2025年3月11日(火)、都内で「第29回 安藤百福賞」の表彰式が開催されました。この賞は、公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団が主宰する「食創会」が、文部科学省・農林水産省の後援のもと、1996年から食科学の振興や新しい食品の創造・開発に貢献する研究者や開発者、ベンチャー企業家を表彰するものです。
表彰式には、小泉純一郎 食創会会長(元内閣総理大臣)や安藤宏基 財団理事長をはじめ、食創会の関係者、受賞者の関係者、日清食品・安藤百福Scholarshipの奨学生など、およそ270名が参列し、本年度の「大賞」に、弊所の関谷 毅教授が選出されました。
(写真提供:食創会)
関谷教授は、有機材料の柔らかさを活かしたフレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクスの作製プロセスを開発、そしてシート型ワイヤレス脳波センサを具現化し、この技術により小型で軽量・薄型、ワイヤレス、かつ低コストな計測装置が実現され、自然な状態で脳活動などの生体情報を高精度に測定できるようになりました。この技術を食科学に応用することで、味覚やおいしさの研究、さらには心身の健康を支える食品の研究に新たな可能性をもたらすと期待されています。
関谷教授は、表彰式で「家庭で体温計、血圧計、体重計を使うことは一般的だが、認知症や脳梗塞など、脳の健康状態を知るためには病院に行かなければならないのが現状です。家庭で普段の生活をしながら、身体の状態を正確に測ることができる技術を開発したいという思いから、フレキシブル電子デバイスの研究に取り組んできました」と研究の背景を語りました。
さらに、「健康管理には早期発見・早期治療が重要です。早く異変に気づくことで、食事を通じて健康を維持できる未来を目指し、今後も研究開発と社会実装に全力で取り組んでいきます」と抱負を述べました。
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(写真提供:食創会)
今回の受賞を励みに、弊所はこれからも真摯に研究を進め、社会に貢献できる技術の開発に邁進してまいります。
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【関連リンク】
公共財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団リリースページ:https://www.ando-zaidan.jp/news/2024-Ando-Momofuku-Prize/
関谷研WEBサイト:https://www.sanken.osaka-u.ac.jp/organization/fir/fir03.html
(広報室)