最近の研究成果受賞者一覧 最近の活動

最近の研究成果

ペプチドシークエンサーの動作原理を実証 創薬への応用に期待

2014年9月

大阪大学最先端研究開発支援プロジェクトの川合知二特任教授と大阪大学産業科学研究所バイオナノテクノロジー研究分野の谷口正輝教授の共同研究グループは、ペプチドシークエンサーの動作原理を実証しました。この成果は、創薬への応用が期待されます。

化学処理しないでそのままペプチドのアミノ酸配列を決定するペプチドシークエンサーは、これまで開発されておらず、夢の装置と考えられてきました。

共同研究グループは、半導体技術を用いて、約1ナノメートルの電極間距離を持つナノギャップ電極を作製し、1個のアミノ酸分子を流れる電流により、ペプチドの部分アミノ酸配列の決定に成功しました。また、酵素などのたんぱく質機能をスイッチする修飾アミノ酸分子の識別にも成功しました。

個別化医療の実現に向けて、遺伝子解析と同様に、タンパク質・ペプチドの超高速・超低コストなアミノ酸配列解析法の実現が期待されています。特に、ペプチドは、創薬のターゲットになっており、ペプチドシークエンサーの重要性は高まっています。しかし、これまで化学処理を必要としないペプチドシークエンサーが開発されることはありませんでした。

ペプチドシークエンシング技術は、1分子の電気抵抗を計測するこれまでの技術とは全く異なる原理で動作しており、これまで解析が出来なかったペプチド解析の実現が期待されます。この開発した1分子解析技術は、ペプチドシークエンシング技術の基礎研究を応用化・実用化研究へと展開する最も重要な概念実証であり、今後の研究開発を飛躍的に推し進めると期待されます。

研究成果は、2014年9月14日(英国時間、日本時間:9月15日午前2時)にネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)「Nature Nanotechnology」のオンライン速報版で公開されました。本研究は、日本学術振興会の最先端研究開発支援プログラムと科学研究費補助金基盤研究(S)により、助成を受けたものです。

ペプチドシークエンサーの原理図
ペプチドシークエンサーの原理図
1つ1つのアミノ酸の電気抵抗の違いを読みだす。

Top of Page

安藤陽一教授 第32回(平成26年度) 大阪科学賞 受賞

2014年9月

大阪大学産業科学研究所の安藤陽一教授が第32回大阪科学賞を受賞されました。同賞は、大阪を中心とした地域において科学および新技術の発展に著しく寄与した研究者を毎年2名選び、顕彰するものです。

近年、物質の性質を研究する物性物理学の分野で、トポロジカル絶縁体やトポロジカル超伝導体と呼ばれる新規物質が大きな注目を集めています。しかし適切なモデル物質の欠如が研究の進展を阻んでいました。安藤教授は世界に先駆けてバルク絶縁性の高いトポロジカル絶縁体物質を開発し、マイルストーンとなる「表面支配伝導」を初めて実現しました。また、「トポロジカル結晶絶縁体」という新しい種類のトポロジカル絶縁体の存在を初めて実証し、トポロジカル物質の概念を大きく広げることにも貢献しました。さらに、トポロジカル絶縁体由来の超伝導体CuxBi2Se3の表面に新奇なマヨラナ粒子が現れている可能性を示す証拠を初めて捉え、トポロジカル超伝導体の研究を大きく進展させるきっかけを作りました。これらの成果は、世界的に注目されているホットな研究分野で日本を最先端国の一つに押し上げる効果をもたらし、将来的にはトポロジカル物質の応用を通して情報処理技術の革新に貢献することが期待されます。表彰式・記念講演につきましては10月29日(水)16時30分から大阪科学技術センタービル8階大ホールにて行われます。

詳しくは、こちらをご覧ください。

記者会見写真

Top of Page

光線力学的療法(PDT)において発生する細胞内一重項酸素の新しい蛍光プローブ

2014年8月

励起分子化学研究分野の真嶋哲朗教授らは、光線力学的療法(PDT)において発生する細胞内一重項酸素を場所選択的に検出できる新しい赤色蛍光プローブを開発しました。

光線力学的療法(PDT)において、光照射により一重項酸素(1O2)が発生し、その反応により細胞毒性が発現すると考えられています。実際の医療現場でも、PDTによって細胞内に発生する1O2の総量は、治療程度や効率と直接的な影響を与えるため、画像診断と治療の融合の実現において、1O2の発生と変化を実時間観察することは非常に重要です。これまで1O2を検出する従来技術として、1O2の燐光の測定、および1O2との反応によって発光する蛍光プローブを使用する方法が主に実施されてきました。しかし、低強度の燐光を検出するためには特殊な検出器が必要であり現実的ではなく、その空間分解能も一細胞レベルにとどまっています。一方、燐光に比較して検出が容易なことから、1O2検出用の蛍光プローブが広く使用されてきました。その中で最も広く使われている市販品のSinglet Oxygen Sensor Green(Molecular Probes®)は、細胞内への透過性が悪く、また自己酸化して分解するなどの問題があります。そこで、細胞内に容易に導入され、細胞内1O2を効率よく検出する新たな蛍光プローブ開発が必要不可欠であります。

そこで我々は、PDT療法の主要な細胞内小器官のターゲットであるミトコンドリアに浸透し、その内膜で共存している光増感剤から発生する1O2を場所選択的に検出可能な赤色蛍光プローブSi-DMAの開発に成功しました。細胞内1O2を検出できる蛍光プローブは、他の活性酸素種のプローブに比べて非常に少数が報告されているのみであり、さらに、細胞内で光増感剤との高い場所選択性を持っている蛍光プローブは、これまで全く報告例がなく、世界最初の例であります。

研究成果は、アメリカ化学会のJ. Am. Chem. Soc.に掲載され(DOI: 10.1021/ja504279r)、8月1日の日刊工業新聞に紹介されました。

写真

Top of Page

服部 梓助教が「第7回 資生堂女性研究者サイエンスグラント」を受賞

2014年3月

服部 梓助教(ナノ機能材料デバイス研究分野)が、2014年資生堂女性研究者サイエンスグラント受賞者(全国の指導的女性研究者トップ10)として選ばれました。この賞は、年齢制限を設けず、研究分野も「自然科学全般」ということで200件を超える応募の中から、物性物理学の分野で大変優秀な研究活動が評価され、将来性が期待できる10名の1人として選出されたものです。産研から初受賞で(大阪大学からは二人目)、受賞研究テーマは、「強相関金属酸化物3次元配列ナノ構造体でのフォトクロミック機能の創出」です。

受賞後、服部助教は「後期博士課程在学中に二人の子供を産んだため、私の研究はいつも子育てと並行しています。時間的なハンディがあるため、自信を喪失したこともありました。でも、研究は楽しいし、家族はいとおしい。色々な経験をするからこそ、イノベーションを創出できると信じて突き進んできました。今回の受賞は、私の研究者としての生き方を評価してもらえたようで、大きな励みになりました。今後も気持ちを強く持って頑張っていこうと思います」と喜びのコメントをいただきました。

写真

Top of Page

世界初! p型およびn型半導体ナノ粒子からなる金属酸化物メソ結晶の合成に成功
―光触媒や太陽電池などの高効率なエネルギー変換デバイスへの応用に期待

2014年1月

金属酸化物ナノ粒子は、光水分解、環境浄化光触媒、バッテリー、センサー、色素増感型太陽電池などに幅広く用いられています。しかしながら、金属酸化物ナノ粒子は無秩序に凝集しやすく、そのために生じる表面積の低下や界面の不整合が、機能を低下させる一因となっています。この問題を解決するために、金属酸化物ナノ粒子が自己組織化した超構造体である金属酸化物メソ結晶の応用が期待されています。従来の金属酸化物メソ結晶の合成法はいずれも手順が煩雑で合成に時間がかかることや、特定の種類の金属酸化物1種類のみしか合成することができませんでした。様々な金属酸化物メソ結晶を簡便に合成できる一般的合成法を確立することができれば、これまで成し遂げられていない複数の金属酸化物、または合金酸化物からなるメソ結晶の開発への糸口が得られるとともに、個々の物質の有する物理的・化学的特徴を生かした応用展開が期待されます。

立川貴士助教、真嶋哲朗教授らは、1種類もしくは2種類の金属酸化物ナノ粒子からなる金属酸化物メソ結晶を簡便に合成できる方法の開発に世界で初めて成功しました。また、p型およびn型半導体の特性を示す金属酸化物ナノ粒子からなるメソ結晶では、粒子間で非常に高効率な光誘起電荷移動反応が起こることを、単一粒子蛍光分光法や時間分解拡散反射法などの実験によって明らかにしました。その一例として、図1は酸化亜鉛-酸化銅メソ結晶の合成とその性質を示します。これらの研究により、これまで成し遂げられていなかった複数の金属酸化物、または合金酸化物からなるメソ結晶の開発への糸口が得られたことに加え、開発されたメソ結晶を用いることで光触媒や太陽電池などのエネルギー変換デバイスの更なる高効率化が期待されます。

本研究成果は、2014年1月22日(日本時間19時)に英国Nature Publishing GroupのNature Communicationsのオンライン速報版で公開されました。

図
図1: (a)ZnO-CuOメソ結晶の形成過程.ナノ粒子が自己組織化によって集合し,中間体結晶を形成する.焼結によってトポタクティック転移が起こり,金属酸化物メソ結晶となる. (b) 角度散乱暗視野走査型透過電子顕微鏡によるエネルギー分散X線分析(HAADF-STEM-EDX)法によって得られたZnO-CuOメソ結晶断面の元素分布像.赤色はCu,緑色はZn. (c) 単一粒子蛍光分光法によって観測された発光スペクトル.従来型のナノ複合体と比べ,ZnO-CuOメソ結晶の発光は電荷移動によって著しく消光されている.ZnOはn型半導体, CuOはp型半導体.

