◆ 原子空孔の自己組織化を利用したナノ中空粒子の創製
ナノスケールの金属粒子の中に‘孔’が空いたナノ中空粒子はユニークな構造体です。電気・磁気・光特性などに特異な現象が付与されることが予想される上に、孔に特定の物質を挿入できれば,物質貯蔵と輸送を担うおもしろいナノマテリアルになり得る可能性を秘めています。ナノスケールの孔を生成させるために、私たちは,材料科学の発想に基づいた‘原子空孔の生成および移動を制御する’ボトムアップ的手法に注目しています。このようなアイデアのもとに、透過電子顕微鏡を用いてナノ中空粒子の形成機構の解明を目指して研究を進めています。
図.金属ナノ粒子の酸化による中空化メカニズムと,酸化物ナノ中空粒子の透過電顕写真.
[1] R. Nakamura, J.-G. Lee, D. Tokozakura, H. Mori and H.
Nakajima
Hollow
oxide formation by oxidation of Al and Cu nanoparticles
Journal
of Applied Physics, 101[7] (2007) 074303(7pages).
[2] R. Nakamura, J.-G.
Lee, H. Mori and H. Nakajima
Oxidation behavior of Ni nanoparticles and formation process of hollow NiO
Philosophical
Magazine, 88[2] (2008) 257-264.