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産・工定例記者発表を実施(中島教授)

記者発表

2025年7月24日(木)、大阪大学中之島センターにて、今年度第2回目となる「産業科学研究所・大学院工学研究科 定例記者発表」を開催しました。本記者発表は、産業科学研究所(以下、産研)と大学院工学研究科(以下、工学研究科)が合同で隔月開催しているもので、研究成果の積極的な情報発信を通じて、大学のパブリシティの向上と社会との接点の強化を目指しています。

AIの“知ったかぶり”にメスを入れる(産研)

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今回の発表では、2025年4月に産研に着任した中島悠太教授が登壇し、「人工知能技術研究の最前線」と題して、AIの“意味理解”に切り込む研究を紹介しました。
大量のデータから学習するAIは、しばしば人間の先入観や社会的バイアスを無自覚に取り込んでしまいます。中島研究室では、例えば画像の色調をわずかに変えるだけでAIの認識が変化する現象に着目し、AIが“何を見て、どう理解しているのか”という根本的な問いに真正面から取り組んでいます。この研究は、医療診断など高い信頼性が求められる分野への応用も視野に入れており、倫理性と透明性を備えたAIの構築という観点から、企業・行政からも大きな関心を集めています。

高強度×加工性を両立する鉄鋼材料とは?(工学研究科)

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工学研究科からは、マテリアル生産科学専攻 博士後期課程2年の松田匠弥さんと、日本製鉄材料基礎協働研究所の丸山直紀特任教授が登壇。「強く、加工しやすい鉄鋼材料開発の礎を築く!」と題して、産学協働による研究の最前線を報告しました。現在、鉄鋼業界や自動車業界では、高強度でありながら、加工性にも優れた材料へのニーズが高まっています。松田さんは、博士人材として日本製鉄材料基礎協働研究所にて、鉄を対象にした新素材の創出に向けた基礎研究を推進中です。本研究は、産学が一体となって進める協働体制だからこそ実現可能なものであり、高度な素材開発の推進と博士人材育成の両面において注目されています。

この定例記者発表は、特定分野にとどまらず、「産業に必要な自然科学の基礎と応用」を探究する産研と、約170の研究室を擁し工学のあらゆる領域を網羅する工学研究科がタッグを組み、未来社会を見据えた最新の研究成果を発信する取り組みです。今後も、社会課題の解決に資する研究をリアルタイムでご紹介してまいります。研究内容にご関心のあるメディア関係者の皆さまにおかれましては、ぜひお気軽にご参加いただければ幸いです。

次回の開催は2025年9月下旬を予定しております。

 

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(産研 広報室)