Top of Page

プラズモニック光触媒の高効率化に成功

2013年12月

化学的に安定で高活性なアナターゼ二酸化チタン(TiO2)は、環境浄化を目的とした光触媒や色素増感型太陽電池の電極材料などに幅広く利用されています。一方、TiO2は紫外光しか吸収することができないため、室内光や太陽光の大部分を占める可視光を有効利用できる光触媒の開発が重要な課題です。

立川助教、真嶋教授らのグループは、ナノメートルサイズのTiO2微粒子が高密度かつ規則的に集積した多孔性の超構造体であるTiO2メソ結晶に金(Au)ナノ粒子を担持することで、可視光照射下でも高い活性を示すプラズモニック光触媒を開発することに成功しました。開発したAuナノ粒子担持TiO2メソ結晶は、同様にAuナノ粒子を担持させたTiO2ナノ粒子と比べ、有機物の分解反応において一桁以上高い光触媒活性を示すことがわかりました(図1)。これは、Auナノ粒子のプラズモン共鳴帯を可視光で励起することによってTiO2との界面で電荷分離が起こり、生じた電子がメソ結晶内部の粒子間を効率よく移動し、酸素分子や基質分子と反応できることに起因しています。一方、従来のナノ粒子系では電子が速やかにAuナノ粒子に戻ってしまうため反応効率が著しく低下してしまいます。貴金属ナノ粒子の表面プラズモンは組成やサイズ、形状を変えることで容易に共鳴波長を変化させることができるため、今後、近赤外光も有効利用できる光触媒の開発が期待されます。

本研究の内容は米国化学会誌に掲載され(12/18, web)、日刊工業新聞でも紹介されました。(12/26)

図
図1: (a) Auナノ粒子担持TiO2メソ結晶の透過型電子顕微鏡像.黒い点がAuナノ粒子.(b) 可視光照射下におけるメチレンブルーの分解過程.(c) 電子移動のメカニズム.h+ は正孔,e- は電子を示す.

Top of Page

原子・分子ワイヤーの熱電性能評価用ナノデバイスを開発

2013年11月

大阪大学産業科学研究所バイオナノテクノロジー研究分野の筒井真楠准教授と谷口正輝教授は、マイクロヒータと機械的破断接合を組み合わせたデバイスを開発し、これを用いて金原子ワイヤーにおける熱起電力の量子化現象を室温下で観測することに成功しました。

熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換することができる熱電デバイスは、ひとつの理想的なグリーンデバイスとしてその広い産業応用が期待されています。熱電デバイスが抱える大きな課題は、十分に高いエネルギー変換効率を与える優れた熱電特性を持つ材料の開発です。原子・分子ワイヤーは、量子閉じ込め効果を反映したユニークな電子構造を持つナノ構造材料であり、その特徴を活かすことで、バルク材料では達成することが難しい高い熱電性能を実現できることが理論的に示されています。一方、プローブ顕微鏡等を用いたこれまでの手法では、原子・分子ワイヤー構造を安定に保持することができず、そこに生じる微小な熱起電力を精度良く検出することが困難であった。そこで当方では、微細加工プロセスにより作製した金属ナノブリッジを機械的に破断させる方法を応用し、更にマイクロヒータによる熱制御を取り入れることで、原子・分子ワイヤーの熱電性能評価に応用できるナノデバイスを開発した。

このデバイスを用いると、原子・分子ワイヤーを長い時間安定に保持することができ、その電気伝導度と熱起電力の同時測定を通して、金原子ワイヤーに現れる熱起電力の量子化現象を室温下で観測することができました。

本研究成果は、戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)若手ICT研究者等育成型研究開発の委託研究に基づくものです。研究成果は、2013年11月25日(英国時間、日本時間:11月25日)にネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)「Scientific Reports」のオンライン速報版で公開されました。

温度勾配が与えられた原子ワイヤーの模式図
図1: 温度勾配が与えられた原子ワイヤーの模式図

Top of Page

原子の集団振動で電子が散乱する現象の直接観察に成功
超伝導物質・超高速デバイスなどの新機能材料開発に貢献

2013年10月

大阪大学産業科学研究所の田中慎一郎准教授と大阪大学生命機能研究科の木村真一教授、自然科学研究機構分子科学研究所の松波雅治助教の研究グループは、鉛筆の材料で知られる黒鉛(グラファイト)1) の中を運動する電子が、原子の特定の集団振動(フォノン)2)によって散乱される現象を角度分解光電子分光3) を用いて観測することに世界で初めて成功しました。今回の発見は、超伝導や電気抵抗などの固体の性質を支配する要因の一つとして知られる伝導電子と原子の集団振動の相互作用による散乱(電子格子相互作用)4)を散乱される方向(運動量)まで分解して観測できる道を開いたものであり、将来的には超伝導物質・超高速デバイスなどの新機能材料の開発に役立つと考えられます。詳細は10月23日(英国現地時間10:00)に英国ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)の「Scientific Reports」(オンライン版)で公開されました。

なお、本研究は科学研究費補助金基盤研究(C)(23540366 および25400326)の補助を受けました。また、分子科学研究所UVSOR施設利用研究の研究課題の一環として実施されました。

グラファイト中の電子と原子の集団振動(フォノン)の相互作用(散乱)。赤丸は炭素原子であり、黒鉛中では六角形の2次元的な構造を作っている。
図1: グラファイト中の電子と原子の集団振動(フォノン)の相互作用(散乱)。赤丸は炭素原子であり、黒鉛中では六角形の2次元的な構造を作っている。

グラファイトからの角度分解光電子分光
図2: グラファイトからの角度分解光電子分光

(a):光電子強度の励起光および電子のエネルギー依存性
(b):スペクトルの拡大図
(c): (b)の微分スペクトル。(b)の階段型構造がピーク構造になり分かりやすい。
(d,e):微分スペクトルの運動量依存性。散乱に関与したフォノンの分散を示している。

Top of Page

SiC半導体を光で瞬時に常温接合することに成功
従来の360倍の速さで接合処理が可能に

2013年9月

大阪大学産業科学研究所先端実装材料研究分野の菅沼克昭教授らは、ワイドギャップパワー半導体(WBG)であるSiCダイ(単結晶SiCウエハ)の光照射による常温接合に成功しました(写真1)。従来は、高温で、1時間近くを要していたこの処理が、常温で、10秒程度で完結することになり、スマート社会を実現する全てのエネルギー変換機器への応用が期待されます。

SiCパワー半導体は、省エネルギー技術の切り札として期待されていますが、ようやく市場に登場したものの、特性を最大限に引き出すための実装技術や材料が無く、現状製品では機器の小型化に貢献するに留まっています。これを打開するために、菅沼教授は7月に「新世代パワー半導体実装技術コンソーシアム(WBG実装コンソーシアム)」を立ち上げましたが、既にメンバーは国内ばかりでなく海外にも広がり、SiC実装技術開発の重要性が確認されます。

SiC実装技術の中で、半導体デバイスを放熱基板へ接続するダイアタッチ技術は最もハードルが高く、エネルギー変換の高効率化の鍵を握る技術ですが、その課題の一つが接合の高い温度と接合に要する時間にありました。つまり、従来技術では300℃以上の高温で数十分から2時間近くの長い時間をかけて接合するために、SiCダイにかかる負荷歪みが大きく、デバイスに欠陥が生じ動作不良を起こします。これを解決する技術が、今回の常温接合技術になります。接合処理は、強い光を照射するだけで、数秒で処理が終了します。図1に、接合技術のメカニズムを示します。加熱炉を全く用いず、キセノンランプの強力な光を接合面層に数秒間照射し、局所的な界面活性化を引き起こして強固に接合する技術です。

本技術は、透明な材料の大面積接合に幅広く使えますので、ダイアタッチではSiCばかりでなく、もう一つのワイドギャップ半導体であるGaN、あるいは、将来に実用が期待されるダイヤモンドにも本技術を用いることが出来ます。

なお、本技術は、文科省科研費基盤研究(S)の補助により開発しました。

光常温接合したSiCダイ
図1: 光常温接合したSiCダイ

光常温接合のメカニズム
図2: 光常温接合のメカニズム

Top of Page

単純な金属を磁気センサーに応用できる新メカニズムの発見
350倍もの磁気抵抗効果を実現し、新たなデバイス作成への道筋を明らかに

2013年7月

首都大学東京(以下、「首都大」)、京都大学(以下、「京大」)、大阪市立大学(以下、「大阪市大」)、大阪大学(以下、「阪大」)、広島大学(以下、「広大」)の研究チームは、非磁性の単純金属であるパラジウム-コバルト酸化物(図参照)の磁場による電気抵抗の変化(磁気抵抗効果)を測定し、巨大な磁気抵抗効果が現れることを発見しました。磁場がゼロのときと比べ、磁場中では電気抵抗が最大で350倍にまで増加しました。大きな磁気抵抗効果を示す例として、コンピューターのハードディスクなどからの情報の読み出しに使われている磁性体多層膜が知られており、その原理の発見は2007年のノーベル物理学賞にも選ばれました。本成果で発見された新しい磁気抵抗効果は、この磁性体多層膜での抵抗変化にも匹敵する大きさです。パラジウム-コバルト酸化物は、伝導電子を豊富に持ち磁気的な性質は持たないなど、多くの意味で「普通」の導電体ですが、このような単純な金属で数百倍もの巨大な磁気抵抗効果が現れるのは驚くべきことです。また、この磁気抵抗効果の起源をコンピューターシミュレーションにより明らかにすることにも成功しました。その結果、単純な金属でも幾つかの条件を満たせば巨大な磁気抵抗効果を示しうるという、これまで見落とされてきた事実が明らかになりました。

この発見は電気伝導現象の基礎学術研究の上で大変興味深い成果です。それだけでなく、この発見は、単純金属でも磁気センサーに応用できる可能性を初めて示したものであると言えます。

この成果は、アメリカ物理学会が発行する英文誌Physical Review Lettersの111巻5号(2013年8月2日発行)に掲載予定です。また、編集者の推薦論文(Editors’Suggestion)に選ばれ、アメリカ物理学会が注目論文を紹介するPhysics誌に解説記事が掲載されます。

多剤排出タンパク質の阻害剤結合構造決定に初めて成功
図: PdCoO2の結晶構造。パラジウム(Pd)の電気伝導層とコバルト-酸素から成る絶縁性のブロック層(CoO2)が交互に積層することで二次元的な電子状態が実現しています。

Top of Page

多剤排出タンパク質の阻害剤結合構造決定に初めて成功
大きな社会問題となっている多剤耐性菌感染症克服に手がかり

2013年7月

大阪大学産業科学研究所の生体防御学研究分野中島良介特任准教授、山口明人特任教授らは、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業CRESTおよび独立行政法人 医薬基盤研究所の保健医療分野における基礎研究推進事業の一環として、緑膿菌および大腸菌の主な多剤排出タンパク質の阻害剤との結合構造の決定に初めて成功しました。多剤排出タンパク質とその阻害剤の選択的な結合構造を明らかにすることによって、社会的に大きな問題となっている多剤耐性緑膿菌感染症を克服するため治療薬開発に道を開きました。

