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自然なゆらぎ演出LED技術 社会実装化へ!-シンクロ型アート照明のコンセプトモデル開発へ寄与-

平成30年3月20日

自然なゆらぎ演出LED技術 社会実装化へ!
-シンクロ型アート照明のコンセプトモデル開発へ寄与-

【成果のポイント】

◆ 光のゆらぎと、お互いの光が同期し自然に調和する技術を導入することで人工的な光でもキャンドルのような自然なゆらめきが得られる、ゆらぎシンクロ型照明を開発。
◆ これまでも、生体リズム現象を非線形数学・物理によって定式化しデジタルプロセッサ上にプログラム化することで「光のゆらめき」は再現可能であったが、多数の振動子(振動する細胞)の組み合わせ数により実時間情報処理に伴う計算負荷がかかることや、コスト面で実用化は困難であった。本技術では、多数の振動子を組み合わせてもリアルタイムな動きが簡便にできることが特徴。
◆ 本技術の産業応用は世界に先駆け、シンクロ型センシングによる能動的環境適応・人調和型システムの標準モデルとして、ライフワークの充実性を高める社会イノベーションを引き起こすことに期待。

【概要】

 大阪大学産業科学研究所の神吉輝夫准教授は、兵庫県立大学、ゼロバイゼロ社、株式会社博報堂との共同研究で、世界初のゆらぎシンクロ型演出照明を開発しました。(図1)
 演出型照明は、特に欧米において、日常的に癒し空間を提供する道具であり、昔からキャンドルライトが使われてきました。近年では、技術の発達に伴い炎を使わないキャンドルとして、アート効果の高いLED照明が普及し始めており、米国の市場規模は年間あたり数千億円といわれています。
 そのような状況の中、大阪大学発の技術である「1/fゆらぎ※1」・「シンクロ型センシング※2」機能を搭載した協調して発光する演出照明のコンセプトモデルを発表するに至りました。

図1

図1 多彩に光るシンクロ照明。組み合わせで自由自在に光空間を演出できる。

【研究の背景】

 本照明の開発は、自然調和・人親和性の高いエレクトロニクス技術を追求する目的で大学と産業がタッグを組みスタートしました。
 生体システムは、個々の振動子が集団で協調しあい多様なリズムを生み出しています。生体リズムの特徴は、“ゆらぎを持ったリズム”であり、外界からのリズムと歩調を合わせる“シンクロ機能”を有していることにあります。生体型情報処理機構のエッセンスはこの“ゆらぎ”と“リズム”であると考え研究を行ってきました。
 従来では、生体リズム現象を非線形数学・物理によって定式化しデジタルプロセッサ上にプログラム化することで再現可能ではありましたが、コスト面の問題や実時間情報処理に伴う計算負荷は、シンクロ振動子の組み合わせ数により指数関数的に大きくなるため実用化には多くの困難を伴っていました。
 本照明に使われている特許技術は、生体型リズムジェネレータがもつ、“ゆらぎの心地よさ”・“シンクロ型センシング”によって自然性を付加し、環境状況を能動的取り込んでいく技術で、シンクロ振動子の組み合わせ数が膨大になってもシステム・機器開発ができるという大きな優位性をもっています。

【本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)】

 空間の演出は、人の心を左右する大きな要素を持っています。情報過多・目まぐるしく状況変動する現代社会に対して、リラックスできる癒し空間、時間の流れをゆっくり楽しむ空間は重要です。今回、実用化しようとする製品は、簡便に思い通りの自遊空間に耽る楽しみを提供します。
 また、世界に先駆け、シンクロ型センシングによる能動的環境適応・人調和型照明の標準モデルの構築は、ライフワークの充実性を高める社会イノベーションを引き起こすと考えています。

【特記事項】

 なお、本研究は、大阪大学Innovation Bridgeグラントの研究の一環として行われ、兵庫県立大学 堀田育志准教授、ゼロバイゼロ代表 飯田起弘様、株式会社博報堂 福田卿也様、中山沙織様の協力を得て行われました。

【用語解説】

※1 1/fゆらぎ
 周波数スペクトル密度が周波数fに反比例するゆらぎのこと。生体リズムは1/fゆらぎを持っていることが分かっており、1/fゆらぎが生体に快適性を与えることが分かっている。

※2 シンクロ型センシング
 タイミングを合わせる機能を持つセンサーのこと。

【研究者のコメント】

 本技術は、デザイン照明分野の新しい市場を切り拓き、人々のQOL向上に資することが大いに期待されます。さらに、一般照明のみならず、例えば、産後の女性や救命救急後の患者の回復に役立つ癒しの照明などへの進展の提案でもあり、広範囲な分野での事業展開ができる可能性があります。本技術は、日本照明工業会が提唱する2020年へのロードマップ(Lighting Vision 2020)に示された、「あかり文化の向上~効率から質へ・個からシステムへ~」とも方向性を共有するものであり、社会的な波及効果が高いと考えられます。

