2024年7月に中国科学院上海光学精密機械研究所(SIOM)との間で学術交流協定が締結されたことを受け、細貝教授、金准教授をはじめとする細貝研メンバーがSIOMおよび上海交通大学(SJTU)物理与天文学院(School of Physics & Astronomy)を訪問しました。本訪問は、光学・パワーレーザー応用技術分野における両機関の共同研究のさらなる発展を目的として実施され、基礎研究から研究成果の社会実装まで多岐にわたる研究発表や意見交換が行われました。
JST科学技術振興機構の未来社会創造事業「レーザー駆動による量子ビーム加速器開発と実証」の佐野プロジェクトマネージャー(PM)、(産研特任教授、分子科学研究所 特命専門員)および角谷PM補佐も参加し、SIOMとSJTUのそれぞれで、研究者や学生とともに研究セミナーとワークショップが開催されました。これらのセッションには、SIOMやSJTUの学生も多数参加し、彼らの積極的な質問や活発な議論が展開されました。特に、高出力レーザー駆動の量子ビーム加速技術や高耐力光学素子、パワーレーザーによる超高強場科学、光量子ビームの生物医療応用といった最先端分野における発表が行われ、産研とSIOM、SJTU側の研究者との間で密接な協力関係を築く大きな契機となりました。
また、訪問期間中は、SIOMとSJTUの所内にある数々の最先端のパワーレーザー研究施設を訪問し、超高強度極短パルスレーザー技術をベースにしたレーザー駆動の高エネルギー粒子加速実験、超高強度場科学実験、超高耐力光学素子製造などを見学し、現場の研究者と直接意見を交わし最新研究の進展について理解を深めました。
さらに、2024年はSIOMが創立60周年を迎える節目の年であり、この特別な機会に、SIOMの所長であるChen Weibiao教授より、細貝教授および佐野PM(特任教授)に対して記念の盾が贈呈されました。
今回の訪問により、11月に産研で開催されるQ-BASIS(Quantum Beam Application and System Integration Symposium)に向けたさらなる学術交流の機運が高まるとともに、光学・パワーレーザー応用技術分野における共同研究が一層加速され、今後の研究進展が大いに期待されます。
(細貝研究室)