細菌が薬物に対する耐性を獲得する主な原因である多剤(異物)排出タンパク質は生物の細胞膜上に広く存在し、細胞の生体防御を担うもっとも基礎的な装置ですが、病原細菌などの細胞膜上にこのタンパク質が増えてしまうと、抗生物質などの薬剤が細胞外に排出され、多剤耐性を引き起こします。これまでに、多剤排出タンパク質の阻害剤開発に多くの努力が傾けられましたが、未だに臨床的に有効な阻害剤が得られていません。大腸菌の多剤排出タンパク質AcrBを阻害するピリドピリミジン誘導体ABI-PPは、緑膿菌の多剤排出タンパク質MexBの特異的阻害剤ですが、多剤耐性緑膿菌のもう一つの有力な原因である多剤排出タンパク質MexYを全く阻害できないため、多剤耐性緑膿菌感染症の治療薬として使用できませんでした。

本研究により、多剤排出タンパク質の阻害剤結合部位の構造を元に、AcrB, MexBのみならずMexYにも広く阻害する多剤耐性感染症治療薬をタンパク質立体構造情報に基づく薬剤設計SBDD(Structure-Based Drug Design)の手法によって分子設計する道が開かれ多剤耐性緑膿菌感染症に有効な初めての治療薬の開発が期待されます。

本研究成果は、2013年6月30日(英国時間)に米国科学誌「Nature」のオンライン速報版で公開されました。

多剤排出タンパク質の阻害剤結合構造決定に初めて成功
【図の説明】 図左はMexB3量体の主鎖ストリングモデル。緑、青、赤はそれぞれ待機、結合、排出モノマー。構造中に見える橙色の網目は結合している阻害剤ABI-PP由来の電子雲。図右はABI-PP結合部位の拡大図。タンパク質は表面構造カットモデル。ABI-PPがスティックモデルで表示されている。黒は切断面。赤と白で見えているのは分子内チャネルの表面。赤は疎水的、白は親水的な表面。中央を左右に基質透過チャネルがあり、その途中に疎水性の狭い溝がある。ABI-PPは分子の一部がその狭い溝にすっぽりとはまり込み、親水性の部分を透過チャネルの方に突き出している。

Top of Page

多剤排出タンパク質の発現にブレーキを掛ける機構を解明!
—細菌の抗菌薬抵抗性制御への戦略的治療へ光—

2013年6月

大阪大学産業科学研究所感染制御学研究分野の西野邦彦准教授らは、病原細菌サルモネラが抗菌性物質を感知して多剤耐性化の原因となる多剤排出蛋白質の発現抑制を解除するメカニズムを明らかにしました。サルモネラは代表的食中毒菌であり、食中毒は大型の事例が多く、様々な施設等で多発しています。特に近年、サルモネラでは複数の抗菌薬に耐性の「多剤耐性化」が問題となっています。

今回、サルモネラの多剤排出蛋白質の発現にブレーキをかける抑制蛋白質(リプレッサー)がデカリニウムをはじめとした5つの抗菌性物質を感知して、その抑制を解除するメカニズムを明らかにしました。本研究では、サルモネラ多剤排出蛋白質ブレーキ役のリプレッサー蛋白質と抗菌性物質との共結晶構造決定に世界で初めて成功し、細菌の抗菌薬抵抗性制御の新たなメカニズムを明らかにしました。本成果は、多剤耐性菌感染症克服にも役立てられると期待されます。

本研究成果は英国Nature Publishing Groupの「Nature Communications」のオンライン速報版で6月26日(英国時間10時、日本時間18時)に公開されました。本研究は最先端・次世代研究開発支援プログラム「薬剤排出ポンプによる細菌多剤耐性化・病原性発現制御機構の解明と新規治療法開発」(研究代表者:西野邦彦准教授、研究期間:平成23年2月〜現在)の助成によりなされたものです。

論文タイトル: The crystal structure of multidrug-resistance regulator RamR with multiple drugs(多剤耐性制御因子RamRと複数の薬剤との共結晶構造)

著者: Yamasaki S., Nikaido E., Nakashima R., Sakurai K., Fujiwara D., Fujii I. and Nishino K. 山崎優1、二階堂英司1、中島良介1、櫻井啓介1、藤原大佑2、藤井郁雄2、西野邦彦1

1大阪大学産業科学研究所、2大阪府立大学大学院理学系研究科)

多剤排出タンパク質の発現にブレーキを掛ける機構を解明!
図1:薬剤結合型と非結合型のRamRタンパク質構造比較
抗菌薬抵抗性制御のブレーキ役を担うRamRタンパク質は、DNA結合ドメインと抗菌性物質認識ドメインから構成されている. 抗菌薬性物質が結合すると、構造が変化してブレーキが解除される.

Top of Page

次世代の半導体製造の速度を10倍以上にする技術を確立
極端紫外線(EUV)リソグラフィの実現へ大きな一歩

2013年6月

大阪大学産業科学研究所ナノ極限ファブリケーション研究分野の田川精一招へい教授、大島明博招へい准教授らの研究グループは最先端の半導体デバイス製造のスループット(1時間あたりの半導体ウエハーの処理枚数)を10倍以上向上させる技術を開発しました。次世代の最先端の半導体デバイスの製造のためのリソグラフィ技術の本命として開発が進められている1台100億円と言われる極端紫外線(Extreme Ultra Violet:EUV)リソグラフィの露光装置では、露光光源のパワーが低いため、スループットが目標の10分の1程度と低いことが最大の課題でした。本CRESTチームのメンバーが体系化し、現在、世界中のレジストメーカーが開発の指針としている標準的な反応理論に基づいたレジストの高感度化は、ほぼ限界に近づいており、10分の1程度と低い露光パワーでは目標のスループットに到達できないので、現在、光源開発を待つ状態が続いています。本研究では基本に立ち返って、露光プロセスと感光性樹脂(レジスト)の両方を同時に根本的に変革し、前述の標準的な反応理論に縛られない、10分の1程度の低いパワーのEUV露光でもレジストの反応性を高めて目標のスループットに到達できる新しい技術体系を開発しました。

これにより、長年に渡って、産業界が望んでいた次世代のリソグラフィ技術の本命であるEUVリソグラフィの早期の実用化が実現することになります。

本成果の(独)科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)「極微細加工用レジスト研究とプロセスシミュレーターの開発(平成19~24年度)」(研究総括:渡辺 久恒、研究代表者:田川 精一)によって得られました。

新露光システム EUVパターン露光・光全面露光よる革新的プロセスのシステム
図1: 新露光システム EUVパターン露光・光全面露光よる革新的プロセスのシステム

通常プロセスと新プロセスとの比較の簡略図
図2: 通常プロセスと新プロセスとの比較の簡略図

Top of Page

触媒活性中の金ナノ粒子の原子スケール微小運動を観測

2013年6月

大阪大学産業科学研究所ナノ構造・機能評価研究分野の竹田研究室では、レンズの球面収差が補正できる高空間分解能の環境制御型・透過電子顕微鏡(ETEM)を利用して、化学反応を促進している活性中の金ナノ粒子が担体(セリア)の上で断続的にステップ的な平行移動と回転をすることを見いだしました。この予期しなかった運動の変位は小さく(0.1nm以下)、これまでのETEMでは空間分解能が不足して観察することは不可能でした。

この観察結果は、金ナノ粒子が担体である金属酸化物(セリア、CeO2)の上に緩やかに接合しており、そのためにETEM観察中に運動できた、と説明されました。つまり、担体の表面はほとんど酸素原子で覆われていますが、そのごく一部に酸素原子のいない場所(表面酸素空格子点)が残っていて、この場所で担体側の金属(セリウム、Ce)原子に金原子が直接結合することで、あたかも金ナノ粒子全体が担体に錨を下ろしたように緩やかに固定されていると結論されました。

金ナノ粒子が触媒となるメカニズムを電子論的に解明する上でも必須の実験データが得られたと考えています。

この研究成果は、米国化学会発行のNano Letters誌オンライン版で2013年6月 20日に公開されました。

触媒活性中の金ナノ粒子の原子スケール微小運動を観測

Top of Page

2つの絶縁体間の界面に生じる金属層の電子構造を解明
-究極の省エネ ナノデバイスへの応用に期待-

2013年6月

大阪大学産業科学研究所の菅滋正特任教授、大学院基礎工学研究科の関山明教授、藤原秀紀助教、甲南大学の山崎篤志准教授らのグループは、ドイツビュルツブルグ大学のClaessen教授、Sing博士、日本原子力研究開発機構の斎藤祐児副主任研究員らとの共同研究で、同機構が大型放射光施設SPring-8 のBL23SUに有する世界トップクラスの軟X線角度分解光電子分光装置を駆使して、2つの絶縁体の間の界面にだけ生じる数原子層以下の極薄の金属層の電子状態の詳細を解明するのに世界で初めて成功しました。このような2次元伝導電子状態は両側を絶縁体で保護されるために極めて安定であると考えられますが、作成法を制御することで界面超伝導状態や、界面磁性も誘起できます。本研究ではナノテクノロジ-として大きく期待されながらも従来の手法では両側の物質の間に埋もれて観測が難しかった新規な超薄膜2次元伝導物質のもっとも基本となる電子状態を最先端計測法で解明したと言う意味で注目を集めています

研究成果は6月17日(米国時間)に米国科学雑誌『Physical Review Letters』のオンライン版に掲載される予定です。

2次元金属電子状態を作る電子(Fermi準位のエネルギーを持つ)が運動量空間のどこに存在するかを本研究実験から求めた結果
図1:2次元金属電子状態を作る電子(Fermi準位のエネルギーを持つ)が運動量空間のどこに存在するかを本研究実験から求めた結果

Top of Page

単一分子観察用の高感度水溶性蛍光プローブの開発と
酸化チタン光触媒反応の超高解像マッピング

2013年5月

大阪大学産業科学研究所励起分子化学研究分野の真嶋哲朗教授、立川貴士助教らは、単一分子観察用の高感度水溶性レドックス応答蛍光プローブを開発し、単一分子蛍光顕微鏡を使い、水溶液中の酸化チタン光触媒反応の起こる位置を10ナノメートル程度の空間分解能で超高解像マッピングすることに世界で初めて成功しました。

