自動車ボディー軽量化、工作機械、電子機器の冷却用ヒートシンク、人工歯根、人工骨、航空機ジェットエンジン部材などへの実用化が進められています。この研究成果は、NHK総合テレビニュース(関西版8/9、全国版8/10)、NHKラジオ全国放送(8/10)、NHK Webニュース、8月10日の読売新聞、日本経済新聞、日経産業新聞、産業新聞、8月24日の科学新聞、8月29日の日刊工業新聞で紹介されました。また、9月6日カナダ、モントリオールで開催された第5回ポーラス金属国際会議でキーノートレクチャーとして招待講演されました。

(a) 化合物粉末の添加による
蓮根型ポーラス金属の新製法

(b) 新製法によって作製された蓮根型ポーラス銅
((下)凝固方向に平行な断面、(上)凝固方向に垂直な断面写真)
Top of Page
DNA一分子中の電荷移動の観測にはじめて成功
(励起分子化学研究分野・真嶋研究室)
2007年6月
真嶋研究室では、DNA一分子中の電荷移動の観測にはじめて成功しました。
DNAが2nmの紐状物質であることから、DNAをナノサイズの電線として使用できないかとの希望があります。もし「DNA分子ワイヤー」が可能になると、次世代ナノエレクトロニクスの基盤が確立したことになります。そのためには、DNA中の核酸塩基を伝わって電荷が移動することであり、これを明らかにすることが必要不可欠です。
DNA内の電荷の移動は、核酸塩基間の電子的相互作用と塩基配列に強く依存する性質を有します。したがって、電荷の移動を観測することができればDNA内の情報を読み出すことができます。本研究では、単一分子蛍光イメージング法を用いてDNA電荷移動過程を観測し、究極の高感度で、DNAのたった一分子から塩基配列情報(ミスマッチ)を読み出すという技術を確立しました。
図はDNA内電荷移動の単一分子計測のイメージ図です。光増感剤(赤色の分子)と蛍光色素(緑色の分子)を修飾したDNAをガラス基板に固定し、UV光を照射して電荷移動を誘起させます。電荷がDNA内を移動することで、蛍光色素の発光挙動が変化します。蛍光色素の発光のオン-オフを観測することによって、一分子DNA電荷移動計測を達成しました。さらに、電荷移動効率が配列に依存することを利用し、一分子レベルでのミスマッチ検出を実現しました。
本研究成果は、米科学誌Proc. Natl. Acad. Sci. に発表され、共同通信配信(6/26付)より地方各誌のWEBニュース、朝日新聞夕刊(6/27)、日経産業新聞(6/27)、日刊工業新聞(6/28)で紹介されました。
Top of Page
「ものづくり教室・ナノテク理科教室2010」開講
2010年8月
今年も技術室と阪大複合機能ナノファウンダリの共催で大阪大学21世紀懐徳堂の協力の下、小中学生を対象に「ものづくり教室・ナノテク理科教室」を8月4日から6日までの3日間にわたり開講致しました。
多数の応募が有り金属加工「オリジナルプレートを作ろう」に計18名、ガラス加工「浮沈子を作ろう」に計18名、電子回路「ハンダゴテを使って電子回路を作ろう」に計30名、微細加工「ナノ加工技術を使ってオリジナルカードを作ろう」に計17名の合計83名の参加を頂きました。
山口所長による開会の挨拶と産研紹介に始まり、4日は沼尾教授、5日は加藤教授、6日は山口所長による講義を行いました。
小学生には少し難しい話だったかもしれませんが、保護者の皆さんともども熱心に聴きいっていたのが印象的でした。
その後、各教室に分かれ実際に物をつくってもらいました。教室では皆楽しそうに物を作っていましたし、各教室が終わり戻ってきた子供達の顔を見ればとても満足そうでしたので、その笑顔を見れてスタッフとしてもうれしかったです。
また保護者の方からも参加されたお子様の喜びの声や自発的に学校の自由研究をやり出すという激変した?お子様の様子等も送って頂きまして大変ありがとうございました。来年もお待ちしております。
