EN
SANKEN

産・工定例記者発表を実施(荒木准教授)

2025年5月20日(火)大阪大学中之島センターにて、2025年度第1回目(通算第8回目)となる「産研・工学研究科 定例記者発表」を開催いたしました。
大阪大学プレスリリース:https://www.osaka-u.ac.jp/ja/guide/public-relations/press_release/6e1h2u/2zeluf/20250513_01


本定例記者発表は、本学大学院工学研究科(以下、工学研究科)と合同で、2か月に1回のペースでの定期開催を予定しており、研究成果の積極的な情報発信によるパブリシティの向上を目指しております。年度をまたぎ、さらに実りある内容となるよう、、研究者による発表内容の充実と、メディア関係者との対話の場づくりに努めております。

今回の定例記者発表において、産業科学研究所からは荒木 徹平准教授が登壇しました。荒木准教授は、近江鉄道線管理機構および滋賀県東近江市との連携協定に基づき、本年6月より開始した「インフラ構造物の維持管理を支えるスマートセンシング技術」について紹介を行いました。

少子高齢化や予算制約などにより、限られた人材・資源で老朽化するインフラの維持管理を続けることが困難になりつつある現状は、地域社会にとって喫緊の課題です。そうした中、荒木准教授は大阪大学先導的学際研究機構が設置する「住民と育む未来型知的インフラ創造拠点(FICCT)」において、近江鉄道や近江鉄道線管理機構、さらに東近江市が管理する多種多様な橋梁を実証フィールドとし、これまでに蓄積された研究成果と技術を最大限に活用。点検コストの削減や人的負担の軽減を目指し、より効率的で持続可能な点検・モニタリング手法の構築を進めています。
当日はセンサシステムのデモンストレーションも実施され、記者からは発表後も多くの質問が寄せられるなど、社会的関心の高さがうかがえる発表となりました。

News20250522_Araki01   News20250522_Araki02

 

また工学研究科からは、応用物理学系専攻藤田克昌教授医学部附属病院 未来医療開発部未来医療センター長名井陽教授が登壇しました。

藤田教授からは、工学と医学の共創により生まれた2つの最新技術である「迅速・非侵襲な検査・診断を目指す手術支援システム」および「腸内細菌計測技術」について紹介しました。これらは、大阪大学の「フォトニクス生命工学研究開発拠点」において開発されており、実用化に向けた取り組みが進められています。

さらに、名井教授からは、これらの技術の社会実装を支える医工連携の体制や、未来医療センターとの共同研究、さらにはスタートアップ経営者を育成する「TRACS」の活動について紹介がありました。同拠点は、科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム」の支援のもと、大阪大学を中心に、産業技術総合研究所(産総研)、企業、自治体などと連携し、医療・ヘルスケア分野におけるイノベーション創出と次世代人材育成を目指しています。

短時間での発表ながらも、多くの注目を集める内容が揃った今回の定例記者発表は、大学と地域・社会との橋渡しとして、今後の研究活動への理解と関心をさらに深める機会となりました。

News20250522_Araki03   News20250522_Araki04


この定例記者発表は、大阪大学の中でも特定の分野に縛られることなく「産業に必要な自然科学の基礎と応用」の研究を実践している産研と、約170の研究室を擁し、工学のあらゆる分野を網羅している工学研究科の両部局でタッグを組み、今後社会課題解決につながる最新の研究成果をより効果的に、リアルタイムで発信しております。直近の注目していただきたい研究内容等もご紹介しておりますので、メディアの皆様におかれましては、ぜひお気軽にご参加いただけましたら幸甚です。

次回は7月下旬に開催予定です。

 

(産研 広報室)