大阪大学 産業科学研究所 生体分子機能科学研究分野の永井 健治 教授、国立遺伝学研究所の堀川 一樹 准教授、北海道大学 大学院医学研究科の初谷 紀幸 特任助教、京都大学 大学院薬学研究科の樋口 ゆり子 特定助教らの共同研究グループは、化学発光タンパク質と蛍光タンパク質をハイブリッド化することで、従来よりも10倍以上明るく光る超高輝度化学 発光タンパク質Nano−lantern(ナノ−ランタン)を開発しました。ナノ−ランタンでマーキングすることにより自由行動下におけるマウス体内の癌 組織を実時間検出することに世界で初めて成功しました。また、ナノ−ランタンを改変してCa2+やcAMP、ATPを検出できる発光プローブの開発にも成 功しました。注)これらの発光プローブは励起光を必要としないため、蛍光タンパク質ではできなかった観察による新たな発見が期待されます。また、光で細胞 の活動やタンパク質の機能を制御する「光遺伝学的技術(オプトジェネティクス)」と組み合わせることが容易です。例えば、神経活動の操作と計測を同時に行 うことができるため、複雑で実験が困難であった高次神経活動(行動、思考、記憶)のメカニズムに迫ることが可能となります。
大阪大学、JST、動き回る小動物体内の組織や生理機能を高感度に検出可能な超高輝度発光タンパク質の開発に成功超早期癌の診断法確立に期待!
2012年12月13日 09:59