Top of Page
インキュベーション棟竣工披露式典を開催
2010年6月9日
産業科学研究所では、平成22年6月9日(水)に、3月に完成したインキュベーション棟の竣工披露式典を開催し、企業関係者を中心に約140名が出席されました。
インキュベーション棟は、全国初のオンキャンパス型のインキュベーション施設で、棟内に開設する企業リサーチパークを通じて産学連携を推進することを目的として建設されました。
竣工披露式典では、山口明人所長の開会の辞、鷲田清一総長による挨拶に引き続き、文部科学省研究振興局学術機関課課長補佐渡邊和良氏、伊藤忠商事株式会社代表取締役会長小林栄三氏よりご祝辞を頂いた後、経済産業省近畿経済産業局地域経済部長国吉浩氏による記念講演が行われました。式典後には見学会が行われ、インキュベーション棟及び産業科学研究所施設を見学しました。
見学会終了後には祝賀会が開催され、財団法人産業科学研究協会理事長安達稔氏にご祝辞を頂いた後、門田守人理事・副学長の乾杯の発声により和やかな雰囲気で参加者相互の意見・情報交換が行われ有意義な祝賀会となりました。
Top of Page
いちょう祭一般公開開催
2010年4月30日~ 5月1日
大阪大学創立記念祭いちょう祭の一環として、今年も産業科学研究所の研究室、施設を一般公開しました。“未来につながる産業技術を大公開”をテーマに、研究室・施設の見学ツアーや体験を実施し、様々な年代の方々にご来場頂きました。
5月1日には、産研サイエンスカフェを今年も開催し、のべ55名の参加者で会場は賑わいました。産研所属の学生たちの研究に関する話に耳を傾け、熱心に質問する参加者の方々の姿が見受けられました。
(来場者実績・アンケート結果)
研究室見学ツアー
産研サイエンスカフェ
サイエンスカフェスピーカー
松本さん(沼尾研)・二階堂さん(山口研)
Top of Page
小林研究室・技術室が出展「科学技術イベント 彩都サンデーサイエンス」
2009年11月29日
11月29日(日)、茨木市立彩都西小・中学校にて、科学技術イベント「彩都サンデーサイエンス」が開催されました。
彩都サンデーサイエンスは、様々な世代の多くの方が、気軽に科学技術と触れ合う「文化祭」として、現在の生活に役立つ身近なものから、将来の生活に役立つ先端科学技術までを題材とし今回3回目の開催となりました。
産業科学研究所からは、工作・実験屋台村に「光とあそぼう~光を分けて、混ぜて、光電話も体験」(小林研究室)と「手作り望遠鏡をつくろう!」「未来のエンジンをつくろう!」(技術室)と題してブースを出展しました。当日は天気にも恵まれ、多くの来場者が有りました。会場では、熱心に実演や説明を聞く家族連れや工作を楽しむ子供たちの姿が多く見受けられました。
Top of Page
行政刷新会議の事業仕分けに関する国立大学附置研究所・センター長会議の緊急声明
国立大学附置研究所・センター長会議会長 大阪大学産業科学研究所長 山口 明人
2009年11月
緊急声明
国立大学附置研究所・センター長会議
平成21年11月26日
行政刷新会議によって行われている平成22年度概算要求事業仕分けに関しては、各方面から既に様々な意見表明がなされていますが、私たち国立大学附置研究所・センター長会議は次のように意見表明をいたします。
事業仕分け自体は、積年の予算編成の硬直性を是正し、予算の仕組みを公開の場で討論し、メディアを通じて国民の前に開示するという画期的な手法として高く評価できる側面もあります。しかしながら、学術研究や高等教育のような国家百年の基盤に関わる予算を、節約や効率性という観点だけで切り捨てるようなことがあれば、大きな禍根を将来に残すことになるのは明らかです。しっかりとしたグランドプランに基づいた議論が必要です。資源もなく、国土が狭く人口の多い我が国の将来は、科学技術の優位性を維持し「知的創造立国」できるかどうかにかかっているということは広く国民的コンセンサスになっているところです。国立大学法人は効率の向上に努めていますが、我が国の科学技術予算及び高等教育予算の対GDP比は先進国の中でも最低のランクにあり、決して潤沢な予算が組まれているわけではありません。
