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産業科学研究所 小林研究室は、表面化学・半導体化学を専門とする研究室です。

研究室紹介INTRODUCTION

小林研究室の方針

小林研究室では、半導体特にシリコンに関する研究を行っています。単に論文を作成することを最終目標にするのではなく、研究成果を実用化して社会に大きく貢献することを目標にしています。

教授 挨拶

小林 光

 20世紀には科学が大きく進歩し、社会は豊かになり、生活様式は快適さの面で大きく向上しました。しかしその反面、エネルギー問題と環境問題というグローバルかつ深刻な問題が生じました。21世紀は、科学の力をもってこれらの問題を解決しなければ、地球の将来はないといっても過言ではありません。
 小林研究室では半導体の研究を行うことによって、エネルギー問題と地球環境問題の解決に大きく貢献します。太陽電池は、光エネルギーを直接電気エネルギーに変換します。石油や石炭のように、炭酸ガスやNOx、SOxという有害ガスの発生は全くなく、原子力のような危険性もありません。しかし、現時点では太陽光発電は火力発電に比較して2倍程度コスト高です。その問題を解決し大規模な太陽光発電を目指して、小林研究室では現在最も生産量の高いシリコン太陽電池を高効率化する研究を行っています。太陽電池の変換効率が例えば2倍になれば、コストは確実に半分になり、さらに面積の小さな日本ではそれ以上の効果があります。
 シリコン太陽電池の理論変換効率は約30%ですが、実際に市販されている太陽電池の効率は15〜21%とそれよりも大分低くなっています。その原因として、種々の損失があります。入射した光は、太陽電池表面で一部反射し、それが損失となります。また、光生成した電子とホールは、表面などにある欠陥で再結合して消滅してしまいます。このような損失を低減することが、太陽電池の高効率化には重要です。小林研究室では、新規の化学的手法を開発して、反射損失や再結合損失を大幅に低減して、太陽電池の効率を向上させることに成功しています。関西には、シャープ、京セラなどの大手の太陽電池メーカーが集まっており、これらのメーカーに技術を移転して市販される太陽電池の高効率化を行うための研究も行っています。
 液晶ディスプレイは、太陽電池と同じように半導体、特にシリコンを用います。小林研究室では、硝酸酸化法という新しいシリコンの酸化法を開発して、これを液晶ディスプレイを駆動する薄膜トランジスターに応用しました。その結果、薄膜トランジスターを高性能化するとともに、消費電力を従来の1/144にまで低減することに成功しました。

 また、廃材であるシリコン切粉から、シリコンナノ粒子を非常に安価に形成する技術の開発に成功しました。シリコンナノ粒子を用いて水を分解して多量の水素を発生する技術も開発しており、燃料電池や水素水に利用できます。このように、小林研究室では、環境に対する負荷を低減するための研究も行っています。

 半導体製品は、酸化、化学洗浄、エッチングなど多くの化学反
応を用いて製造されます。皆さんが今まで学んだ化学の知識を生かせる場がたくさんあります。化学をもって社会に貢献したいと考えている学生の皆さんは、ぜひ小林研究室で我々と一緒に研究を行いましょう。

プロジェクト

 期間 プロジェクト名 研究課題
2013/11~ 文部科学省・科学技術振興機構
革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)
水素水による人間活性化 
2013/10~ 科学技術振興機構
戦略的創造研究(CREST) 
相界面制御法による極低反射率の達成と結晶シリコン太陽電池の超高効率化
2013/4~ 日本学術振興会
挑戦的萌芽研究
切粉から光化学的溶解法によるシリコンナノパーティクルの創製と太陽電池への応用
2013/4~ 日本学術振興会
科学研究費補助金
基盤研究(C)
最先端・次世代半導体デバイス実用化のためのハイドープSi表面の表面化学的研究 
2013/1~ 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) レーザ照明技術の開発
2011~2013 科学技術振興機構
戦略的創造研究(CREST)
硝酸酸化法を活用したシステム・ディスプレイの研究開発
2010~2011 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 革新的SiC高速低価格製造方法とSiC太陽電池の開発
2008~2010 日本学術振興会
科学研究費補助金
基盤研究(A)
硝酸酸化法による表面ナノ細孔を用いるSiO2/SiC構造の低温創製
2008~2011 JFE21世紀財団  半導体製造プロセスのグリーン化 
2008~2010 財団法人日揮・実吉奨学会  低融点基板上に形成するトランジスタのゲート絶縁膜の高速成長法と硝酸改質法の開発 
2007~2009 日本学術振興会二国間交流事業  新規欠陥消滅法及び低温酸化法のメカニズムとシリコン太陽電池への応用 
2006~2011 科学技術振興機構
戦略的創造研究(CREST)
硝酸酸化法によるTFTゲート酸化膜の低温創製と低消費電力化
2004~2006 科学技術振興機構
大学発ベンチャー推進事業
欠陥消滅機能を持つ半導体洗浄液の実用化研究
2004~2005 近畿経済産業局
地域新生コンソーシアム研究開発事業(一般枠) 
硝酸酸化法を用いる新規シリコン低温酸化装置の実用化研究 
2003~2004 近畿経済産業局
地域新生コンソーシアム研究開発事業(中小企業枠) 
非エッチング欠陥修復型新規半導体洗浄技術の実用化研究
2002~2007 科学技術振興機構
戦略的創造研究(CREST)
シアン処理による多結晶Si薄膜中のキャリア再結合の低減
2000~2005 科学技術振興機構
戦略的創造研究(CREST)
新規化学結合を用いるシリコン薄膜太陽電池
2000~2003 日本学術振興会
科学研究費補助金
基盤研究(B)
白金の触媒作用を用いるMOSデバイスゲート酸化膜の絶縁耐圧性の向上
1999~2002 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)大学連携型産業科学技術研究開発 Cat-CVD法による太陽電池製造技術の研究開発
1998~2003 日本学術振興会
科学研究費補助金
基盤研究(A)
新規な界面反応・界面化合物を用いる半導体デバイス
1998~2002 日本学術振興会
科学研究費補助金
萌芽的研究
低速電子衝撃プラズマ法による誘電体薄膜の低温形成
1997~1998 日本学術振興会
科学研究費補助金
萌芽的研究
固液界面の電気二重層のX線光電子分光法による観測
1996~1997 日本学術振興会
科学研究費補助金
重点領域研究
界面の制御によるMIS型太陽電池の高効率化 
1995~1997 日本学術振興会
科学研究費補助金
基盤研究(B)
新しい製法による多結晶シリコン薄膜を用いた高効率・低コストな太陽電池の開発
1995~1998 科学技術振興機構
戦略的基礎研究(さきがけ)
 
界面を光電子分光法で観る 


共同研究先
区切り線
国際共同研究 スロバキア科学アカデミー, Zilina大学(スロバキア),
Hahn Meitner Institute(ドイツ), Hanyang大学(韓国),
内蒙古師範大学(中国)
 
国内共同研究 東北大学多元物質研究所, 東京工業大学資源化学研究所,
東京大学大学院総合文化研究科, 筑波大学工学部,
産業技術総合研究所, 立教大学理学部
国内企業 パナソニック, 大阪ガス, シャープ, 住友電気工業, 帝人, 京セラ, 大日本スクリーン製造, ノリタケカンパニーリミテド, オルガノ, 東洋アルミニウム, HOYA, 関東化学, スマートソーラーインターナショナル, 日新化成, レナテック, 東邦化成, 新興製作所

バナースペース

大阪大学産業科学研究所小林研究室

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