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新カテキン技術 「CateProtect」 (カテプロテクト ) 大学発ベンチャーで実用化

(大阪大学RESOUより)

2015年11月17日

大阪大学発の新カテキン技術CateProtectの概要

近年、様々な感染症伝播への対策が必要とされており、新たな機序によって広範なウイルスに直接作用する感染予防部材の開発が急務となっています。2009年に大流行した新型インフルエンザは海外から帰国した高校生から、近畿圏近辺の高校生を中心に急速に感染が拡大いたしまして、非常に重要な問題となりました。また海外に目を向けると、韓国を中心に大流行したMERSウイルスや、東アジア・中東で猛威を奮っている強毒性トリインフルエンザウイルス、またエボラウイルスなど様々なウイルス感染症に対する対策が社会問題となっています。
このような背景の元、大阪大学産業科学研究所の開發 邦宏 特任准教授は茶カテキンの抗ウイルス活性に注目しカテキンをベースにした体に優しい抗ウイルス薬剤の開発を目指して研究をスタートいたしました。お茶の優れた効果は古くから知られており、お茶うがいによる風邪の感染予防効果など、多くの研究が行われております。開發特任准教授は数年に渡る研究の末、お茶の主成分である茶カテキンの中でも特に抗ウイルス・抗菌活性の強いエピガロカテキンガレート(EGCG)に油成分である長鎖脂肪酸を修飾することで、その抗菌・抗ウイルス効果を著しく向上させる技術の開発に成功いたしました。それが大阪大学発の新カテキン技術CateProtect(図1)です。

【CateProtectの特徴】

ウイルスを破壊する、やさしい新テクノロジー「CateProtect」の大きな特徴は以下の3つです。

1.ウイルス・細菌・アレルゲンを幅広くノックアウト!高い効果効能

天然カテキンに脂肪酸を結合した『CateProtect』はウイルス直接不活化試験において、天然カテキンの約20倍低い濃度で活性を示します(50%ウイルス感染阻害濃度 EC50 = 20 nM、天然カテキン EC50 = 391 nM)。活性が現れる濃度(EC50)と毒性が現れる濃度(CC50)の比であるSI値(Selectivity Index)は4,062であり、天然カテキンの703と比較すると非常に高い数値であり、活性と毒性の差が非常に大きくウイルスに対して非常に効果が高いことが明らかになっております(表1)。

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表1

また、インフルエンザでもH1N1、H3N2、B型インフルエンザといった市中感染の90%以上を占めるウイルス型だけではなく、近年問題視されるタミフル、アマンタジンなどの抗ウイルス薬剤に耐性を持つウイルス株や、トリインフルエンザウイルス H5N2などにも同様の高い抗ウイルス効果を確認しております2)。ウイルスの株によって効果が変化しないため、未知のウイルスが現れ、パンデミックになる恐れがあっても、その対策に用いることができます。またノロウイルスなど、ウイルス膜(エンベロープ)のないウイルスに対しても、天然カテキンと比べて非常に高いウイルス不活化活性を示すことをノロ類縁ウイルスであるネコカリシウイルスにて明らかにしております(表2)。

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表2

ノロウイルス対策では次亜塩素酸など強い消毒剤が多用されますが、次亜塩素酸は低い濃度でも活性を示す一方で、強い毒性も示されました。一方でCateProtectは毒性と活性の比であるSI値で次亜塩素酸の350倍優れた値を示し、安全性と活性を兼ね揃えたシーズであることが確認されております。
また茶カテキンに脂肪酸を結合させたCateProtectはウイルスだけでなく、黄色ブドウ球菌、大腸菌、肺炎桿菌など、幅広い細菌に対しても効果を確認しております(図2)。

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図2

特に黄色ブドウ球菌に対しては天然カテキンと比べて4倍低濃度でも活性があり(最小発育阻止濃度 MIC)、院内感染の原因となるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を初めとした薬剤耐性株にも効果があることが明らかになっております。CateProtectのこの優れた抗菌効果は、CateProtectが細菌膜にとりつき、膜障害を起こすことにより生み出されることも明らかにしております。
ダニ、花粉などのアレルゲン物質に対しても効果を確認しており、身の回りの幅広い消毒に効果的です。

2.カテキンをベースにした高い安全性

CateProtectは天然の茶カテキンに天然脂肪酸を結合させてできておりますので、安全性・安心感の強い成分です。実際に、経口毒性、皮膚刺激性、皮膚感作性、変異原性などの安全性試験において、安全性の高さを確認しております。

