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4 RNAを標的とする新規分子の探索

 蛍光指示薬の開発と化合物スクリーニング

機能性非翻訳RNA(ncRNA)が発生や分化、がんなど、多くの生命現象に関わっていることが明らかとなり、ncRNAを標的とした創薬の可能性が期待されています。しかしながら、RNAを標的とするリガンドをデザインする指針は多くありません。これは、未だRNA-リガンド相互作用に関する情報が少ないことが理由のひとつであるといえます。RNA-リガンド相互作用に関する情報を得るためには、RNAに結合するリガンドを数多く得て、それらの結合様式等を詳細に調べることが必要です。そこで我々は、RNA-リガンドの相互作用を検出する簡便な方法として、蛍光ディスプレイスメントアッセイの開発に取り組んでいます。

 蛍光ディスプレイスメントアッセイでは、リガンドの結合を蛍光検出できる蛍光指示薬を用います。この方法は、RNAやリガンドをラベルしたり、固体表面に固定化する必要がない簡便な方法です。我々は、アミノアルコキシ基で置換したキサントンおよびチオキサントン誘導体が、RNAの2次構造に結合してその蛍光強度が大きく減少することを見いだしました。さらに、RNAへのリガンドの結合により遊離して、再び蛍光を発することを見いだしました。そこで我々は、このキサントンおよびチオキサントン誘導体を、RNA-リガンド相互作用を検出するための蛍光指示薬として、RNAを標的とする新規分子を探索するための化合物スクリーニングに応用しています。

さらに、新規の蛍光指示薬として、アデニン骨格やクマリン骨格を有する種々の誘導体のデザイン・合成にも取り組んでいます。

(1) Zhang, J.; Umemoto, S.; Nakatani, K. J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 3660-3661. (2) Umemoto, S.; Im, S.; Zhang, J.; Hagihara, M.; Murata, A.; Harada, Y.; Fukuzumi, T.; Wazaki, T.; Sasaoka, S.; Nakatani, K. Chem. Eur. J. 2012, 18, 9999-10008.

 
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