ATP合成酵素やべん毛モーターなど、膜超分子モーターに関する研究は、化学反応やイオン流に伴うダイナミックな構造変化を原子レベルで詳細に議論する、先端的なタンパク質科学へと発展した。
本領域では、マイクロ・ナノ加工技術(MEMS,microTAS)、1分子3次元計測技術、膜タンパク質1分子可視化技術、超分子構造解析技術、そして、タンパク質の構造変化とそれに伴う電子状態を計算する分子シミュレーション技術などの専門家が、創造的な共同研究を促進することを計画している。
例えば、1分子計測と量子化学計算の連携研究、1分子操作と超微小チャンバーとを組み合わせたモーターの反応効率測定、1分子操作と1分子蛍光偏光測定を組み合わせた分子内部の構造変化検出などである。このような戦略的共同研究により、原子レベルでの膜超分子モーターの動作と制御機構を理解することを目指す。
以上のとおり、本領域研究はエネルギー変換を担うタンパク質の構造機能相関に関する基礎研究である。
計画研究では膜超分子モーターの研究に特化した研究を推進するが、公募研究においてはこれにとらわれることなく、タンパク質の構造機能相関に関する良質な研究を募集する。
主にエネルギー変換を担う生体分子(トランスポーター、イオンポンプ、分子モーターなど)に関する研究を想定しているが、それ以外のタンパク質に関する研究も可能である。
また、タンパク質研究のための新しい方法論も募集する。マイクロデバイス、イメージング技術、構造解析、シミュレーションなどの技術開発や、タンパク質のダイナミクスに関する理論研究、人工分子機械の開発など、本領域研究を触発するような提案も待ちたい。
このような研究を推進する一人または少数の研究者による2年間の研究を公募する。1年間の研究は応募の対象としない。
公募研究の単年度当たりの応募額は、400万円程度とする。採択目安件数は、概ね20件程度を予定している。
問い合わせは、大阪大学 産業科学研究所 野地研究室 まで。 |