3. 大学で開発され、実証された新技術

CateProtectが優れた特性を示すメカニズムは、茶カテキンに長鎖の脂肪酸を結合させたことで生まれています。天然のカテキンは血清を初めとした多くの蛋白質と結合することが知られており、細菌やウイルスに対しての効果も、菌・ウイルス表面のタンパク質との相互作用によるものが作用機序の一つと考えられております。CateProtectはこの茶カテキンに長鎖脂肪酸を修飾することにより膜親和性を向上させ、最終的にウイルス・細菌膜を直接破壊します(図3)。

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図3

マルトースやソルビトールといった糖類に脂肪酸が結合した界面活性剤でも同様の抗ウイルス効果を試験した所、CateProtectが活性を示す濃度の500倍以上の濃度を加えても活性を示しませんでした。このように、カテキン骨格と脂肪酸の付加という二点が抗ウイルス活性に非常に重要であることが確認されております。
この優れた抗ウイルス・抗菌活性を示すCateProtectを実用化するため、開發特任准教授は大阪大学発ベンチャーとして株式会社プロテクティアを設立し、製造方法確立や部材開発などの研究開発を行ってきました。その実用化第一弾製品として2014年にここ一番のマスク カテプロテクターを発売しました。今後、この阪大発の新カテキンを、消毒剤や空間除菌、また医薬品や食品など、様々なウイルス対策製品に展開していく予定です。

大阪大学が「めっちゃ頑張る人」を応援する勝負マスク カテプロテクターを作成

  • カテプロテクターは大阪大学での研究成果を元に、風邪やウイルスに負けられない方々に少しでもお役に立ちたいと思い開発した、抗ウイルスマスクです。この勝負マスクを大阪大学の受験を考えている受験生、大阪大学で研究されている研究者の方々などにお使いいただきたいと思い、大阪大学と大学発ベンチャー 株式会社プロテクティアがコラボレーションしてオリジナルパッケージを作成いたしました。皆様の勝負所でお使いいただきたいと思っております。
  • 20151113_img_06.jpg

論文

1) Mori, et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 18.14 (2008): 4249-4252.
2) Kaihatsu, et al., J. Mol. Genet. Med., 3.2 (2009): 195.
3) Tanaka, et al, 第41回 防菌防黴学会 年次大会
4) Matsumoto, et al., Frontiers in microbiology, 3 (2012).

詳細・お問い合わせ

大学発ベンチャー 株式会社 プロテクティアのHPをご覧ください。
http://www.protectea.co.jp/cateprotect/

大阪大学 産業科学研究所

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新カテキン技術 「CateProtect」 (カテプロテクト ) 大学発ベンチャーで実用化

(大阪大学RESOUより)

2015年11月17日

大阪大学発の新カテキン技術CateProtectの概要

近年、様々な感染症伝播への対策が必要とされており、新たな機序によって広範なウイルスに直接作用する感染予防部材の開発が急務となっています。2009年に大流行した新型インフルエンザは海外から帰国した高校生から、近畿圏近辺の高校生を中心に急速に感染が拡大いたしまして、非常に重要な問題となりました。また海外に目を向けると、韓国を中心に大流行したMERSウイルスや、東アジア・中東で猛威を奮っている強毒性トリインフルエンザウイルス、またエボラウイルスなど様々なウイルス感染症に対する対策が社会問題となっています。
このような背景の元、大阪大学産業科学研究所の開發 邦宏 特任准教授は茶カテキンの抗ウイルス活性に注目しカテキンをベースにした体に優しい抗ウイルス薬剤の開発を目指して研究をスタートいたしました。お茶の優れた効果は古くから知られており、お茶うがいによる風邪の感染予防効果など、多くの研究が行われております。開發特任准教授は数年に渡る研究の末、お茶の主成分である茶カテキンの中でも特に抗ウイルス・抗菌活性の強いエピガロカテキンガレート(EGCG)に油成分である長鎖脂肪酸を修飾することで、その抗菌・抗ウイルス効果を著しく向上させる技術の開発に成功いたしました。それが大阪大学発の新カテキン技術CateProtect(図1)です。

【CateProtectの特徴】

ウイルスを破壊する、やさしい新テクノロジー「CateProtect」の大きな特徴は以下の3つです。

1.ウイルス・細菌・アレルゲンを幅広くノックアウト!高い効果効能

天然カテキンに脂肪酸を結合した『CateProtect』はウイルス直接不活化試験において、天然カテキンの約20倍低い濃度で活性を示します(50%ウイルス感染阻害濃度 EC50 = 20 nM、天然カテキン EC50 = 391 nM)。活性が現れる濃度(EC50)と毒性が現れる濃度(CC50)の比であるSI値(Selectivity Index)は4,062であり、天然カテキンの703と比較すると非常に高い数値であり、活性と毒性の差が非常に大きくウイルスに対して非常に効果が高いことが明らかになっております(表1)。

