EN
SANKEN

第7回 産・工定例記者発表を実施(永井教授)

2025年1月22日(水)大阪大学中之島センターにて、第7回目となる「産研・工学研究科 定例記者発表」を開催いたしました。
本定例記者発表は、本学大学院工学研究科(以下、工学研究科)と合同で、2か月に1回のペースでの定期開催を予定しており、研究成果の積極的な情報発信によるパブリシティの向上を目指しており、2024年度の開催は今回が最後となります。

今回の産研からの登壇は、永井 健治 教授で、「光る植物」大阪・関西万博で一般初公開!」について発表を行いました。
永井健治教授は、2025 年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の「大阪ヘルスケアパビリオン」にて、自身の研究グループで研究開発した「光る植物」を出展予定で、本記者発表において「未来の侘び寂び」をコンセプトとした万博での出展概要をはじめ、開発経緯や発光メカニズム、自発光植物で目指す未来社会の姿について紹介を行いました。
※出展期間:2025 年4 月21 日~28 日の8 日間

永井教授は、私たちの生活に根ざした電力利用を見直すために、電力を必要としない「光る花」や「光る樹木」を照明として代替できれば、火力発電による二酸化炭素排出量の削減につながると考えており、実際に、オワンクラゲなど発光生物のメカニズムの研究から高光度発光タンパク質「ナノランタン」を開発し、また、発光キノコや発光バクテリアが有する発光システムを改変して導入することで自発光植物の作製に成功して以降、屋内外照明としての実用化に向けた研究に日々取り組んでいます。

目指すのは、より明るく光り、よりC O 2 を吸収し、さらには有用資源を生産する多機能植物の開発、そして持続可能な高循環型資源利用社会です。研究グループはこれまでに、ゼニゴケをはじめとしてペチュニアやシクラメン、タバコ、ポプラなどの植物の発光を成功させており、大阪・関西万博では、「未来の侘び寂び」をコンセプトに自発光植物で仄かに照らし出された和室空間を展示予定です。

 

News_20250122_Sankou_PressNakanoshima_00001   News_20250122_Sankou_PressNakanoshima_00059

 

また工学研究科からは、地球総合工学専攻飯島 一博 教授が登壇しました。
工学研究科では、2023 年3 月に「洋上風車システムインテグレーション共同研究講座」を設置しており、2050 年の洋上風力主電源化によるカーボンニュートラルの達成と未来社会の到来を目指し、洋上風力発電の実現化・産業化のための研究を推進しています。特に鍵となるのが、日本列島の周りに大きく広がるEEZ(排他的経済水域)の利用です。洋上風力発電のためにEEZ の利用ができれば、理論上は日本の電力全てを風力で賄うことができます。当日、洋上風力発電をEEZ に展開するためには何が求められるのか?どのような装置やインフラが必要になるのか?など「洋上風車システムインテグレーション共同研究講座」で実施している洋上風力発電の研究について、最新の成果が紹介されました。

いずれの発表においても、多くの記者の皆様から熱心な質問をいただき、研究内容に対する関心の高さが伺えました。永井教授、飯島教授からは、今後の展望についても意欲的に語られ、光る植物および洋上風力発電が日本の未来に果たす重要な役割について、広く理解が深まる機会となりました。
また本日の定例記者発表の模様は、当日夕方のMBS「よんチャンTV」内のニュースコーナーでも紹介していただきました。


この定例記者発表は、大阪大学の中でも特定の分野に縛られることなく「産業に必要な自然科学の基礎と応用」の研究を実践している産研と、約170の研究室を擁し、工学のあらゆる分野を網羅している工学研究科の両部局でタッグを組み、今後社会課題解決につながる最新の研究成果をより効果的に、リアルタイムで発信しております。直近の注目していただきたい研究内容等もご紹介しておりますので、メディアの皆様におかれましては、ぜひお気軽にご参加いただけましたら幸甚です。

News_20250122Thumb_Sankou_PressNakanoshima_Eng

(産研 広報室)