生体分子制御科学研究分野の吉崎和幸特任教授がリーダーとして研究を進めている特発性多中心性キャッスルマン病が難病医療法に基づき指定難病に指定されました。
キャッスルマン病は1956 年に米国のキャッスルマン博士によって提唱された病気で、60年経った現在も病因は不明で確固たる治療法もない希少難病です。日本の患者数は推定1,500人と言われています。
指定難病に承認されたことにより、患者への経済負担が大いに軽減され、また、より適切な治療が可能となることが期待されます。
吉崎和幸特任教授コメント
吉崎 和幸 (生体分子制御科学研究分野 特任教授)
指定難病に新たに追加されたことにより、医療関係者のみならず一般市民にも広くしられることが期待されます。また高額医療費のため生活が圧迫されていた患者さんに福音となります。産研で研究でき成果がでましたので、産研の皆様に御礼申し上げます。
キャッスルマン病
特徴的なリンパ節病理組織所見を呈する非クローン性の疾患で希少病。ウイルス感染、自己免疫、慢性炎症性などが想定されているが原因不明。医療者の間でも認知度が低い。全身リンパ節腫脹、肝脾腫、発熱、全身倦怠感、寝汗、貧血、体重減少、食欲不振、嘔吐、皮疹、浮腫、胸腹水、腎機能障害、間質性肺炎など症状は多彩。
研究事業
・厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業「キャッスルマン病の疫学診療実態調査と患者団体支援体制の構築に関する研究」平成27-28年度 研究代表者:吉崎和幸、研究分担・協力者:17名
・厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業「非癌、慢性炎症性リンパ節・骨髄異常を示すキャッスルマン病、TAFRO症候群その類縁疾患の診断基準、重症度分類の改正、診断・治療のガイドラインの策定に関する調査研究」平成29-31年度 研究代表者:吉崎和幸、研究分担・協力者:31名