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表1

また、インフルエンザでもH1N1、H3N2、B型インフルエンザといった市中感染の90%以上を占めるウイルス型だけではなく、近年問題視されるタミフル、アマンタジンなどの抗ウイルス薬剤に耐性を持つウイルス株や、トリインフルエンザウイルス H5N2などにも同様の高い抗ウイルス効果を確認しております2)。ウイルスの株によって効果が変化しないため、未知のウイルスが現れ、パンデミックになる恐れがあっても、その対策に用いることができます。またノロウイルスなど、ウイルス膜(エンベロープ)のないウイルスに対しても、天然カテキンと比べて非常に高いウイルス不活化活性を示すことをノロ類縁ウイルスであるネコカリシウイルスにて明らかにしております(表2)。

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表2

ノロウイルス対策では次亜塩素酸など強い消毒剤が多用されますが、次亜塩素酸は低い濃度でも活性を示す一方で、強い毒性も示されました。一方でCateProtectは毒性と活性の比であるSI値で次亜塩素酸の350倍優れた値を示し、安全性と活性を兼ね揃えたシーズであることが確認されております。
また茶カテキンに脂肪酸を結合させたCateProtectはウイルスだけでなく、黄色ブドウ球菌、大腸菌、肺炎桿菌など、幅広い細菌に対しても効果を確認しております(図2)。

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図2

特に黄色ブドウ球菌に対しては天然カテキンと比べて4倍低濃度でも活性があり(最小発育阻止濃度 MIC)、院内感染の原因となるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を初めとした薬剤耐性株にも効果があることが明らかになっております。CateProtectのこの優れた抗菌効果は、CateProtectが細菌膜にとりつき、膜障害を起こすことにより生み出されることも明らかにしております。
ダニ、花粉などのアレルゲン物質に対しても効果を確認しており、身の回りの幅広い消毒に効果的です。

2.カテキンをベースにした高い安全性

CateProtectは天然の茶カテキンに天然脂肪酸を結合させてできておりますので、安全性・安心感の強い成分です。実際に、経口毒性、皮膚刺激性、皮膚感作性、変異原性などの安全性試験において、安全性の高さを確認しております。

3. 大学で開発され、実証された新技術

CateProtectが優れた特性を示すメカニズムは、茶カテキンに長鎖の脂肪酸を結合させたことで生まれています。天然のカテキンは血清を初めとした多くの蛋白質と結合することが知られており、細菌やウイルスに対しての効果も、菌・ウイルス表面のタンパク質との相互作用によるものが作用機序の一つと考えられております。CateProtectはこの茶カテキンに長鎖脂肪酸を修飾することにより膜親和性を向上させ、最終的にウイルス・細菌膜を直接破壊します(図3)。

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図3

マルトースやソルビトールといった糖類に脂肪酸が結合した界面活性剤でも同様の抗ウイルス効果を試験した所、CateProtectが活性を示す濃度の500倍以上の濃度を加えても活性を示しませんでした。このように、カテキン骨格と脂肪酸の付加という二点が抗ウイルス活性に非常に重要であることが確認されております。
この優れた抗ウイルス・抗菌活性を示すCateProtectを実用化するため、開發特任准教授は大阪大学発ベンチャーとして株式会社プロテクティアを設立し、製造方法確立や部材開発などの研究開発を行ってきました。その実用化第一弾製品として2014年にここ一番のマスク カテプロテクターを発売しました。今後、この阪大発の新カテキンを、消毒剤や空間除菌、また医薬品や食品など、様々なウイルス対策製品に展開していく予定です。

大阪大学が「めっちゃ頑張る人」を応援する勝負マスク カテプロテクターを作成

  • カテプロテクターは大阪大学での研究成果を元に、風邪やウイルスに負けられない方々に少しでもお役に立ちたいと思い開発した、抗ウイルスマスクです。この勝負マスクを大阪大学の受験を考えている受験生、大阪大学で研究されている研究者の方々などにお使いいただきたいと思い、大阪大学と大学発ベンチャー 株式会社プロテクティアがコラボレーションしてオリジナルパッケージを作成いたしました。皆様の勝負所でお使いいただきたいと思っております。
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論文

1) Mori, et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 18.14 (2008): 4249-4252.
2) Kaihatsu, et al., J. Mol. Genet. Med., 3.2 (2009): 195.
3) Tanaka, et al, 第41回 防菌防黴学会 年次大会
4) Matsumoto, et al., Frontiers in microbiology, 3 (2012).

詳細・お問い合わせ

大学発ベンチャー 株式会社 プロテクティアのHPをご覧ください。
http://www.protectea.co.jp/cateprotect/