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新しいトポロジカル物質 「ワイル半金属」を発見 -超高速・低消費電力な次世代デバイスの開発に弾み-



報道機関 各位

東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)
東北大学 大学院理学研究科
東北大学 学際科学フロンティア研究所
大阪大学 産業科学研究所
ドイツ ケルン大学 物理学科

【概要】

東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の相馬清吾准教授、高橋 隆教授、同理学研究科の佐藤宇史准教授、大阪大学産業科学研究所の小口多美夫教授、ケルン大学(ドイツ)の安藤陽一教授らの研究グループは、新型トポロジカル物質「ワイル半金属」の発見に成功しました。今回の成果により、超高速でかつ消費電力を低く抑えた次世代デバイスの開発が大きく進展するものと期待されます。
本成果は、米国物理学会誌フィジカル・レビュー・B の「注目論文」に選ばれ、平成 28 年 4 月 20 日(米国東部時間)にオンライン速報版に掲載されました。
詳細はこちらをご覧ください。

【参考図】

図1: ディラック粒子(左)とワイル粒子(右)における電子のエネルギー関係の模式図。エネルギー分散が直線的であるために電子の有効質量がゼロとなり、電子は高い移動度を示すようになります。ワイル粒子では、カイラリティの異なる二つの種類の粒子が同時に発生し、その二つが衝突しない限り、有効質量がゼロの状態は永久に保たれます。エネルギー分散が交差するワイル点では、カイラリティの正負に応じて仮想的な磁場が発生して、電子の運動に影響を及ぼします。