本研究では、我々が以前開発したレドックス応答蛍光プローブである3,4-dinitrophenyl-BODIPY(DN-BODIPY)にスルホン酸を修飾した水溶性DS-DN-BODIPYを新たに開発しました(図1)。DS-DN-BODIPYを用いて酸化チタン光触媒による還元反応を単一分子蛍光顕微鏡により観測した結果、従来のプローブと比べて一桁以上感度が高く、10ナノモル濃度という非常に低い濃度でも光触媒反応を単一分子レベルで観測できることがわかりました。また、生成物であるDS-HN-BODIPYの単一分子蛍光像を解析することで、光の回折限界(数百ナノメートル)を超える10ナノメートル程度の空間分解能で反応サイトの位置を決定することに成功しました。この技術を用いることで、光触媒還元反応は酸化チタンナノ粒子の全体でほぼ均一に起こることが明らかになりました(図2)。さらに、可視光用光触媒として近年注目されている金ナノ粒子担持酸化チタンナノ粒子についても同様の実験を行い、反応サイトが金ナノ粒子近傍の酸化チタン上に局在化していることを見出しました。この結果は、金ナノ粒子の有する表面プラズモンが酸化チタン光触媒反応を促進することを裏付ける実験的証拠として、反応機構の解明や高機能光触媒の設計開発に大きく貢献すると期待されます。

研究成果は、アメリカ化学会のACS Nanoに掲載されACS Nano, 7(1), 263-275 (2013) 、5月22日の日刊工業新聞に紹介されました。

水溶性レドックス応答蛍光プローブDS-DN-BODIPYの反応機構と単一分子蛍光像
図1:水溶性レドックス応答蛍光プローブDS-DN-BODIPYの反応機構と単一分子蛍光像

単一酸化チタンナノ粒子上における反応サイトの空間分布
図2:単一酸化チタンナノ粒子上における反応サイトの空間分布

Top of Page

光と電気の同時計測で、1個のマイクロ粒子の流動ダイナミクスを解明

2013年5月

大阪大学産業科学研究所の谷口正輝研究室は、顕微鏡による1個のナノ粒子の蛍光観察と、ナノ流路内を流れるイオン電流変化の同時計測により、微小流路内を流れる1個のナノ粒子の流動ダイナミクスを解明することに成功しました。

ナノ流路やナノ細孔は、赤血球、白血球、ウイルス等を、イオン電流変化で検出するデバイスとして実用化されているものもあるナノデバイスです。これらのデバイスでは、ナノ流路やナノ細孔に検出物が入ると、検出物に応じてイオン電流が変化します。この原理を使うと、100KHz以上の高速で1個の検出物が識別され、その流動ダイナミクスが推定されますが、統計的なイオン電流変化を基準に判断されるため、真に1個の検出物を識別している直接的な証拠は与えられません。一方、ナノ流路やナノ細孔の中を流動する検出物の個数と流動ダイナミクスは、顕微鏡で観察されますが、広域な観察は100Hz以上の高速で行えません。そこで、電気計測と光計測を組み合わせることで、1個の検出物の識別と流動ダイナミクスの高速検出を実現しました。

開発した同時計測法を用いると、統計的に得られるイオン電流変化が、確かに1個のマイクロ粒子のイオン電流変化であることが実証され、さらに、イオン電流変化では予測出来なかった複雑な微粒子の流動ダイナミクスが明らかにできました。

本研究成果は、本学基礎工学研究科の川野研究室と最先端研究開発支援プロジェクトの川合特任教授グループとの共同研究によるものです。

研究成果は、2013年5月20日(英国時間、日本時間:5月20日)にネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)「Scientific Reports」のオンライン速報版で公開されました。

1個の粒子の流動ダイナミクスを調べる光と電気の同時測定の原理図
図. 1個の粒子の流動ダイナミクスを調べる光と電気の同時測定の原理図

Top of Page

2回らせんの右巻き・左巻きの選択機構の解明とその制御に成功
左右変換可能なキラル材料、 医薬品の開発へ

2013年5月

大阪大学産業科学研究所の宮田幹二招へい教授、 同大学院工学研究科の藤内謙光准教授・久木一朗助教らの研究グループは共同で、キラルなアミンとアキラルなカルボン酸から成る数多くの有機塩結晶の単結晶X線構造解析を通して、結晶中の水素結合2回らせんの右巻きと左巻きの選択機構を解明し、その制御に成功しました。このようならせんの左右の制御は医薬品の開発だけでなく、円偏光を利用した3Dディスプレイなどの光学デバイスへの応用が期待されます。

本研究成果は2013年4月30日(ロンドン時間)に英国Nature Publishing GroupのNature Communicationsのオンライン速報版で公開されました。

(a)超分子傾斜キラリティー法と(b)アキラル成分によるらせんの左右の制御
(a)超分子傾斜キラリティー法と
(b)アキラル成分によるらせんの左右の制御

Top of Page

折り紙エレクトロニクス
-ナノペーパーとナノワイヤを用いて軽量ウエアラブルコンピュータに光-

2013年5月

大阪大学産業科学研究所 能木雅也准教授らの研究グループは、折り畳んでも電気を流し続ける「導電性折り紙」を開発しました。この折り紙は、セルロースナノペーパーと銀ナノワイヤからできており、複雑に折り畳んでも導電性が失われません。そこで、導電性折り紙を折り畳んだ「折り鶴」を導線として使用すれば、LEDライトを点灯することができます(左図)。この材料は “折り紙エレクトロニクス”という新しい概念を切り拓き、ウェアラブルなコンピュータやメディカルセンサーなどを実現するでしょう。その端緒として、私達は折り畳み可能な高感度ペーパーアンテナの開発に世界で初めて成功しました(右図)。

この研究成果は、英国国立化学協会(RSC:Royal Society of Chemistry)の発行する学術雑誌Nanoscaleへの掲載が決定されています。そして、特筆すべき研究成果の一つに選ばれ、5月1日に英国国立化学協会からweekly RSC Publishing press packとして世界中の科学ジャーナリストへ配信されました。

導電性折り鶴によるLEDライトの点灯
左:導電性折り鶴によるLEDライトの点灯

折り畳んでも高いアンテナ特性を保持するペーパーアンテナ
右:折り畳んでも高いアンテナ特性を保持するペーパーアンテナ

Top of Page

大阪大学発バイオベンチャー企業:クオンタムバイオシステムズ株式会社設立
-世界に挑戦する国内唯一の1分子DNA・RNAシークエンサー開発企業-


2013年5月

DNAの塩基配列を解読するDNAシークエンサーは、生命科学や医科学など最先端の基礎科学研究には必須の装置であり、その急速な技術発展は、同分野に革命的なインパクトを与え続けています。一方で、今後、遺伝子に基づくがん診断や創薬などの臨床応用を実現するためには、さらに安価で、高速で、精度良く遺伝子を解読する技術が必要で、全世界の著名大学、大企業および約40社のベンチャー企業が、新しい原理に基づくDNAシークエンサーの熾烈な研究開発を展開しています。このような技術革新と用途拡大によりDNAシークエンサーの市場は、年率約20%で拡大している急成長市場であり、また、次世代のシークエンサーデバイスは、半導体応用技術製造されるため、最先端の半導体技術を用いた新たな市場の創出としても非常に注目されています。

大阪大学では、川合特任教授率いる最先端研究開発支援プロジェクト(FIRSTプロジェクト)において、第4世代DNA・RNAシークエンサーの開発が行われてきました。開発するシークエンサーは、これまでのシークエンサーとは異なる革新的な動作原理を持っており、究極の原理に基づくシークエンサーと期待されておりましたが、昨年、プロジェクトチームは、同原理の実証に成功し、実用化への道を切開きました。この研究成果は、世界のDNAシークエンサーを開発する研究者・技術者から注目されています。FIRSTプロジェクトでは、同研究成果の早期社会還元を実現するために、大阪大学新産業創出協働ユニットの第一号支援を得て、大阪大学発バイオベンチャー企業:クオンタムバイオシステムズ(Quantum Biosystems)株式会社を設立いたしました。

クオンタムバイオシステムズ社は、ベンチャーキャピタル、事業会社から資金調達を順調に進めており、国内では唯一、第4世代DNA・RNAシークエンサーの実用化を目指します。経営陣は、代表取締役兼最高経営責任者に本蔵俊彦、取締役兼最高技術責任者に本学教授谷口正輝であり、本学川合知二特任教授は、最高科学顧問に就任します。本内容は、日本経済新聞5月1日朝刊で紹介されました。

世界に挑戦する国内唯一の1分子DNA・RNAシークエンサー
【図1】 世界に挑戦する国内唯一の1分子DNA・RNAシークエンサー

Top of Page

「大きさで決まる消えないメモリ動作」の謎を解明
超低消費電力不揮発性メモリへ期待!

2013年4月

大阪大学産業科学研究所の柳田剛准教授・長島一樹特任助教らは、次世代高密度不揮発性メモリとして最も有望視されている電気抵抗変化現象(ReRAM、メモリスタ)において長年の謎であった電界極性依存性が素子の大きさにより決定されている原理を初めて見出しました。この指導原理は、自己組織化的に形成される10ナノメータ程度のナノワイヤを用いたメモリ素子と微細加工技術により構築された素子をシステム融合することにより初めて明らかにされました。

本研究成果により、現在世界中で激しい研究開発競争が行われているReRAM・メモリスタ素子においてより信頼性の高いデバイス設計が可能となり、更に極微な超低消費電力型の集積不揮発性メモリ素子や新しい論理演算素子(メモリスタ)を活用した省エネ科学技術・グリーンナノテクノロジーへの波及効果が期待されます。

研究成果は、2013年4月15日(英国時間、日本時間:4月15日)にネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)「Scientific Reports」のオンライン速報版で公開されました。

本研究は、最先端・次世代研究開発支援プログラムにより、助成を受けたものです。

大きさで決まる消えないメモリ動作の仕組み
【図1】 大きさで決まる消えないメモリ動作の仕組み

Top of Page

世界初!有機半導体における電気伝導の圧力に対する全く新しい応答を発見!

