Graduate's Voice

谷 知己

産業技術総合研究所

Q1. 今のお仕事はどんなことですか?

 産業技術総合研究所バイオメディカル研究部門(関西センター;大阪府池田市)で、生物学用光学顕微鏡を開発しています。生き物が見せる、かたち作りのダイナミクスに興味があります。そこにはつねに分子たちの動きがあり、分子たちが生み出す、絶え間ないかたちの構築と解体があります。 細胞や組織、器官や個体といった生き物の形作りの中でみられる、分子たちの有為転変の世界。それをあきらかにする光学顕微鏡を作ろうとしています。

Q2. 永井研究室で学び、今の仕事に活かされていることは何ですか?

 永井研究室はいつでも個性派ぞろいです。私は同時期に研究室にいた同僚や学生たちから、人生の軌道が変わる大きな影響を受けました。 異質同士の集まりは大事です。そして、そこから生み出されるものが、予測不可能であることも大事です。予測不可能なことを慈しむことができれば、人生はもっと豊かなものになりそうです。

Q3.後輩たちへのメッセージ

 好きなことを研究する。それがいいです。自分で好きな事ならば、続けられるからです。そして、自分で好きな研究ならば、自信を持つことができるからです。

Q4.永井教授とは学生時代からのお付合いと伺いましたが、一番印象に残っている思い出は何でしょうか?

 入学まもない頃にあった
新歓ドッジボール大会。
永井さんとは同じチームでした。

私は敵ボールに当たって、
早々に退場。私のみならず
ひとり、またひとりと退場し、
最後に残った一人。

それは驚異的なしぶとさで、
投げられても、
投げられてもボールをかわし、
味方ですらあきれるぐらい
延々と残り続ける、
永井さんでした。

いま思えばあのしぶとさは、
世界レベルでしたね。

Q5.投げ返さずにかわし続けたのですか?

 だから、しぶとい。
ひたすらかわすのです。

投げ返そうとすれば、
受け損ねることもある。
それで当たってしまえば
ショーもおしまい。、、、
だったら、
ひたすらかわすぞ、と。
彼の、トランプに匹敵する
ショーマンシップも、
すでにそこにあったのです。