ロゴ
ENGLISH アクセス
トップ 研究内容 研究メンバー 発表論文 分子ギャラリー フォトギャラリー 院生募集 リンク
DNAミスマッチ塩基対に結合する分子の開発
トリプレットリピート病のケミカルバイオロジー
ミスマッチ結合性リガンドを基盤とする核酸高次構造の制御
RNAを標的とする新規分子の探索
RNA結合性分子を用いたRNAレベルでの遺伝子発現制御
実用的遺伝子検出法の開発
脂質膜と相互作用する核酸の開発と利用
前のページへ戻る
5 RNA結合性分子を用いたRNAレベルでの遺伝子発現制御

RNAは、ステム、ループ、バルジ、シュードノット、ジャンクションなど種々の2次構造を持っており、それらが組合わさることにより複雑な高次構造を形成します。RNAの高次構造は、Kissing loop、リボスイッチ、リボザイム、IRESなどRNAの機能発現に重要な働きをしていることが明らかとなっています。我々はこれまでに、DNAの特異構造を認識して結合するリガンドの開発を行ってきました。現在、DNA-リガンドの相互作用についての知見をもとに、RNAの特異構造に結合する分子の設計・合成を行っています。そして、これらのRNA結合性分子を遺伝子発現を制御するツールとして応用することを目指しています。

DNAミスマッチ結合分子であるNCDをメチレンリンカーでつないだNCTnは、RNAのヘアピンループ内に存在するCGG/CGG配列を特異的に認識し、ヘアピンRNA同士の会合体を形成させます。さらにNCTnは、CGG/CGG配列を持つRNA中に、シュードノット構造を誘起できることも分かっています。メチレンリンカーの代わりに剛直なスチルベン型リンカーでNCDをつないだNCTSは、RNAステム中のミスマッチ配列に結合して2本鎖を安定化します。

(1) Matsumoto, S., Hong, C; Otabe, T.; Murata, A.; Nakatani, K. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2013, 23, 3539-3541.

これらのRNA結合性分子を用いて、RNAに種々の高次構造を誘起し、RNAの機能を制御することを試みています。最近、mRNA配列中にNCTSの結合モチーフを導入することで、タンパク質への翻訳をNCTS依存的に抑制することに成功しました。

(2) Dohno, C.; Kohyama, I.; Kimura, M.; Hagihara, M.; Nakatani, K. Angew. Chem. Int. Ed. 2013, 52, 9976-9979.

 
Copyright 2007 Nakatani Lab All rights reserved.