2013年2月

大阪大学産業科学研究所 酒井謙一研究員、竹谷純一教授および高輝度光科学研究センター 藤原明比古主席研究員の共同研究グループは、有機トランジスタの電気伝導特性における、巨大かつ符号が反転する異常な圧力効果を発見し、そのメカニズムの解明に成功しました。高圧下で動作する有機トランジスタ構造を開発し、精密な物性測定と大型放射光施設SPring-8の高輝度X線を活用した構造解析を組み合わせることにより、圧力印加による分子回転が電気伝導に及ぼす、有機半導体ならではの新しい物性を明確にとらえることが可能になりました。

この成果を活用することにより、有機トランジスタの出力を圧力により変調することができ、高感度かつ広い圧力範囲で動作する圧力センサーなどへの応用が可能となります。

なお、本成果に関する報告はPhysical Review Letters誌にて2月28日(米国東海岸時間)にオンライン上で掲載され、3月1日に印刷出版される予定です。

圧力とともにDNTT分子の配列が変化する様子
【図1】 圧力とともにDNTT分子の配列が変化する様子

Top of Page

世界最高性能!
印刷可能な有機TFT液晶ディスプレイの高解像度化に成功
-高速・大画面の高性能フレキシブルディスプレイの早期実現へ-

2013年1月

NEDOのナノテク先端部材・部材実用化研究開発プロジェクトにおいて「革新的な高性能有機トランジスタを用いた薄膜ディスプレイ用マトリックスの開発」を受託した大阪大学 竹谷純一教授らのグループは、高速化と高解像度化(画素サイズ0.5mmx0.5mm、面積比でこれまでの1/9)を両立した有機TFTアクティブマトリックスを用いた液晶ディスプレイを開発しました【図1】。

このディスプレイは、有機半導体を溶液で塗布すると同時に結晶化させる簡便なプロセスと有機半導体にダメージを与えない微細加工プロセスにより、従来の性能をはるかに超える高移動度の有機TFTを微細加工でき、液晶ディスプレイを高速化かつ大面積化できます。

この成果を活用することにより、ロールスクリーンテレビや電子ペーパーなどに利用できる低コストで薄型かつ高性能なフレキシブルディスプレイの開発促進が期待されます。

なお、2013年1月30日~2月1日に開催されるnano tech 2013(東京ビッグサイト)で、このディスプレイを展示します。

新規に開発した有機TFT液晶ディスプレイ
図1.新規に開発した有機TFT液晶ディスプレイ

Top of Page

有機半導体の高性能化をもたらす塗布技術の開発に成功
〜スーパーインクジェットを用いて、高配向単結晶有機薄膜の形成が可能。フレキシブルデバイスの高性能化に向けて、大きく前進〜

2013年1月

独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)の技術移転ベンチャーの株式会社SIJテクノロジと、国立大学法人大阪大学産業科学研究所の竹谷純一教授および岡本敏宏准教授は、有機トランジスタの性能を大きく左右し、有機半導体薄膜の結晶性を向上させる、超微細インクジェット(スーパーインクジェット:SIJ)を使った高性能有機半導体薄膜の塗布技術の開発に成功しました。今後、更なる材料の探索と塗布条件の最適化を図り、大面積の有機半導体アレイなどへ応用していく予定です。

なお、1月30日~2月1日東京ビッグサイトで行われる「nano tech2013」および「Printable Electronics 2013」に出展します。

SIJで描画した有機半導体結晶薄膜(幅約10μm) 描画に伴い、一方向に乾燥固化するために、方位のそろった単結晶的な高品位な結晶が成長する。
図1.
SIJで描画した有機半導体結晶薄膜(幅約10μm) 描画に伴い、一方向に乾燥固化するために、方位のそろった単結晶的な高品位な結晶が成長する。

図2.市販型研究開発用スーパーインクジェット装置(サブフェムトインクジェット加工装置)
図2.
市販型研究開発用スーパーインクジェット装置
(サブフェムトインクジェット加工装置)

Top of Page

アナプラズマ症原因細菌によるオートファジー誘導の仕組みを解明 —新規治療法開発への応用に期待!—

2013年1月

産業科学研究所感染制御学研究分野の西野美都子特任助教、長浜バイオ大学アニマルバイオサイエンス学科の山本章嗣教授、米国オハイオ州立大学獣医学部の力久泰子教授らの国際共同研究グループは、ヒト顆粒球アナプラズマ症原因菌が宿主細胞のオートファジーを誘導する機構とその意義について明らかにしました。

ヒト顆粒球アナプラズマ症はマダニによって媒介される人獣共通の感染症で、新興感染症として対応が急がれています。その病原菌のAnaplasma phagocytophilumは、顆粒球内に侵入して増殖します。この病原菌は顆粒球の食胞に取り込まれるとtype IV分泌装置を用いて、Ats-1エフェクタータンパク質を宿主細胞質に分泌します。本研究では、Ats-1がオートファジー必須タンパク質のべクリン1と結合して、オートファジーを誘導することを明らかにしました。本細菌は、宿主のオートファジー経路を乗っ取り、食胞内への栄養供給に用いていると考えられます。本成果は、オートファジーをターゲットにした病原菌の巧妙な増殖戦略の一端を明らかにしたもので、今後、新しい感染症治療法開発への応用が期待されます。

本共同研究成果は、米国科学雑誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」(2012年12月18日付)に掲載されました。

図1. 細菌エフェクタータンパク質Ats-1の局在(緑)
図1. 細菌エフェクタータンパク質Ats-1の局在(緑)

Top of Page

動き回る小動物体内の組織や生理機能を高感度に検出可能な超高輝度発光タンパク質の開発に成功 --超早期癌の診断法確立に期待!--

2012年12月

大阪大学産業科学研究所生体分子機能科学研究分野の永井健治教授、国立遺伝学研究所の堀川一樹准教授、北海道大学大学院医学研究科の初谷紀幸特任助教、京都大学大学院薬学研究科の樋口ゆり子特定助教らの共同研究グループは、化学発光タンパク質と蛍光タンパク質をハイブリッド化することで、従来よりも10倍以上明るく光る超高輝度化学発光タンパク質Nano-lantern(ナノ‐ランタン)を開発しました。ナノ‐ランタンでマーキングすることにより自由行動下におけるマウス体内の癌組織を実時間検出することに世界で初めて成功しました。(補足)また、ナノ‐ランタンを改変してCa2+やcAMP、ATPを検出できる発光プローブの開発にも成功しました。これらの発光プローブは励起光を必要としないため、蛍光タンパク質ではできなかった観察による新たな発見が期待されます。また、光で細胞の活動やタンパク質の機能を制御する「光遺伝学的技術」と組み合わせることが容易です。例えば、神経活動の操作と計測を同時に行うことができるため、複雑で実験が困難であった高次神経活動(行動,思考,記憶)のメカニズムに迫る事が可能となります。

研究成果は2012年12月11日(英国時間2012年12月11日午後4:00、日本時間12月12日午前1:00)にネイチャー・パブリッシンググループ(NPG)「Nature Communications」のオンライン速報版で公開されました。本研究はJST戦略的創造研究推進事業・個人型研究(さきがけ)「光の利用と物質材料・生命機能」研究領域における研究課題「ナノサイズ高輝度バイオ光源の開発と生命機能計測への応用」などの助成によりなされたものです。

(補足)ナノ‐ランタンを発現する腺癌の細胞をICRマウスの体内に移植して撮影

図1.Nano-lantern(Ca2+)模式図
図1.Nano-lantern(Ca2+)模式図

図2.ChR2と共用して得た青色光依存的なCa2+の増加を示す神経様細胞
図2.ChR2と共用して得た青色光依存的なCa2+の増加を示す神経様細胞

Top of Page

新種のトポロジカル物質を発見-次世代の省エネデバイス開発に向けて大きな進展-

2012年10月

東北大学大学院理学研究科の佐藤宇史准教授、大阪大学産業科学研究所の安藤陽一教授、および東北大学原子分子材料科学高等研究機構の高橋隆教授の研究グループは、40 年以上前から研究されているスズテルル(SnTe)半導体が、全く新しいタイプのトポロジカル物質であることを明らかにしました。この成果は、次世代省エネルギー電子機器を支えるスピントロ二クス注1)材料技術とその産業化に大きく貢献することが期待されます。

本成果は、平成24 年9 月30 日(英国時間)に英国科学雑誌「Nature Physics」オンライン版で公開され、日経産業新聞(10月2日)に掲載されました。

図1.ディラック錐の概念図
図1.
ディラック錐の概念図

図2.SnTe の結晶構造(NaCl 型)。緑枠は鏡映面の一つ。
図2.
SnTe の結晶構造(NaCl 型)。緑枠は鏡映面の一つ。

Top of Page

哺乳類初期胚の膜ダイナミクス: 胚への栄養供給・分化シグナルを制御するミクロオートファジーの機能解明

2012年9月

生体機能分子科学研究分野の和田 洋准教授、大学院医学系研究科の原田彰宏教授、同志社女子大学薬学部の川村暢幸助教、和田戈虹教授、秋田大学大学院医学系研究科の高須賀俊輔助教、佐々木雄彦教授らの研究グループは、マウスの初期発生胚で、ミクロオートファジーとよばれるユニークな膜ダイナミクスが起きていること、ミクロオートファジーにはrab7※1タンパク質の機能が必要であることを明らかにしました。rab7の機能を喪失したマウス胚は、胚組織の形成が正常に進行しないため受精後6日目以降の形態形成が停止します。一連の研究により、胚が物質・栄養を獲得して、増殖と分化が協調して進行する際、ミクロオートファジーを積極的に利用していることを明らかにし、母体内で受精から形態形成が起きる哺乳動物での母子間相互作用に新たな視点をもたらしました。

本研究成果は英国の科学雑誌「Nature Communications」で9月18日(英国ロンドン時間)公開されます。

Top of Page

薬剤耐性菌に有効な新規抗生物質シグナマイシンBの開発

2012年7月

近畿大学農学部 内海龍太郎教授、公益財団法人 微生物化学研究会 五十嵐雅之主席研究員、および大阪大学産業科学研究所の岡島俊英准教授らの研究グループは、細菌増殖に必須な情報伝達タンパク質センサーヒスチジンキナーゼを標的とした新規なスクリーニング方法を開発し、新規抗菌物質シグナマイシンBを放線菌の代謝物より単離することに成功致しました。シグナマイシンBはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などのグラム陽性薬剤耐性菌にも効力があります。その作用機構は、細菌増殖に関与する情報伝達タンパク質センサーヒスチジンキナーゼを阻害することによって、病原菌の細胞分裂・増殖を阻害することによるものであり、既存の抗生物質とは全く異なります。また、センサーヒスチジンキナーゼはヒトを含む高等動物に見出されないばかりか、生物の共通したエネルギー分子であるATPの結合部位とは異なる領域(二量体化ドメイン)を標的とすることから、本化合物は人体に対して副作用の少ない抗生物質となることが期待されます。今回の成果は、細菌情報分子ヒスチジンキナーゼを標的にした阻害型薬剤は、21世紀の医薬において新しいタイプの抗生物質となる可能性を提示したといえます。