国立大学の附置研究所およびセンターは、大学の中で主として「知の創造」を担う機関として設置されており、学部・研究科とともに我が国の学術の発展に大きく貢献してきました。大学の中で高等教育の一環を担いつつ、学術研究人材を最先端の研究現場を通じてじっくり育成するという独自の役割を担い、我が国の学術の多様性や深み厚み広がりを支える人材を輩出してきたと自負しております。もし、大学の研究・教育活動が今回の仕分けによって万が一大きく制約を受けるようなことになれば、日本の将来の国際競争力を支える研究開発力や人材育成に支障を来し、欧米のみならず、科学技術や人材の育成に格段の力を入れ近年目覚ましい成果をみせている近隣諸国にも大きく後れを取ることになると危惧します。国立大学法人に措置される運営経費は、「知的創造立国」の基盤を維持するための投資であり、短期的な経済効率だけから判断して削減することがどのような結果を招くか慎重に考慮する必要があります。我が国の将来に希望をつなぐ、賢明な学術政策の推進を願うものです。
1. 運営費交付金について
運営費交付金については見直しという判定がなされました。国立大学法人化後、大学の運営の効率化のために様々な努力が積み重ねられ、現在でも継続的な改革改善がなされているところですが、国立大学法人化後の運営費交付金マイナスシーリングの中で、学術研究の継承発展や人材育成への支障が顕在化しつつあります。ぜひとも各大学における改革への自助努力を支援し、国立大学であるからこそなしうる多様な研究教育活動を発展させる方向での見直しを願うものです。法人化後、法人間の競争が強調されるあまり,法人の枠を越えた共同研究活動を担保する仕組みに関する議論が後回しになった感があります。これを是正し、国公私立大学を問わず、特化した分野において先端的な研究活動を行っている研究所・センターを広く全国に開かれた共同利用・共同研究拠点として認定することによって、我が国の学術研究の推進にリーダーシップを発揮できる新制度が導入されました。これは大変革であり、うまく運用することによって、先端的研究の画期的な発展が実現できます。しかしながら、その新制度の趣旨の裏付けとなる十分な予算措置は実現しておらず、まさに「仏作って魂入れず」となるおそれなしといえません。これは一例ですが、もし運営費交付金の見直しが行われるのであれば、このような改革に支援の手が届くような見直しが行われることを願っています。
2. 特別教育研究経費について
事業仕分けにおいて、運営費交付金の中で特別教育研究経費については縮減と判定されました。一部には、科学研究費補助金や他の競争的プロジェクト研究経費と重複があるのではないかという誤解があるようです。特別教育研究経費は、新たな研究ニーズに機動的に対応し、各大学等の個性に応じた教育研究基盤を充実させるための基盤的経費であり、個々の研究者や研究グループの研究に対して交付される競争的研究資金とは全く性格を異にするものです。我が国の将来を支える学術研究を進めるためには、新たな教育研究ニーズに対応し、各国立大学等の個性に応じた意欲的な取組みを重点的に推進することが不可欠です。とりわけ、特別教育研究経費により大規模基礎研究の推進や新たな研究分野・領域への挑戦など各国立大学法人における学術研究を進めることは、喫緊の財政的危機や、環境に対する脅威を取り除き、次世代の社会をより安全で豊かなものにするためにも重要です。特別教育研究経費は、多様で深みのある学術研究・人材育成にとっての不可欠な基盤的経費であり、その縮減は大きな活動の制約につながります。
3. 人材育成について