【関連リンク】

 ・ナノ機能材料デバイス研究分野
 ・研究室サイト

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自然なゆらぎ演出LED技術 社会実装化へ!-シンクロ型アート照明のコンセプトモデル開発へ寄与-

平成30年3月20日

自然なゆらぎ演出LED技術 社会実装化へ!
-シンクロ型アート照明のコンセプトモデル開発へ寄与-

【成果のポイント】

◆ 光のゆらぎと、お互いの光が同期し自然に調和する技術を導入することで人工的な光でもキャンドルのような自然なゆらめきが得られる、ゆらぎシンクロ型照明を開発。
◆ これまでも、生体リズム現象を非線形数学・物理によって定式化しデジタルプロセッサ上にプログラム化することで「光のゆらめき」は再現可能であったが、多数の振動子(振動する細胞)の組み合わせ数により実時間情報処理に伴う計算負荷がかかることや、コスト面で実用化は困難であった。本技術では、多数の振動子を組み合わせてもリアルタイムな動きが簡便にできることが特徴。
◆ 本技術の産業応用は世界に先駆け、シンクロ型センシングによる能動的環境適応・人調和型システムの標準モデルとして、ライフワークの充実性を高める社会イノベーションを引き起こすことに期待。

【概要】

 大阪大学産業科学研究所の神吉輝夫准教授は、兵庫県立大学、ゼロバイゼロ社、株式会社博報堂との共同研究で、世界初のゆらぎシンクロ型演出照明を開発しました。(図1)
 演出型照明は、特に欧米において、日常的に癒し空間を提供する道具であり、昔からキャンドルライトが使われてきました。近年では、技術の発達に伴い炎を使わないキャンドルとして、アート効果の高いLED照明が普及し始めており、米国の市場規模は年間あたり数千億円といわれています。
 そのような状況の中、大阪大学発の技術である「1/fゆらぎ※1」・「シンクロ型センシング※2」機能を搭載した協調して発光する演出照明のコンセプトモデルを発表するに至りました。

図1

図1 多彩に光るシンクロ照明。組み合わせで自由自在に光空間を演出できる。

【研究の背景】

 本照明の開発は、自然調和・人親和性の高いエレクトロニクス技術を追求する目的で大学と産業がタッグを組みスタートしました。
 生体システムは、個々の振動子が集団で協調しあい多様なリズムを生み出しています。生体リズムの特徴は、“ゆらぎを持ったリズム”であり、外界からのリズムと歩調を合わせる“シンクロ機能”を有していることにあります。生体型情報処理機構のエッセンスはこの“ゆらぎ”と“リズム”であると考え研究を行ってきました。
 従来では、生体リズム現象を非線形数学・物理によって定式化しデジタルプロセッサ上にプログラム化することで再現可能ではありましたが、コスト面の問題や実時間情報処理に伴う計算負荷は、シンクロ振動子の組み合わせ数により指数関数的に大きくなるため実用化には多くの困難を伴っていました。
 本照明に使われている特許技術は、生体型リズムジェネレータがもつ、“ゆらぎの心地よさ”・“シンクロ型センシング”によって自然性を付加し、環境状況を能動的取り込んでいく技術で、シンクロ振動子の組み合わせ数が膨大になってもシステム・機器開発ができるという大きな優位性をもっています。

【本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)】

 空間の演出は、人の心を左右する大きな要素を持っています。情報過多・目まぐるしく状況変動する現代社会に対して、リラックスできる癒し空間、時間の流れをゆっくり楽しむ空間は重要です。今回、実用化しようとする製品は、簡便に思い通りの自遊空間に耽る楽しみを提供します。
 また、世界に先駆け、シンクロ型センシングによる能動的環境適応・人調和型照明の標準モデルの構築は、ライフワークの充実性を高める社会イノベーションを引き起こすと考えています。

【特記事項】

 なお、本研究は、大阪大学Innovation Bridgeグラントの研究の一環として行われ、兵庫県立大学 堀田育志准教授、ゼロバイゼロ代表 飯田起弘様、株式会社博報堂 福田卿也様、中山沙織様の協力を得て行われました。

【用語解説】

※1 1/fゆらぎ
 周波数スペクトル密度が周波数fに反比例するゆらぎのこと。生体リズムは1/fゆらぎを持っていることが分かっており、1/fゆらぎが生体に快適性を与えることが分かっている。

※2 シンクロ型センシング
 タイミングを合わせる機能を持つセンサーのこと。

【研究者のコメント】

 本技術は、デザイン照明分野の新しい市場を切り拓き、人々のQOL向上に資することが大いに期待されます。さらに、一般照明のみならず、例えば、産後の女性や救命救急後の患者の回復に役立つ癒しの照明などへの進展の提案でもあり、広範囲な分野での事業展開ができる可能性があります。本技術は、日本照明工業会が提唱する2020年へのロードマップ(Lighting Vision 2020)に示された、「あかり文化の向上~効率から質へ・個からシステムへ~」とも方向性を共有するものであり、社会的な波及効果が高いと考えられます。

【関連リンク】

 ・ナノ機能材料デバイス研究分野
 ・研究室サイト