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脂質膜と相互作用する核酸の開発と利用
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7 脂質膜と相互作用する核酸の開発と利用

 疎水性領域をもつDNA

DNAは、高度な自己組織化能や分子認識能をもった高機能性分子であり、遺伝物質の枠を越えてさまざまな用途に用いられています。リン酸ジエステルをその主鎖骨格にもつDNAは、高い親水性のため主に水系で用いられますが、有機溶媒中のような特殊環境下でも扱えるDNAも非常に有用です。我々は、疎水性の高い領域をもつ脂質膜を機能発現の場とできる新しい人工的なDNAの開発を行ってきました。

代表的な生体内の脂質二重膜である細胞膜は、外部と内部を分け隔てる障壁としてのみではなく、膜タンパク質をはじめとする多様な分子群によって、膜間の情報伝達や物質輸送など重要な仕事が行われる場として機能しています。DNAは配列情報により構造や機能を設計できる機能分子であり、脂質膜と自在に相互作用することのできるDNAは、意図した膜機能や物性(機能性膜ドメイン、シグナル伝達・認識、イオン・小分子輸送、膜物理特性)を組み込むことのできる新たな基盤分子として期待できます。

DNAのリン酸ジエステル骨格をアルキルリン酸トリエステル骨格に置き換えると、アルキル基の物性に依存して、電荷を持たない疎水的な領域をDNAに導入することができます。ドデシル基をもつドデシルトリエステル骨格を導入したDNA(dod-DNA)を用いると、らせん最外縁部に非常に大きな疎水領域をもつ二本鎖DNAを構築できます。一般的な自動固相合成法により、任意の位置、配列に疎水領域をもつ様々な新しいDNAの合成が可能です。このような疎水性あるいは両親媒性をもつ新奇DNAは、様々な様式で脂質膜との結合が可能であり、脂質膜に対してDNA構造にもとづく機能創成を進めています。

(1) Dohno, C.; Shibata, T.; Okazaki, M.; Makishi, S.; Nakatani, K. Eur. J. Org. Chem. 2012, 5317-5323. (2) Shibata, S.; Dohno, C.; Nakatani, K. Chem. Commun. 2013, 49, 5501-5503.

 

 
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