研究は人材に尽きると言って過言ではありません。国内外問わず、世界中から優秀な研究者を集めることが、我が国への知識・知力集積をもたらし、大きな研究成果を生み、そのことがさらに我が国の求心力を高め、さらに優秀な人材を引き寄せ多様な人材を育てていくという好循環を生みます。今回の仕分けでは、若手研究育成事業については縮減とされました。予算制約が強まっていくなかで国立大学法人は、人材育成への投資だけは減らないよう様々な努力を積み重ねてきました。明治期以来の日本の近代化の成功という歴史の教訓に反して、高度な専門知識と知力をもった多様な人材の育成をおろそかにすることは、我が国の将来に重大な結果をもたらします。にもかかわらず、人材育成に関して、他の項目と同列に縮減の判定が下ったのは残念でなりません。長期的な視野での政策推進を願うものです。
Top of Page
川合知二教授 最先端研究開発支援プログラムに採択決定
(バイオナノテクノロジー研究分野・ 川合研究室)
2009年9月
最先端研究開発支援プログラムに川合知二教授(バイオナノテクノロジー研究分野)が中心研究者として採択されました。
平成21年9月4日に開催された第84回総合科学技術会議において、最先端研究開発支援プログラムへの全国からの応募565件(うち大学関係は428件)のうち30件が採択されました。以下は、そのうちの1件として採択されたものです。
- 分野名 : ナノテクノロジー・材料
- 研究課題名 : 1分子解析技術を基盤とした革新ナノバイオデバイスの開発研究
- 中心研究者 : 産業科学研究所 教授 川合知二
最先端研究開発支援プログラムは、研究者が研究開発において能力を最大限発揮出来る環境の整備等を内容とした、研究者最優先の全く新しい研究開発支援制度であり、新たな知を想像する基礎研究から出口を見据えた研究開発で、さまざまな分野及びステージを対象とした世界のトップを目指す研究開発を推進することで、産業、安全保障等の分野における我が国の中長期的な国際競争力及び底力を強化し、研究成果を国民及び社会に還元することを目的としています。
Top of Page
「ものづくり教室・ナノテク理科教室」開催
2009年8月
8月5日から7日までの3日間、一般公募の小中学生を対象とした「ものづくり教室・ナノテク理科教室」を、技術室と阪大複合機能ナノファウンダリの共催、大阪大学21世紀懐徳堂の後援により開催しました。
山口所長による開会の挨拶と講演に始まり、5日は真嶋教授、6日は八木教授、7日は田中教授による日替わり講演および体験が行われました。
今年度は、産研内での改修・建設工事により、規模を縮小しての開催でしたが、「ハンダゴテを使って電子回路をつくろう」、「ナノ加工技術を使ってオリジナルタグをつくろう」、「光の色を見る道具を作ろう!」の3テーマ合計65名にご参加頂きました。
参加者の小中学生の皆さんは、原理、道具の使い方、製作テクニックなど技術室、ナノファウンダリのスタッフのわかりやすい指導を受け、楽しみながらも熱心にそれぞれのテーマに取り組まれたようでした。この様子は、8月18日放映のケーブルテレビJCOMウエスト北摂西エリアの「日刊!知っ得情報」にて紹介されました。
Top of Page
物質・デバイス領域共同研究拠点(ネットワーク型共同利用・共同研究拠点)の認定
2009年6月
北海道大学電子科学研究所、東北大学多元物質科学研究所、東京工業大学資源化学研究所、大阪大学産業科学研究所、九州大学先導物質化学研究所は、平成21年6月25日(木)産業科学研究所を中核拠点とした5研究所のネットワーク型による「物質・デバイス領域共同研究拠点」として、文部科学省より認定を受けました。
物質・デバイス領域共同研究拠点では、物質創成開発、物質組織化学、ナノシステム科学、ナノサイエンス・デバイス、物質機能化学の研究領域を横断する「物質・デバイス領域」の公募による共同研究システムを整備し、物質・デバイス領域で多様な先端的・学際的共同研究を推進するための中核を形成します。これにより、革新的物質・デバイスの創出を目指します。
