技術室の原点
このたび産業科学研究所技術室長を仰せつかった石橋です、私で6代目になります。
平成19年11月の技術室発足25周年・第20回記念の技術室報告会で「私と技術室25年」というテーマで話をすることになり、20年以上前の資料や写真等を探していました。
そこで見つけた第1回技術室報告誌のなかで初代技術室長の瓜本さんが「昭和19年から僅かですが航空隊に練習生として勤務いたしました。パイロットとパイロットが命を託す航空機を整備する整備員との関係を見るに、両者の意識、待遇、ぐるりの評価となると、同じ国のために尽しながら相当な差があり、ただ黙々と働いている整備員の姿が印象に残りました。これは大学における教官、技官の関係に通ずるものを感じます。幸い産研の場合、所長をはじめ教授会の先生方は、技官の立場を理解し、両者の話し合いを持ち、職分を明確にし、自立を認め、研究支援の組織作りに努力して下さいました。」と記述されており、自らの予科練の体験を通して私たち技術職員の立場を説明されていましたが、非常に印象に残り、また技術室設立当時の産研の状況なども伺えました。
さらに2代目の大村室長は同技術室報告誌の発刊に寄せて「この技術室は…行政職技官の組織であります。このような組織化は、待遇改善に大きい進歩を生み出しました。一方、地位の向上という問題は社会との相対関係によって生じるものであり、他力を含め自己の努力によるところが多々あり非常に難題であります。しかし、産研所内の事として限定すれば、私たち技官が研究者の研究推進に大いに役立ち、その有用性をみとめてもらえるようにすることが、この問題の解決の第一歩となるものと確信します。また技術室設置の意もここにあると思います。…この技術室報告誌はきっと技術室の核となり、技術室は待遇改善のための組織ではなく、産研の研究の一翼を担っている組織なのだという技官各自の自覚を生み出すと共に技官の地位向上に役立つものと期待しております。」とコメントされていました。
この地位の向上、言い換えれば技術者の誇りというものに対して我々、技術室メンバーは独法化に際して新たに編纂した技術室要覧のトップページにおいて「研究のパートナーとしての技術室」と定義しました。具体的には技術室の理念や憲章を考え、その文章の最後のところで技術者は多岐にわたる研究を支援するために日々に鍛練、研鑽により高度な技術力を培い「研究者が本来の研究だけに専念できるような研究・教育支援体制」を構築し、惜しまず協力する事が使命である。」と技術室の最終目標を決めました。これを忘れる事無く精進していきたいと思っています。
平成20年1月15日
室長 石橋 武