プレス発表「加速力1000倍のレーザー航跡場加速で自由電子レーザー発振に成功 ―高エネルギー加速器の卓上化に向けたマイルストーン―」

大阪大学産業科学研究所の細貝知直教授(兼 理化学研究所放射光科学研究センター チームリーダー)、量子科学技術研究開発機構 関西光量子科学研究所の神門正城所長(兼 大阪大学産業科学研究所 招へい教授)、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の山本樹名誉教授らの研究グループは、レーザー航跡場加速(Laser Wakefield Acceleration; LWFA)で生成した電子ビームを用いて極端紫外線(XUV)領域での自由電子レーザー(Free Electron Laser; FEL)の発振に成功しました。
本研究成果は、米国科学誌『Physical Review Research』に、2026年2月24日(火)(現地時間)に掲載されました。

今回の成果は、加速長が数ミリのLWFAによる電子ビームを用いて、XUV(波長27〜50ナノメートル)領域でFELの発振(光の強度増幅)を実証したものです。これは、高エネルギー加速器を備えた大型施設でしか実現できなかった短波長のFELを、卓上サイズへと小型化できる可能性を拓く成果であるとともに、LWFAが“実用レベルに近い高品質な高エネルギー電子ビーム加速器”へ到達しつつあることを示す、きわめて重要なマイルストーンです。今回実証したXUV領域でのFEL発振は、波長が10ナノメートル以下のX線領域のレーザー光、すなわちX線自由電子レーザー(X-ray Free Electron Laser; XFEL)へと発展させていくうえで、最初に達成すべき重要な技術成果です。今後、この技術を基盤として、さらなる高エネルギー化を進めることで小型XFELが実現すれば、これまで大型施設に限られていた先端研究が、より多くの機関で日常的に行えるようになり、材料科学、半導体開発、生命科学、量子科学など幅広い分野で新たな研究展開が生まれると期待されます。

本研究は、科学技術振興機構(JST)未来社会創造事業大規模プロジェクト型「レーザー駆動による量子ビーム加速器の開発と実証」(JPMJMI17A1)の支援を受けて実施しています。

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