(参考)
● 共同利用・共同研究拠点の概要:
これまで我が国の学術研究の発展には、大学の枠を越えて、研究設備や資料・データ等を研究者が共同で利用したり、共同研究を行う「共同利用・共同研究」のシステムが貢献してきましたが、それは国立大学の全国共同利用型の附置研究所・研究施設や大学共同利用機関を中心に推進されてきました。
そこで、国全体の学術研究の更なる発展を図るため、国公私立大学を通じたシステムとして、文部科学大臣による共同利用・共同研究拠点の認定制度を設け、高いポテンシャルを有する研究施設を共同利用・共同研究拠点として整備することとなりました。
この制度により、広範な研究分野にわたり、共同利用・共同研究拠点が形成されるなど、我が国の学術研究の基盤強化と新たな学術研究の展開が期待されます。
※単独型:1 つの大学に所属する研究所や研究施設が拠点を設置する型。
※ネットワーク型:他大学も含めた複数の研究所や研究施設がネットワークを形成して拠点を設置する型。
● 認定期間:
平成22年4月1日から平成28年3月31日(6年間)
● 文部科学省ホームページ: http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/06/1279611.htm
Top of Page
いちょう祭一般公開開催
2009年5月1日~5月2日
大阪大学いちょう祭の一環として、“「?」を「!」にかえてみよう!未来につながる産業技術を大公開”をテーマに、今年も産業科学研究所の研究室、施設を一般公開しました。研究室・施設の見学ツアーや体験(電磁器であそぼう、液晶を用いた温度計をつくろう)も実施し、251名の幅広い年代の方々にご来場頂きました。
今年は新規イベントとして、産研サイエンスカフェを5月2日限定で開催し、のべ75名の参加者で会場は賑わいました。産研所属の学生たちの話に熱心に耳を傾け、質問する高校生の姿が印象的でした。
(来場者実績・アンケート結果)
研究室見学ツアー
(量子ビーム科学研究施設)
賑わいをみせた産研サイエンスカフェ
サイエンスカフェ
学生スピーカー
左から:新木さん、冨山さん(野地研)、森尾さん(磯山研)
Top of Page
松崎特任助教 日本で初めての患者団体による研究助成を受ける
2009年1月27日(火)
松崎特任助教(生体触媒科学研究分野)が、NPO法人日本IDDMネットワーク「1型糖尿病研究基金」の研究助成対象者に選ばれ、1月26日11時より厚生労働省にて記者会見が行われました。
この基金は、1型糖尿病について、その根治療法につながる先進的な研究に取り組んでいる研究者や団体に対し研究費の助成を行うことにより、発病原因の解明や治療法の確立等に向けより一層の研究の振興を応援するものです。
助成金贈呈式は1月31日に岡山市内で行われる予定です。
NPO法人日本IDDMネットワーク:(http://www5.ocn.ne.jp/~i-net/topnews.htm)
助成の詳細 / 研究内容
Top of Page
韓国漢陽大学学生、産研に滞在 ~産研-韓国漢陽大CUPプログラム
2009年1月8日(木)
産研-韓国漢陽大のCUPプログラムの一環として、2009年1月より漢陽大の6名の学部学生が産研に2ヶ月滞在します。(受入研究室:朝日研、小林研、菅沼研、中嶋研、真嶋研)これに伴い、1月8日には産研の上記の研究室見学を行いました。また、1月9日には産研オリエンテーションとして、当プログラムのコーディネータである真嶋教授により産研要覧や産研紹介ビデオを使用しての研究所説明を行いました。漢陽大の6名の学生達は熱心に聞き入っていました。
Top of Page
「産研 国際交流パーティー」開催
2008年12月18日(木)
本研究所において日々研究等を行っている外国人研究者、留学生の方々及びそのご家族と、教授をはじめとする教職員やチューターとの親睦を深めることを目的とした本研究所恒例の国際交流パーティーが、12月18日(木)午後5時30分より、工学部GSEコモンイースト15階のラ・シェ-ナにて開催されました。
