| 小林研究室で研究を行いませんか |
理学研究科化学専攻Aコース(無機・物理化学コース)を受験することによって、小林研究室のメンバーになることができます。 |
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小林研究室では、明確な目的意識を持つ基礎研究を行っています。主な研究課題として、1)現代社会が抱える最も重大な問題であるエネ ルギー問題と環境問題を根本的に解決できる可能性が高いシリコン薄膜太陽電池の研究、2)、高度情報化社会に欠くことのできないLSIとディスプレイの研究3)微量な界面電子状態の光電子分光法を用い た観測を行っています。 |
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太陽電池は、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換します。太陽電池を用いても、炭酸ガス、NOx、SOxなどの有毒ガスの生成は全く無く、その上、原子力のような危険性もありません。したがって、現在用いられているエネルギーを太陽電池で生成する様になれば、エネルギー問題と共に地球環境問題を解決できることになります。小林研究室では、これらの地球規模の問題を根本的に解決することを目指して、大規模な電力用の太陽電池の実現に向けての研究を真剣に行っています。電力用太陽電池は、1)低コスト、2)高効率、3)高安定性という3つの条件をすべて満たす必要があります。シリコンは地球上に最も多く存在する元素であり、この3つの条件を満たす電力用太陽電池としてシリコン太陽電池が最も有望です。特に、アモルファスシリコン太陽電池は、0.5μm 程度の薄膜で十分に光を吸収でき(単結晶や多結晶シリコン太陽電池は、数百オmの膜厚が必要です)、最も安価な太陽電池として大規模な電力用太陽電池としての実用化が期待されています。アモルファスシリコン太陽電池の最も大きな問題は、光照射を続けるとエネルギー変換効率が低下することです。光劣化の原因は光照射することによってアモルファスシリコン中に欠陥が生成することです。小林研究室では、KK処理という非常に簡単な方法を開発して、アモルファスシリコン中の欠陥を消滅させることによって、20年間世界各地で研究されてきましたが誰も解決することのできなかったアモルファスシリコン薄膜の光劣化を防ぐことに成功しました。 図1に示すように、KK処理を施さないと光伝導度が低下します。一方、KK処理を施すと光伝導度の低下は全くなく光劣化が完全に防止されています。 | |
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現在、この新しい方法を用いて高効率で劣化しないアモルファスシリコン太陽電池を作成すると共に、光劣化防止のメカニズムに関する研究を行っています。 このように、小林研究室が行う研究は現代社会が抱える最も大きな問題であるエネルギー問題と環境問題を根本的に解決できる可能性があり、世界を変えることができるかも知れません。真に世の中の役に立つスケールの大きな研究を目指す大志ある学生諸君を歓迎します。 |
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| 図 1 KK 処理によるアモルファスシリコン薄膜の光劣化防止 |
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LSI は年間 15兆円のマーケットを持っており、さらに様々な電気製品やコンピュータに必須であり、現在の最も重要な産業基盤となっているといっても過言ではありません。小林研究室では、LSI の中で最も重要な構造である SiO2/Si 構造の研究を行っています。LSI の集積度の増加に伴って、SiO2 膜を薄くする必要がありますが、その結果 SiO2 薄膜中を流れるリーク電流の増大をはじめとする様々な問題が起こっています。また SiO2 膜は従来から酸素中 800℃以上の高温でシリコンを加熱することによって作成されてきましたが、高温加熱のため欠陥の生成やドーパントの拡散などの問題がありました。小林研究室では白金の触媒作用を利用することによって 300℃の低温で SiO2 膜を作成する新規な方法を開発しました。この方法では、図 2 に示すように、シリコン上に 1nm 程度の SiO2 膜を低温で形成してその上に白金膜を堆積し、その構造を酸素中 300℃程度で加熱します。白金表面上で酸素分子が解離して、白金/SiO2 界面に拡散し、SiO2 膜中に解離した酸素イオンが注入され、それが SiO2/Si 界面に移動してそこでシリコンの酸化反応が進行することがわかっています。この革新的な技術を用いて SiO2 膜を形成すると、LSI の信頼性が向上すると共に集積度の増加が可能です。さらに、同様の白金処理を用いると、図 3 に示すようにリーク電流が 1/100以下に減少し、従来の熱酸化膜と比較しても 1/10と小さいリーク電流を達成することに成功しています。 従来 1000℃以上の高温で作成されていたシリコンオキシナイトライドを 500℃以下で形成する研究や、シリコン表面の洗浄に関する研究も行っています。これらの研究は、新規の界面反応や表面反応を考案することによって成功したものです。 |
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| 図 2 白金の触媒作用を用いる SiO2/Si 構造の低温形成 | |
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| 図 3 白金処理した SiO2 膜のリーク電流 |
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半導体と絶縁膜の界面は、LSI や液晶ディスプレイの薄膜トランジスター、さらに太陽電池など色々な半導体デバイスの性能に大きく影響します。小林研究室では、“バイアス電圧印加時の X 線光電子スペクトルの観測“という新しい方法を考案して(図 4)、分光学的に世界で初めて界面特有の電子状態(界面準位と言います)を観測することに成功しました。この方法では、界面に存在する 1万分の1 モノレーヤー(1モノレーヤーとは一原子層のことです)以下の微量の電子状態を観測することができます。この方法を用いて半導体界面を高感度で観測し、界面準位の微視的な構造や生成の原因を調べています。得られた界面状態の情報を基に、界面状態を制御して太陽電池や LSI などの半導体デバイスの高性能化を行います。さらに界面の電子状態を新規な界面化合物や今までになかった界面化学反応を用いて、高度に制御することによって、色々な半導体デバイスの高性能化、さらに新規な構造をもつ半導体デバイスの開発に関する研究を行っています。このように、界面観測を実際に人類の役に立つものづくりに生かす研究を行っています。 |
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| 図 4 半導体界面の高感度観測方法 |