本研究は、農業・食品産業技術総合研究機構、異分野融合研究支援事業「環境調和を考慮した細菌情報伝達阻害型薬剤の開発」(平成18〜22年度、技術コーディネーター: 内海龍太郎)の成果であり、科学技術振興機構、A-STEP研究成果最適展開支援事業(平成22〜23年度)ならびに物質・デバイス領域共同研究拠点(一般公募研究)からの支援も一部受けております。この成果はアメリカ感染治療学会発行の学術雑誌Antimicrobial Agents and Chemotherapy、7月号に掲載されるとともに(電子版公開、平成24年4月23日)、関連する記事「院内感染起こすMRSAに効く抗菌物質」が日本経済新聞(7月18日夕刊、都市版14面、地方版1面)にも掲載されました。


図1. シグナマイシンBの阻害機構。シグナマイシンBは細菌増殖に必須な情報伝達タンパク質センサーヒスチジンキナーゼの二量体化ドメインに結合して、その機能を阻害する。

Top of Page

DNAとRNAの1分子リシークエンスに成功

2012年7月

最先端研究開発支援プロジェクトの川合知二特任教授とバイオナノテクノロジー研究分野の谷口正輝教授の共同研究グループは、DNAとRNAの1分子リシークエンスに成功しました。

個別化医療の実現に向けて、1日と$1000で、ヒトゲノムを解読する次々世代DNAシークエンサーの開発競争が世界中で激化しています。$1000ゲノムシークエンサーの応用分野は、医療、創薬はもちろんのこと、ウイルス・アレルゲン検査から農業・畜産現場へと広がると期待されています。この革新的な技術は、DNAとRNAを作るそれぞれ4つの塩基分子を、1分子を流れる電流の違いで識別する原理を持ちます。

共同研究グループは、約1ナノメートルの電極間距離を持つナノギャップ電極を用いて、DNAとRNAを作るそれぞれ4つの塩基分子の1分子に流れる電流を計測しました。その結果、電流により、全ての塩基分子を識別できることが分かりました。同じ方法で、3つの塩基分子から作られる短いDNAの電流計測を行ったところ、3つの塩基分子に対応する電流シグナルが得られ、塩基配列を決定することができました。さらに、ガンマーカーとして知られるマイクロRNAの共通塩基配列(7塩基)の電流計測を行い、1塩基分子を流れる電流により、マイクロRNAの塩基配列決定に成功しました。

1分子リシークエンス技術は、光計測から電流計測へ、多分子計測から1分子計測へと、従来のDNAシークエンサー技術に2つのパラダイムシフトをもたらします。この開発した1分子解析技術は、次々世代DNAシークエンス技術の基礎研究を応用化・実用化研究へと展開する最重要な概念実証であり、今後の研究開発を飛躍的に推し進めると期待されます。

研究成果は、2012年7月10日(英国時間、日本時間:7月10日)にネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)「Scientific Reports」のオンライン速報版で公開されました。


DNAとRNAの1分子塩基配列決定の原理図.
塩基分子を流れる電流の違いにより、塩基の種類を決定する。

Top of Page

活性中の金チタニア触媒をリアルタイム・原子スケール観察

2012年6月

担持された金ナノ粒子が触媒となることは良く知られています。その触媒メカニズムを解明できれば新しい触媒の開発や従来の触媒の改良につながります。そのためには、触媒活性中の金ナノ粒子と担体をリアルタイムで直接観察することが必須と考えれられます。
 大阪大学・産業科学研究所の竹田研究室では、環境制御型・透過電子顕微鏡を利用して、一酸化炭素の低温酸化に高い触媒活性をもつ金チタニア触媒(チタニア(TiO2)に担持された金ナノ粒子)について、その活性中の3次元構造(金ナノ粒子および担体TiO2との界面の形態)を解明することに成功しました。本研究は、首都大学東京(東京都)と産業技術総合研究所関西センター(大阪府池田市)の研究グループとの共同研究です。
 透過電子顕微鏡による観察中には、高エネルギーの電子線が触媒に照射されます。そのために触媒の構造が壊れて変化してしまうことがあります。最も典型的な金ナノ粒子触媒である金チタニア触媒は特に電子線照射に弱く、そのために、金チタニア触媒の構造についてはこれまでに異なるモデルが提案されていました。本研究のポイントは、環境制御型・透過電子顕微鏡による観察中に、電子線強度、電子線量や雰囲気(真空、酸素ガス、および触媒活性が現れる一酸化炭素と空気の混合ガス)を系統的に変化させることで現れるさまざまな構造をStructure Evolution Diagram(図1)としてまとめ、そこから、電子線照射の影響のない活性中の金チタニア触媒の構造を導きだしたことです。結果として、金ナノ粒子は、触媒活性中には、表面エネルギーの低いファセットに囲まれた多面体であり、そして、チタニア担体との界面では<110>方向に沿った直線状の辺をもつ多角形となっていました(図2)。今後、触媒活性のメカニズムが、この構造データをもとにして電子論的にも研究されることになるでしょう。
 触媒化学の分野で環境制御型・透過電子顕微鏡が注目され始めています。電子線照射の影響を出来る限り取り除くことができる本研究における系統的な観察・解析法は、今後、活性中のさまざまな触媒の構造を研究していく上で役立つ手法になると期待されます。

この研究成果は、ドイツ化学会発行のAngewandte Chemie International Editionの オンライン版で2012年6月22日に公開され、「Science」誌のEditors' Choice: Highlights of the recent literature欄で、 "A Glimpse of Gold" として紹介されました。
該当部分のURL:
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201201283/abstract
Angewandte Chemie International Edition(2012年6月22日)
http://www.sciencemag.org/content/337/6092/twil.full
Science Editors' Choice

図1 金チタニア触媒の Structure Evolution Diagram。さまざまな雰囲気下において,照射した電子線の強度と線量に応じて変化する触媒の構造をまとめている。図中の緑で表示された適正な観察(照射)条件では、触媒本来の構造が保たれると結論された。この適正観察条件下では、 一酸化炭素と空気の混合ガス(CO/air)中で活性な金チタニア触媒の構造が直接、観察できる。

図2 適正な照射条件下で観察した金チタニア触媒の電子顕微鏡像(左)と、そのモデル図(右)。触媒活性中の金ナノ粒子がファセットに囲まれた多面体形状をしていることや、チタニア担体との界面が<110>方向に沿った辺をもつ多角形になっていることが、観察によって明らかとなった。

Top of Page

細胞内シグナル伝達の新たな調節メカニズムの解明
(受精卵が分裂する過程で不要な情報を消去する装置がわかった!)
創薬デザインや新規マーカー開発に期待

2012年6月

生体分子機能科学研究分野の和田 洋 准教授らの研究グループは、マウスの初期発生で胚組織のパターンが形成されるには、リソソームとよばれる細胞内小器官での分解が必要であることを明らかにしました。この一連の研究成果は、細胞 細胞間の情報伝達の制御と細胞内分解の関連を組織内であきらかにしたもので、発生や分化のメカニズムに新たな視点をもたらしました。
この研究は、本学大学院生命機能研究科の濱田博司教授、同志社女子大学薬学部の和田戈虹教授、長浜バイオ大学の山本章嗣教授らの協力を得て行いました。
この研究成果は、米国科学雑誌「Developmental Cell」のオンライン速報版で6 月11 日(米国東部標準時)公開されました。

Top of Page

酸化チタンメソ結晶の合成に成功

2012年5月

光触媒や色素増感型太陽電池の電極材料には、化学的にも安定で、高活性なアナターゼ型二酸化チタン(TiO2)ナノ粒子が幅広く利用されています。一方で、粒子の“無秩序な凝集”によって生じる表面積の低下や界面の不整合が光エネルギーの変換効率を低下させる一因となっていました。
我々は、反応溶液を基板上で焼結させるだけで、ナノメートルサイズのTiO2微粒子が高密度かつ規則的に集積したマイクロメートルサイズの多孔質TiO2メソ結晶を合成することに成功しました。今回開発したメソ結晶は、従来のメソ結晶と比べ大きな比表面積を有しており、また、光触媒活性も同程度の比表面積のナノ粒子系と比べ2倍以上高いことがわかりました。これは、紫外光照射によって生じた電荷がメソ結晶中を高効率に移動できることに起因しています。
 今後、色素増感型太陽電池やリチウムイオン二次電池での利用を目指すほか、環境浄化や水素発生で使う光触媒関連装置への適用も期待されます。
 研究成果はアメリカ化学会発行のJournal of Physical Chemistry Lettersに掲載され(5/10, web)、日刊工業新聞(5/24)、日刊工業新聞オンラインニュース(5/24)でも紹介されました

Top of Page

DNA1分子のダイナミクス制御に成功

2012年5月

 川合最先端研究開発支援プロジェクトの川合知二特任教授とバイオナノテクノロジー研究分野の谷口正輝教授の共同研究グループは、DNA1分子のダイナミクス制御技術の開発に成功しました。
 安心・安全・健康社会を支える個別化医療を実現するためには、ヒトゲノムを超高速・超低コストで解読する新しいDNAシークエンサーの開発が強く望まれています。現在までに、電気的にDNA1分子の塩基配列を決定する新しい解読法が開発され、1分子DNAシークエンサー開発は応用化・実用化に向けて新しい局面に突入しています。特に、応用化・実用化で要求される高速化・ハイスループット化・高い解読精度を実現するコア技術は、1分子のダイナミクス制御であると考えられています。この新技術の開発を目指し、世界中の大学・企業の激しい開発競争が繰り広げられています。
共同研究グループが開発した1分子ダイナミクスの制御技術は、ナノメートルスケールの幅と高さを持つ流路(ナノ流路)を流れるDNA1分子の速度をゲート電圧で制御する方法です。マイナスに帯電したDNAは、ナノ流路の中を電気泳動により流れます。しかし、電気泳動のみでDNA1分子の流れる速度を制御するのは非常に困難です。そこで、ナノ流路の中にゲート電極を備えたナノデバイスを開発し、ゲート電圧によるDNA1分子の速度変化を調べました。その結果、ゲート電圧により、DNA1分子の速度を約3桁のオーダーで制御できることを明らかにしました。
開発したダイナミクス制御ナノデバイスは、電気的にDNA1分子の塩基配列を決定するナノデバイスとシームレスに1つのデバイス上に集積されるため、新しいDNAシークエンサーの応用化・実用化を飛躍的に推し進めるものと期待されます。
 研究成果は、2012年5月3日(英国時間、日本時間:5月3日)にネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)「Scientific Reports」のオンライン速報版で公開されました。

図1
DNA1分子のダイナミクス制御デバイスの走査電子顕微鏡像と原理図.