国際交流推進委員会委員の田中教授の司会により、加藤副所長(兼国際交流推進委員会委員)の開会の挨拶、山口所長の挨拶と乾杯の発声でパーティーは始まりました。中国、韓国、インド、ベトナム、バングラデシュ、スペイン、ロシアなど計13ヶ国もの外国人研究者・留学生と小さいお子さまを含むご家族と、教職員などあわせて約80名が参加し、教育・研究のことのみならず日常の話題について終始歓談したのち、研究室ごとに自己紹介し、最後に日本伝統の三三七拍子でパーティーを締めくくりました。
出会いを祝して乾杯
国籍、研究室の枠を越えた交流
締めくくりは、三三七拍子
Top of Page
「ものづくり教室」・「夏休みナノテク理科教室」開催
2008年8月6日(水)~8日(金)
8月6日から8日までの3日間、当研究所主催で「ものづくり教室」・「夏休みナノテク理科教室」を同時開催しました。期間中、合計95名(ものづくり教室63名、ナノテク理科教室32名)の一般公募の小中高生にご参加頂きました。
今年で3回目の「ものづくり教室」は、技術室の運営によるもので、小中学生を対象に、金属加工(オリジナルプレートを作ろう)、ガラス工作(浮沈子を作ろう)、電子回路(虫の鳴き声を作ろう)の3コースが開催されました。
阪大複合機能ナノファウンダリによる初開催の「夏休みナノテク理科教室」は、不思議な物体「ナノテク・スライム」作りに挑戦!、写真技術を用いてナノテク加工を体験しよう!、 ナノ粒子を使って光で反応するフィルムを作ろう!の3つのテーマ別に、小中高生にご参加頂きました。
参加者の子供達は、器具の扱い方や原理を楽しみながら学び、それぞれの作品を完成させました。
この様子は、8月8日放映の「日刊すいた情報局」(吹田ケーブルテレビジョン)で紹介されました。
日替わりで科学に関する講話も行われました
ものづくり教室・電子回路で
あそぼう
ナノテク理科教室・「ナノテク・
スライム」作りに挑戦!
Top of Page
内蒙古師範大学化学・環境科学学院と学術交流に関する協定を締結
2008年6月4日(水)
産業科学研究所と中華人民共和国の内蒙古師範大学化学・環境科学学院は、両機関における教育及び学術研究上の協力関係を推進することを目的とし、このたび、学術交流に関する協定を締結しました。
協定の内容は、共同研究、講義、シンポジウム等の実施並びにこれに伴う学生、研究者の交流や、その他相互に関心を有する分野における情報及び資料の交換を行う旨のものです。
調印式は、6月4日に同大学化学・環境科学学院長が来訪され、所長室において、コンタクトパーソンの小林教授陪席のもと行われました。

左から、Wu Hong Ying学院長、Deliger部長、
小林教授、山口所長

協定書を交わす山口所長(左)と
Wu Hong Ying学院長(右)
Top of Page
産研新人オリエンテーション
2008年5月30日(金)
今年度からの新しい試みとして、教授会主催により産研新人オリエンテーションが開催されました。
新たに産研のメンバーになった人たちに産研をより深く知ってもらい、帰属意識を高め、所員間の連携を強化することが目的です。
山口所長による挨拶に始まり、ガイダンス、各研究分野や施設の紹介に熱心に聞き入る参加者の姿が多く見受けられました。この後の親睦会も盛況で、所員同士の交流を深める良い機会となりました。



Top of Page
いちょう祭一般公開開催
2008年5月2日~5月3日
大阪大学いちょう祭の一環として、“新しい「?」を見つけよう!未来につながる産業技術を大公開”と題し、産業科学研究所の研究室、施設を一般公開しました。昨年度に引き続き、研究室・施設の見学ツアーや電子回路工作体験などを行い、お子様から大人まで幅広い年代の方々にご参加頂きました。
