ヒトゲノムにある(CAG)n、(CGG)n、(CTG)n、(GAA)n など、3塩基が繰り返される配列のことです。ゲノムDNAの配列には、同じ配列が繰り返されているリピート配列がたくさんあります。トリプレットリピートは3塩基が繰り返されている配列です。これ以外にも、染色体末端にヒトでは (TTAGGG)n が繰り返されているテロメアリピートなどがあります。
はい、神経性の疾患と関係しています。
(CAG)n、(CGG)n、(CTG)n、(GAA)n のトリプレットリピート配列は、その繰り返し( n )が大きくなると、疾病を発症することが知られています。
トリプレットリピート配列に特異的に結合する分子の開発に世界で初めて成功しました。
トリプレットリピート配列の長さは、親から子に遺伝するに従い長くなる傾向に有ります。その結果、発症する年齢が低下するとともに、症状も重くなります。トリプレットリピート配列が長くなる理由として、複製の際に特徴的なヘアピン構造を取ることが指摘されています。
このヘアピン構造に結合する分子を見つけました。この分子を使えば、リピート配列の伸長する機構を詳しく調べられるのではないかと考えています。
トリプレットリピートが伸びる機構の解明や、短くする方法を研究します。
究極の遺伝子治療です。トリプレットリピート病は遺伝子レベルで規定される疾病なのです。
(1) Nakatani, K.; Hagihara, S.; Goto, Y.; Kobori, A.; Hagihara, M.; Hayashi, G.; Kyo, M.; Nomura, M.; Mishima, M.; Kojima, C. Nature Chemical Biology 2005, 1, 39−43. (2) Hagihara, M.; He, H.; Nakatani, K. ChemBioChem. 2011, 12, 1686-1689.