図2

Top of Page

フリースタンディング構造体を用いた電子相メモリ、1/100の省電力駆動化に成功!

2012年4月

 大阪大学産業科学研究所の田中秀和教授、神吉輝夫助教らは、イタリアジェノバ大学Daniel Marré博士、Luca Pellegrino博士らとの共同研究で、機能性酸化物フリースタンディング構造体による強相関電子相メモリの低電力駆動化に成功しました。強相関電子系酸化物は、電流・電圧で、直接電子相の“固体(絶縁体)”“液体(金属)”状態を制御するため超高速・超低消費電力スイッチング・メモリ素子の有力な材料として精力的に研究されています。本研究では、室温で巨大On/Off比効果が期待できる二酸化バナジウム(VO2)を用いて、フリースタンディング構造体を作製し、従来のVO2薄膜素子に比べて1/100の電力で書き込みができる多値メモリ効果を実証しました。
本研究成果は、平成24年4月23日にWiley出版社の科学雑誌「Advanced Materials」のオンライン版で公開されました。

図1

Top of Page

半導体-金属界面で巨大なラシュバ効果を発見
-次世代の省エネルギーデバイス開発に向けて大きな進展-

2012年4月

 大阪大学産業科学研究所の小口多美夫教授と東北大学大学院理学研究科の高山あかり大学院生と東北大学原子分子材料科学高等研究機構の高橋隆教授らの研究グループは、次世代のスピントロニクスデバイスの動作メカニズムとして注目されている「ラシュバ効果」が、半導体と金属の界面(接合面)で起きていることを突き止めました。観測は、世界最高の分解能を持つ超高分解能スピン分解光電子分光装置を用い、ビスマス薄膜の電子スピン状態を詳しく調べることで行われました。今回の発見は、半導体電子デバイスと同様に、物質の接合面を利用した次世代のスピントロニクスデバイスの開発に大きく道を開くものです。
本研究成果は、4月11日付けの米国化学会誌 Nano Lettersに掲載されました。

図1
図1 ラシュバ公開の模式図

Top of Page

「透明な紙」がさらに進化

2012年3月

 産業科学研究所 能木雅也准教授らは、幅15nmのセルロースナノファイバーを使って「透明な紙」を製造する技術を改良し、透明性などの特性を大幅に向上しました。 これまでの紙は、マイクロサイズの太いセルロース繊維を使っているため、繊維同士の隙間で光の乱反射が生じて「白く」見えました。一方、幅15nmという非常に微細な繊維を使って繊維同士の隙間を小さくすると、乱反射がなくなって紙は透明になります。この原理は、能木雅也准教授らが2009年Advanced Materialsに発表していましたが、成膜後に表面平滑化など煩雑なプロセスが必要であり、実用化に大きなハードルがありました。 今回の成果では、成膜プロセスの改良を行って、成膜しただけで透明な紙が簡単にできるようになりました(図1)。製造プロセスを大幅に簡略化したにも関わらず、透明性は10倍以上向上しました(ヘイズ値3%以下)。さらに、もう一つの特徴である低熱膨張性も向上し、5ppm/Kとガラス並みの値を示します。 この研究結果は、折り畳み可能な電子ペーパーや太陽電池など次世代電子デバイスにおいて重要な材料となります。さらに、本材料は樹木というカーボンニュートラルな材料だけを使用しているため、低環境負荷な社会の実現への貢献が期待されます。 本研究成果は、Printable Electronics 2012(2012年2月15-17日、東京ビックサイト)発表しました。また、産経新聞(2月7日 朝刊1面)、よみうりテレビ(2月10日 かんさい情報ネットten!)、CBCラジオ(多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N)にて紹介されました。

図1
図1 幅15nmのセルロースナノファイバーを用いた透明な紙

Top of Page

竹谷純一教授がNanotech 2012 Award (プロジェクト部門)を受賞

2012年2月

 竹谷純一教授(先進電子デバイス研究分野)が研究代表者のNEDO のプロジェクト「革新的な高性能有機トランジスタを用いた薄型ディスプレイ用マトリックスの開発」に対して、Nanotech 2012 Award( プロジェクト部門)を受賞しました。
 同賞は、nano tech2012(国際総ナノテクノロジー総合展・技術会議)出展者を対象に斬新かつ先駆的な技術を分野ごとで顕彰し、優秀出展者を表彰するものです。 表彰式はnano tech2012 開催期間中の平成24 年2月17日に東京ビックサイトで行われました。

図1
図1

図2
図2

Top of Page

最近の研究成果受賞者一覧最近の活動

受賞者一覧

平成26年4月1日~平成27年3月31日

氏名 受賞名 受賞日 授与機関
笹井 宏明、
竹中 和浩
モレキュラーキラリティアジア2014
ポスター賞
10/31 モレキュラー・キラリティーアジア2014 実行委員会
安藤 陽一 第32回(平成26年度)大阪科学賞 10/29 大阪府、大阪市、(財)大阪科学技術センター
近藤 孝文 第11回電離放射線と高分子国際会議ベストポスター賞 10/8 電離放射線と高分子国際会議組織委員会
谷口 正輝、
川合知二、
筒井 真楠
第75回応用物理学会秋季学術講演会 2014年ポスター賞 10/1 公益財団法人 応用物理学会
菅原 徹 日本熱電学会講演奨励賞 9/30 日本熱電学会
長島 一樹 応用物理学会講演奨励賞 9/17 応用物理学会
藤原 宏平 Award for Encouragement of Research in IUMRS-ICA 2014(2件) 9/9 日本MRS
真嶋 哲朗 放射線化学賞 9/9 日本放射線化学会
岸 鉄馬、
笹井 宏明、
滝澤 忍、
Fernando A.Arteaga、
平田 修一
平成26年度「有機合成若手セミナー」ポスター賞 8/5 日本薬学会近畿支部・有機合成化学協会関西支部
木村 卓弘 MIRU 学生優秀賞 7/31 MIRU2014 第17回画像の認識・理解シンポジウム
西野 邦彦 独立行政法人日本学術振興会 平成25年度特別研究員等審査会専門委員及び国際事業委員会書面審査員の表彰 7/31 独立行政法人日本学術振興会
永井 健治 大阪大学総長顕彰(研究部門) 7/8 大阪大学
新井 由之 大阪大学総長奨励賞(研究部門) 7/8 大阪大学
西野 邦彦 大阪大学総長顕彰(研究部門) 7/8 大阪大学
Fernando A.Arteaga、
笹井 宏明、
滝澤 忍、
T.M.N.Nguyen、
岸 鉄馬、
鈴木 通恭
エルゼビア ベストポスター賞 6/27 エルゼビア出版(テトラへドロン関連誌)
土井 貴裕、
笹井 宏明、
滝澤 忍、
吉田 泰志、
小寺 純平、
佐古 真
シンポジウムモレキュラーキラリティポスター賞 6/7 シンポジウム モレキュラー・キラリティー 2014 実行委員会
菅沼 克昭 一般社団法人エレクトロニクス実装学会 学会賞 5/23 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
藤川 麻由 日本化学会第94春季年会学生講演賞 4/01 日本化学会
八木 康史 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞 4/15 文部科学省
槇原 靖 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞 4/15 文部科学省
川合 知二 第61回応用物理学会春季大会2014論文賞 4/1 応用物理学会
柳田 剛 第61回応用物理学会春季大会2014 ポスター賞 4/1 応用物理学会
長島 一樹 第61回応用物理学会春季大会2014 ポスター賞 4/1 応用物理学会

Top of Page

平成25年4月1日~平成26年3月31日

氏名 受賞名 受賞日 授与機関
山崎聖司 第87回日本細菌学会総会 優秀発表賞 3/28 日本細菌学会
八木康史、
槇原靖、
村松大吾
IAPR Best Paper Award 3/27 2nd International Workshop on Biometrics and Forensics(IWBF2014)
T.V.A Nguyen Best Presentation Award 3/27 The 4th International Symposium on Terahertz Nanosciece (TeraNano4)
八木康史、
向川康博、
Md. Abdul Mannan、
田川聖一
ポスター賞 1/22 第17回産研国際シンポジウム2014
永井健治 第10回日本学術振興会賞 12/13 日本学術振興会
安藤陽一 2013年度第30回井上学術賞 12/10 公益財団法人井上科学振興財団
藤原宏平 Materials Research Society Best Poster Award 12/4 Materials Research Society
He Yuhui 中国留日同学会
優秀論文賞 大阪市長賞
12/3 大阪市
長島一樹 第2回エヌエフ研究開発奨励賞 11/28 一般財団法人エヌエフ基金
長島一樹 ネイチャー・インダストリー・アワード ~若手研究者からの発信~
特別賞
11/20 大阪科学技術センター
真嶋哲朗、藤塚守 BCSJ Award Article 11/15 Bulletin the Chemical Society of Japan
NOVAK Mario Excellent poster presentation 10/26 International Workshop for Young Researchers on Topological Quantum Phenomena in Condensed Matter with Broken Symmetries
Arteaga Fernando 平成25年度有機合成化学北陸セミナー優秀発表賞(ポスター) 10/25 有機合成化学協会関西支部
藤原宏平 ポスター賞(優秀賞) 10/9 公益社団法人 応用物理学会関西支部
多根正和 優秀発表賞 9/30 文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」シンクロ型LPSO構造の材料科学 ‐次世代軽量構造材料への革新的展開‐
藤原宏平 応用物理学会講演奨励賞 9/16 公益社団法人 応用物理学会
八木康史
槇原靖
村松大吾
MIRUデモ発表賞 8/1 第16回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2013)
八木康史
向川康博
Md. Abdul Mannan
MIRUフロンティア賞 8/1 第16回画像の認識・理解シンポジウム賞選定委員会
Lulu Fan 25th International Symposium on Chirality 7/8 上海有機化学研究所
武井史恵 日本女性科学者の会 奨励賞 6/30 日本女性科学者の会
谷口正輝 第5回ドイツ・イノベーション・アワード「ゴットフリード・ワグネル賞2013」最優秀賞 6/18 ドイツ 科学・イノベーション フォーラム 東京、在日ドイツ商工会議所
谷口正輝 花王研究奨励賞「表面の科学」化学・物理学分野 6/13 公益財団法人 花王芸術・科学財団
來村 徳信 人工知能学会 論文賞 6/6 一般社団法人 人工知能学会
來村 徳信 人工知能学会 研究会優秀賞 6/6 一般社団法人 人工知能学会
沼尾正行
福井健一
人工知能学会 研究会優秀賞 6/6 一般社団法人 人工知能学会
八木康史 2012年度 IPSJ Transactions on Computer Vision and Applications Outstanding Paper Award 6/5 情報処理学会
松村隆弘 卒業論文セッション優秀賞 5/31 情報処理学会 コンピュータビジョンとイメージメディア研究会
山崎 優 公益財団法人 小野奨学会
優秀者表彰
5/29 公益財団法人 小野奨学会
開發 邦宏 ポスター賞 5/24 化学とマイクロ・ナノシステム学会
八木 康史
向川 康博
MVA2013 Best Poster Award 5/22 The IAPR International Conference on Machine Vision Applications (MVA2013)
吉田 秀人 公益社団法人日本顕微鏡学会
第14回奨励賞
5/21 公益社団法人日本顕微鏡学会
八木 康史
向川 康博
田中 賢一郎
ICCP2013 Honorable Mention 4/20 IEEE International Conference on Computational Photography (ICCP2013)
安藤 陽一
佐々木 聡
瀬川 耕司
第17回超伝導科学技術賞 4/16 一般社団法人未踏科学技術協会 超伝導科学技術研究会
開發邦宏 日本化学会優秀講演賞(産業) 4/10 日本化学会