(来場者実績・アンケート結果)



Top of Page
八木研究室・技術室が出展「科学技術イベント 彩都サンデーサイエンス」
2007年11月25日
11月25日(日)、茨木市立彩都西小学校にて、科学技術イベント「彩都サンデーサイエンス」が開催されました。
彩都サンデーサイエンスは、様々な世代の多くの方が、気軽に科学技術と触れ合う「文化祭」として、現在の生活に役立つ身近なものから、将来の生活に役立つ先端科学技術までを題材とし今回、初めて開催されました。
産業科学研究所からは、工作・実験屋台村に「おもしろ視覚」(八木研究室)と「おもしろ工作&びっくり実験・・・ドンダケー!」(技術室)と題してブースを出展しました。
当日は天気にも恵まれ、イベント全体で来場者は2000名を越えました。会場では、熱心に実演や説明を聞く家族連れや工作を楽しむ子供たちの姿が多く見受けられました。



Top of Page
2007年9月20日

協定書を交わす川合所長(左)
と笹木電子科学研究所長
産業科学研究所(産研)と北海道大学電子科学研究所(電子研)は、ネットワーク型による戦略的基盤技術開発研究の推進に関する協定を9月20日に締結しました。
産研は、新産業創造物質基盤技術における新たな物質創製をテーマに、東北大学多元物質科学研究所(多元研)との附置研究所間連携事業として「中核的研究拠点間アライアンス実現に向けたポストシリコンの戦略的研究」(ポストシリコン物質・デバイス創製基盤技術アライアンス)を平成18年度から開始しており、平成19年度からは、電子研と東京工業大学資源化学研究所(資源研)がこれに加わり、4研究所間の連携事業へと発展しました。本事業は、各研究所がそれぞれ得意な分野で相互に連携を図り、相補的・協力的なネットワーク型による戦略的基盤技術開発研究を推進することを目的としています。
本協定は、双方の人的・物的資源の積極的活用により、今後、こうしたネットワーク型の連携研究を一層効果的に推進することをねらいとしているものであり、10月1日には産研にアライアンス・ラボが開設され、電子研の研究者を受入れるなど、従来の枠組みにとらわれない新たな連携研究推進の体制が整備されました。
Top of Page
いちょう祭一般公開開催
2007年4月30日~5月1日
大阪大学創立記念イベントいちょう祭の一環として、産業科学研究所では研究室等の一般公開を開催した。当日は、産研紹介ビデオの上映も行った。2日間で432名の来場があり、今年度初めて実施した研究室見学ツアーへも多くの方にご参加頂いた。
(来場者実績・アンケート結果)



Top of Page
産研同窓会設立総会
2006年9月8日
発足準備会による半年の準備を経て、産研同窓会設立総会が開催され、産研同窓会が正式に発足しました。
産研同窓会は、産研のOB、OGの方々から現在在籍の教職員・学生で構成されており、総会では産研での思い出話も交えながら意見交換が行われました。今後は同窓会通信やHPを充実させ、産研ネットワークの拡大を図ります。
 初代会長には、小泉光恵名誉教授(第15代産研所長)が就任されました。 |


Top of Page
「産研フェスタ」開催
2006年9月8日
産業科学研究所では年に一度産研の全構成員が一堂に会し交流を深める場として「産研フェスタ」を催しており、今回で14回目の開催となった。恒例の大縄跳び大会、ビアパーティー、新人紹介が行われ、研究室単位等の協力による模擬店も出店した。大盛況のうちに幕を閉じた。



Top of Page
「ものづくり教室」開催
2006年8月24日
8 月2日~4日にかけて「ものづくり教室」が開催された。技術室による小中学生を対象とした教室は今回が初めて。
金属加工(オリジナルプレートを作ろう)、ガラス工作(ガリレオ温度計を作ろう)、電子回路(虫の鳴き声を作ろう)の3 コースに3 日間で66 名の小中学生が参加した。



Top of Page