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千葉大地教授が令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞しました。

概要

界面量子科学研究分野の千葉大地教授が、令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞しました。本賞は科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者に贈呈されるものです。

業績名
「ナノ磁性体の新奇制御手法に関する先駆的研究」

業績内容
 一度作った材料の性質を自在に操ることは、その材料を使ったデバイスの効率的かつ能動的動作を可能とし、非従来機能を創発させるため、人類が手にしたい最も重要な技術の一つです。中でも、一度作った磁石の性質を制御するためには、20世紀までは「磁界」あるいは「熱」を加える手法が用いられていました。本研究では、一度作ったナノ磁性体の性質を、あとから電圧・電流・応力を用いて自在に操る手法を先駆的に開拓しました。例えば、世界で初めて電圧により磁性体の磁力をオンオフすることに成功したり、磁界を加えることなく磁化の方向を電気的に制御できることなどを示しました。本研究により、電気的方法だけでなく、自然界や生体の力学的エネルギにより、ナノ磁性体の磁気的状態を操ることも可能となり、人類は磁石の新たな制御手段を手にすることとなりました。本成果は、磁気記録の高度化を王道としてきたスピントロニクスへの大きな貢献のみならず、その延長線上にはない未来を切り拓くものとして期待されます。

受賞コメント

 このような賞をいただき大変光栄です。本研究を支えてくださった皆様方、またお世話になりました皆様方に厚く御礼申し上げます。産研での研究は始まったばかりですので、さらに進化を遂げられるよう精進してまいります。