Bio-missile
(Design of ubiquitin ligase for degradation of specific intracellular proteins)

本研究では細胞内の任意の病原タンパク質(例:がん遺伝子産物、ウィルス由来タンパク質)を選択的に排除する新しい医薬品のシーズとなる改変型ユビキチンリガーゼを創製する。 ①標的タンパク質を認識する人工抗体と、②私たちの研究グループで同定したユビキチンリガーゼRBCK1(1-4)、ならびに③細胞内局在ドメインを融合したものを当研究室で開発したDDSナノキャリア・バイオナノカプセルに上記分子を遺伝子またはタンパク質として搭載する。

ユビキチン・プロテアソームシステムによるタンパク質分解系は、真核生物における様々なタンパク質の新陳代謝に関与している。本システムの中核的役割をになうユビキチンリガーゼおよび同複合体は、高度な基質認識によりユビキチン付加を行いプロテアソームによる積極的な分解を促す。最近、本システムによる病原タンパク質の積極的な除去を目指して、病原タンパク質結合能を付与したユビキチンリガーゼが創製されている。しかし、病原タンパク質の認識に内在性結合タンパク質が用いられているため、様々な病原タンパク質に対応できる汎用性の高い改変型ユビキチンリガーゼは、まだ実現していない。本研究では基質認識部位に人工抗体を用い、このスクリーニングを当研究室の1細胞スクリーニングシステム開発部門と連携して行う。さらに、病原タンパク質は特定の細胞内画分において機能を発揮することが多いことから、細胞内局在シグナルを搭載した改変型ユビキチンリガーゼは、一層有効であると考えられるが、その実現例はまだない。本研究は、上記の状況を鑑み、特定の細胞内画分に存在する任意の病原タンパク質を積極的に分解できる、全く新しい治療用分子の創製を目指している。

関連文献
  1. Tatematsu K, Yoshimoto N, Koyanagi T, Tokunaga C, Tachibana T, Yoneda Y, Yoshida M, Okajima T, Tanizawa K, Kuroda S.
    Nuclear-cytoplasmic shuttling of a RING-IBR protein RBCK1 and its functional interaction with nuclear body proteins.
    J. Biol. Chem. 280, 22937-22944 (2005) [PubMed]
  2. Yoshimoto N, Tatematsu K, Koyanagi T, Okajima T, Tanizawa K, Kuroda S.
    Cytoplasmic tethering of a RING protein RBCK1 by its splice variant lacking the RING domain.
    Biochem. Biophys. Res. Commun. 335, 550-557 (2005) [PubMed]
  3. Tatematsu K, Yoshimoto N, Okajima T, Tanizawa K, Kuroda S.
    Identification of ubiquitin ligase activity of RBCK1 and its inhibition by splice variant RBCK2 and protein kinase Cβ.
    J. Biol. Chem. 283, 11575-11585 (2008) [PubMed]
  4. Yoshimoto N, Tatematsu K, Okajima T, Tanizawa K, Kuroda S.
    Accumulation of polyubiquitinated proteins by overexpression of RBCC protein interacting with protein kinase C2, a splice variant of ubiquitin ligase RBCC protein interacting with protein kinase C1.
    FEBS J. 276, 6375-85 (2009) [PubMed]