核酸標的低分子創薬研究分野 / 産研 / 大阪大学

RNAに結合する低分子の結合スクリーニング

日本医療研究開発機構(AMED)の「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(RNA標的創薬技術開発)」において、研究開発課題「機能解析に基づくRNA標的創薬のための統合DBとAIシステムの構築」(研究期間:令和3年度〜令和7年度)を進めています。本プロジェクトに於いて中谷グループは、「RNAの特定部位に選択的に結合する低分子のスクリーニング」を表面プラズモン共鳴(SPR)法を用いて実施しています。

スクリーニングの手順です。

SPRセンサーの金薄膜上に核酸(DNA, RNA)を固定化します。次に、バッファーとともに化合物をセンサー上に流します(結合フェーズ)。化合物が核酸に結合するとSPRシグナルの強度は上昇します。結合した化合物はセンサー上に留まり、そ量は化合物の核酸に対する親和性に依存します。一定時間経過後、バッファーだけを流します(解離フェーズ)。核酸上に結合した化合物が徐々にバッファーにより流し出され、それに伴いSPRシグナル強度は低下します。結合フェーズ、解離フェーズにおける経過時間とシグナルの変化量は、化合物がその核酸に対して示す特徴量として扱うことができます。

スクリーニングのイメージ図

SPR装置としては、Biacore 8K+(左)とBiacore T200 の2台を使っています。

スクリーニング装置1 スクリーニング装置2