Top of Page

平成24年4月1日~平成25年3月31日

多根正和 文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」シンクロ型LPSO構造の材料科学
‐次世代軽量構造材料への革新的展開‐優秀発表賞
文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」シンクロ型LPSO構造の材料科学
‐次世代軽量構造材料への革新的展開‐
古崎晃司 Linked Open Data チャレンジ Japan 2012 ライフサイエンス賞 Linked Open Data Challenge Japan 2012実行委員会
長島一樹 公益財団法人井上科学振興財団 井上研究奨励賞 公益財団法人井上科学振興財団
真嶋哲朗
川井清彦
BCSJ Award Article The Chemical Society of Japan
八木康史
向川康博
高谷剛志
IWRCV2013 Best Poster Award The 7th International Workshop on Robust Computer Vision(IWRCV2013)
(第7回ロバストコンピュータビジョンに関する国際ワークショップ)
八木康史
満上育久
IWRCV2013 Best Poster Award The 7th International Workshop on Robust Computer Vision(IWRCV2013)
(第7回ロバストコンピュータビジョンに関する国際ワークショップ)
能木雅也 平成24年度大阪スマートエネルギービジネスシーズコンペ <基礎技術部門>優秀賞 大阪府
Fu Wei Zhuge
Sakon Rahong
8th Handai Nanoscience and Nanotechnology International Symposium Young Researcher Best Poster Award 大阪大学Nanoscience and Nanotechnology Alliance
沼尾 正行 ICCEベスト技術デザイン論文賞 International Conference on Control Engineering
開發邦宏
加藤修雄
MHS-2012最優秀論文賞 米国電子電気学会
鈴木 健之 第10回公益社団法人有機合成化学協会関西支部賞 公益社団法人有機合成化学協会
松本 和彦
井上 恒一
前橋 兼三
大野 恭秀
第25回マイクロプロセス・ナノテクノロジー国際会議 論文賞 第25回マイクロプロセス・ナノテクノロジー国際会議
長島 一樹 MNC 2011 Award for Young Author's Award International Microprocesses and Nanotechnology Conference 2011
菅沼 克昭 工業標準化事業(経済産業省大臣)表彰 経済産業省
立川 貴士 光化学協会奨励賞 光化学協会
永井 健治 12th ECS Meeting ポスター特別賞 欧州カルシウム学会(協賛:ニコン)
荒木 徹平 ICFPE2012 Student Poster Award The 2012 International Conference on Flexible and Printed Electronics
八木 康史
槇原 靖
MIRU2012優秀論文賞 第15回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2012)
山崎 優 若手研究者奨励賞 日本薬学会物理系薬学部会
第10回次世代を担う若手のためのフィジカル・ファーマフォーラム実行委員会
室屋 裕佐 (一社)日本原子力学会水化学部会優秀ポスター賞 (一社)日本原子力学会水化学部会
森田 清三 NC-AFM Honorary Award 第15回非接触原子間力顕微鏡法国際会議
古賀大尚 繊維学会論文賞 繊維学会
佐々木 聡 Gordon and Betty Moore ベストポスター賞 ゴードン会議(2012年電子相関系会議)
筒井 真楠 ナノ学会第10回大会 若手優秀発表賞 ナノ学会
河原 吉伸 人工知能学会 2011年度論文賞 人工知能学会
鷲尾 隆 人工知能学会 研究会優秀賞 人工知能学会
松崎 剛 第79回日本分析化学会有機微量分析研究懇談会、第89回計測自動制御学会力学量計測部会、第29回合同シンポジウム ベストポスタープレゼンテーション賞 第79回日本分析化学会有機微量分析研究懇談会、第89回計測自動制御学会力学量計測部会、第29回合同シンポジウム
菅沼 克昭 Emerald Literati Network Highly Commended Award Emerald Literati Network
佐々木 聡 文部科学省科学研究費補助金振学術領域「対称性の破れた凝縮相におけるトポロジカル量子現象」トポロジカル量子現象国際会議ポスター賞 文部科学省科学研究費補助金新学術領域「対称性の破れた凝縮相におけるトポロジカル量子現象」
井手 拓哉 一般社団法人軽金属学会 優秀ポスター発表賞 一般社団法人軽金属学会
長島 一樹 公益財団法人日本科学協会・日本財団 平成23年度笹川科学研究奨励賞 公益財団法人日本科学協会・日本財団
柳田 剛 平成24年度文部科学大臣表彰科学技術分野若手科学者賞 文部科学省
柳田 剛 公益財団法人船井情報科学振興財団 平成23年度船井学術賞 公益財団法人船井情報科学振興財団
長島 一樹 公益財団法人船井情報科学振興財団 平成23年度船井研究奨励賞 公益財団法人船井情報科学振興財団
筒井 真楠 公益社団法人日本化学会 優秀講演賞(学術) 公益社団法人日本化学会

Top of Page

平成23年4月1日~平成24年3月31日

開發 邦宏 「貴金属に関わる研究助成金」ゴールド賞 田中貴金属グループ
向川 康博 山下記念研究賞 情報処理学会
多根 正和 グローバルCOEプログラム「構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点」優秀ポスター賞 グローバルCOEプログラム「構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点」
竹谷純一教授 Nanotech 2012 Award (プロジェクト部門) Nanotech 2012 第11回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議
多根 正和 グローバルCOEプログラム「構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点」論文賞(1) グローバルCOEプログラム「構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点」
多根 正和 グローバルCOEプログラム「構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点」論文賞(2) グローバルCOEプログラム「構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点」
八木 康史
満上 育久
Best Poster Award The 15th SANKEN International Symposium
山崎 聖司 第64回日本細菌学会関西支部総会最優秀発表者 第64回日本細菌学会関西支部総会
川井 清彦 ISNAC Outstanding Oral Presentation Award for Young Sceintist in 2011 第38回国際核酸化学シンポジウム
前橋 兼三
大野 恭秀
井上 恒一
松本 和彦
MCN 2010 Award for Outstanding Paper マイクロプロセス・ナノテクノロジー国際会議
前橋 兼三
大野 恭秀
井上 恒一
松本 和彦
MCN 2010 Award for Most Impressive Poster マイクロプロセス・ナノテクノロジー国際会議
小林 一雄 JB論文賞 日本生化学会
中嶋 英雄 MetFoam 2011 Best Paper Award International Conference on Porous Metals and Metallic Foams
八木康史
満上育久
優秀論文賞 画像の認識・理解シンポジウムMIRU2011
福井 健一 第25回人工知能学会全国大会口頭発表部門全国大会優秀賞 社団法人人工知能学会
長島 一樹
柳田 剛
ISSP2011 the 11th International Symposium on Sputtering & Plasma Processes Best Poster Award International Symposium onSputtering & Plasma Processes
長島 一樹
柳田 剛
ナノ学会第9回大会 若手優秀発表賞 ナノ学会
菅沼 克昭 日本信頼性学会 優秀賞 日本信頼性学会
向川康博
角野皓平
八木康史
平成22年度 IPSJ Transactions on Computer Vision and Applications Outstanding Paper Award 情報処理学会
鷲尾 隆 人工知能学会 研究会優秀賞 社団法人人工知能学会
高谷剛志 卒業論文セッション最優秀賞 情報処理学会 CVIM研究会
笹井 宏明 MOLECULAR CHIRALITY AWARD 2011 The Molecular Chirality Research Organization
久野 悠 第58回日本生化学会近畿支部例会最優秀発表賞 社団法人日本生化学会
中谷 和彦 平成22年度第2学期大阪大学共通教育賞 国立大学法人大阪大学
谷口 直之 第101回日本学士院賞 日本学士院

Top of Page

最近の研究成果受賞者一覧最近の活動

最近の活動

寄附研究部門の研究成果等の概要について -疾患糖鎖学(生化学工業)寄附研究部門-

2011年5月

平成21年4月に設置した本研究所寄附研究部門(寄附者:生化学工業株式会社)の設置期間が終了し、この度、教育研究成果等の概要をとりまとめました。

本研究部門は、以下の3つの研究目的をもって設置されたものです。

●目的1

糖鎖遺伝子を用いた構造の改変(糖鎖リモデリング)による高度機能化及びその制御、特に増殖因子受容体の制御とその応用

●目的2

糖鎖遺伝子の機能解明および糖鎖変化を利用したバイオマーカーの開発

●目的3

炎症性疾患、癌における糖鎖の役割の解明と病気の治療への応用


教育研究成果の概要はこちら(PDF)

Top of Page

いちょう祭における「産研一般公開の開催」のおしらせ

2011年4月11日

先日、大阪大学いちょう祭の一環として開催されます「産研一般公開」の中止のお知らせをいたしま したが、予定通り、平成23年5月2日、3日に、開催する事ととなりましたのでお知らせいたします。

Top of Page

最近の研究成果受賞者一覧最近の活動