◆ロータス型ポーラス銅の引張・圧縮特性の解明

一方向に伸びた気孔を有するロータス型ポーラス金属は，従来のポーラス金属に比べて高い強度を持つため，機能材料だけではなく，軽量構造材料としても期待されています．構造材料として利用するためには，ロータス型ポーラス金属の機械的性質の把握が重要となります．そのため，ロータス型ポーラス銅の引張試験および圧縮試験を行い，気孔方向および気孔率が引張・圧縮強度に及ぼす影響を調べました．その結果，図1および図2に示すように，ロータス型ポーラス銅の引張・圧縮強度は気孔方向および気孔率に依存することが分かり，それらを力学的に考察し，そのメカニズムを明らかにしました．

　　　

図1．ロータス型ポーラス銅の気孔率および気孔方向が引張強度および降伏強度に及ぼす影響．[1]

図2．ロータス型ポーラス銅の気孔率および気孔方向が圧縮降伏強度に及ぼす影響．[2]

[1]S.K. Hyun, K. Murakami and H. Nakajima
Anisotropic mechanical properties of porous copper fabricated by unidirectional solidification
Materials Science & Engineering A Vol. 299, (2001) pp. 241-248.

[2]S.K. Hyun and H. Nakajima
Anisotropic compressive properties of porous copper produced by unidirectional solidification.
Materials Science & Engineering A Vol. 340, (2003) pp. 258-264.