Graduate's Voice

新井 由之

アボットジャパン合同会社 診断薬・機器事業部

Q1.今のお仕事はどんなことですか?

 ヘルスケアメーカーで診断薬とそれを検出する医療機器の開発を行っております。グローバルな企業なのですが、珍しく?日本にも研究開発拠点があり、そこで研究・開発業務に携わっています。最近、「研究」と「開発」は全く別物だと理解しました。研究ではコンセプトの実証とその成果として例えば論文や特許があれば概ねよいですが、 開発・製品化はそこから非常に多くの地道な努力・コストがかかっていることがわかり、世の中にあふれる製品を見る目が変わりました。

Q2.永井研究室で学び、今の仕事に活かされていることは何ですか?

 私がいるところ(他の研究開発部門もそうだと思いますが)は年に一つ以上特許化できそうな技術を報告する必要があるのですが、ありがたいことに永井研時代で何度か発明届を出す経験をさせていただいていたので、どういう風に特許の請求項を考えていくのか、ということを自分自身でも、指導面でも活用しています。また、普段は英語を使う機会はないのですが、たまに本社(シカゴ)の人たちとビデオ会議することがあったり、シカゴの偉い人がふらっときて、プレゼンをしなくてはいけないことがあります。英語力はまだまだ大したことないのですが、永井研で英語でミーティングやセミナーをしていたので、何とかなっていると思います。

Q3.後輩たちへのメッセージ

 今いる部署は若い人から年配の人まで、いろんな立場の人がたくさんいます。自分から問題点を見つけてどんどんいろんなことを試していく人は上に上がっていきますが、一方で言われたことしかやらない、自分から努力して知識・技術を得ようとしない人はどんどんおいてかれます。永井研は、自分からどんどんやっていくマインドが自然に身につくと思うので、いろいろ大変?と思うかもしれませんが、常に前へ進んでいってほしいと思います。私はできませんでしたが、常に永井さんやスタッフの期待を「超える」こと(期待通りではなく)を心がけると、どこへ行っても活躍できる人材になれると思います。

キャリアデザイン談話室, 自分にとって何が大事かを考える, 生物物理, 60, 359-361, 2020