第13回産研技術室報告会
日 時:平成12年12月5日(火)
        13:00〜16:25    
 
場 所:産研講義室      
(管理棟2階)


プ ロ グ ラ ム
−−<挨  拶>−−

13:00〜13:05  所長挨拶  所  長  坂田 祥光

13:05〜13:10  室長挨拶  技術室長  奥田 良行


−−<特別講演>−−
13:10〜13:40  太陽電池の科学

技術室運営委員長       小林 光 
 太陽電池は光エネルギーを電気エネルギーに直接変換するため、化石燃料のような有毒ガスの発生が無く、電力用の太陽電池が実現しますと、エネルギー問題は勿論のこと、地球温暖化などの環境問題を根本的に解決することができます。
 エネルギー変換効率や安定性などの太陽電池の特性には、半導体中の欠陥準位が大きく影響します。講演では、化学的手法を用いて欠陥準位を消滅させて太陽電池特性を向上させた研究を紹介します。


−−<技術室報告>−−
13:40〜14:00  断面観察用薄膜試料(透過電子顕微鏡用)作成のコツ「基礎編」

計測班 分析・データー処理掛  石橋 武 
  今までに第7回と第9回の技術室報告会で断面試料作成の概要やイオン研磨装置のメンテナンス等について発表してきたが、実際の作成方法についてはあまり具体的ではなかった。今回は実際の工程における道具類の工夫やどの程度づつ研磨するのかなどの数値等を具体的に示して私流の断面試料作成法を報告する。

14:00〜14:20  産研国際シンポジウム等におけるインターネットライブへの取り組み

計測班 計測・情報システム掛 ○田中 高紀、相原 千尋 
 平成10年12月「計測・情報システム掛」への改組に伴い産研が主催する国際シンポジウム、学術講演会等の「インターネットライブ(以下ライブ)」を行えないかとの提案がなされ、現在までに計5回のライブに取り組んだ。最近、全国高校野球、プロ野球を始めテレビ局を中心にしたライブが放映されているが、大学では年間を通して各種講演会等が開催されているがライブまでの取り組みには至っていない。本報告では比較的少人数でライブ開催、システム構築などの過程を含め、また今後の応用例も紹介してみる。


−−<招待講演>−−
14:20〜15:10  発泡アルミの成型技術と適用事例

日立造船KK 技術研究所 要素技術研究センター 
主管研究員 福島 正治 
 発泡金属には海綿状金属として知られる多孔質材料と母地中に独立した気泡を無数に分散させた気泡分散型金属とがある。気泡分散型金属に属する発泡アルミニウムには1)比重が0.2〜0.4と非常に軽い。2)熱伝導率は石綿スレート板に匹敵する。3)電磁波シールド効果、4)吸音特性に優れた材料である。
 これらの特徴を有する発泡アルミニウムは今後ますます重要な問題となる騒音公害や電磁波障害に対する機能性材料として、その用途が大いに期待できるものである。ここでは発泡アルミニウムの製法とその適用事例について紹介する。


<ユーザーズレポート>
14:50〜15:20  研究を進展させる上での技術室の重要性

高次インターマテリアル研究センター 井上 雅博 
 今後の産研における研究活動の方向性のひとつとして、ナノサイエンスを軸とする大きな潮流が生まれつつある。この流れの中では、従来の「金属」、「無機」、「有機」といった材料の分類だけでなく、「化学」、「物理」といった個別の学問領域にとらわれないものの考え方が重要になる。このような状況において、広範な知識や情報が集積されている技術室の役割は、研究、教育の両面において益々重要になると考えている。今回は、反応場を利用した材料プロセスに関する研究を例として話題提供したい。


−−<技術室報告>−−
15:20〜15:40  ガラス製磁気冷却装置の製作に成功

工作班 ガラス工作掛 松川 博昭 
 この装置はフロン、代替フロンなどによるオゾン層破壊や地球温暖化の問題解決を目指した、磁性体の磁化・消磁による冷却効果を得るという磁気冷却のための実験装置である。
 形状はガラス本体部分の大きさが幅55mm×高さ80mm×長さ750mmの楕円管にφ45mmの円管を封じ込み、内部を6ユニットに仕切り、それぞれを真空排気することにより同時に6つの別々の条件下での測定ができる。
 この装置の製作には、特殊形状、寸法制限など困難な多くの問題があり、失敗を繰り返すなどで大変苦労したので、その製作の手順、問題点および改良点などを報告する。

15:40〜16:00  蛇管巻きの全自動化

工作班 ○小川 紀之、角一 道明、大西 政義 
 第12回技術報告会において報告した「蛇管巻き自動化への挑戦」では、廃棄旋盤に超低回転モーターとバーナーシステムを組み合わせることで、自動的に蛇管を巻くことに成功、大きな成果を納めることができた。今回は、残された手動部分、心棒の送りを自動化するために、自動送りシステムを導入することにした。装置の開発および全体の整合的運用について種々試みたので、その結果について報告する。

16:00〜16:20  ドイツ・ユーリッヒ研究センターにおける研修報告

技術室        奥田 良行 
 平成12年4月に本学学外研修の一環として海外研修を受ける機会を得た。ドイツには19世紀の著名な学者であるヘルムホルツの名を冠した大規模国立研究グループがある。私の研修先はこのグループの一つであるユーリッヒ研究センターというスタッフ数は約4千数百名の研究センターである。この研究センターはエネルギー、環境、生命、インフォメーション及びマテリアルの5つの研究分野から構成されている。私はこの研究分野の中のインフォメーションに属する薄膜・イオン技術研究所と呼ばれている所で主に量子デバイスに関する共通プロセス技術等の研修を受けた。今回はこれらの研修の中で特に興味を引いた半導体を用いたバイオセンサー関連の測定原理や高感度測定に関する技術と応用の一例を紹介する。


16:20〜16:25  閉会の挨拶

第13回技術室報告会実行委員長 計測班 山田 等 

 問い合わせは下記までご連絡下さい。

(h-yamada@sanken.osaka-u.ac.jp)
(okuda@sanken.osaka-u.ac.jp)

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