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永井健治教授が「山崎貞一賞」を受賞しました。

概要

 この度、一般財団法人材料科学技術振興財団山崎貞一賞を本研究所の永井健治教授(生体分子機能科学研究分野)が受賞することが決定しました。同賞は、財団の初代理事長を務めた故山崎貞一氏の科学技術および産業の発展に対する功績、人材の育成に対しての貢献を記念し、科学技術水準の向上とその普及啓発に寄与することを目的として平成13年に創設され、論文の発表、特許の取得、方法・技術の開発等を通じて、実用化につながる優れた創造的業績をあげている人を対象とし、「材料」、「半導体及びシステム・情報・エレクトロニクス」、「計測評価」、「バイオ・医科学」の4分野について授賞を行っております。永井教授は、「バイオ・医科学」の分野での受賞となりました。

業績名
「高機能化学発光タンパク質の開発と応用展開」

業績内容
 永井教授は種々の蛍光タンパク質群を開発後、蛍光イメージングに内在する様々な問題点を克服するために、励起光不要の化学発光を利用したバイオイメージング法の開発に取り組みました。微弱な発光シグナルを増強するために、発光酵素(ルシフェラーゼ)から蛍光タンパク質へのエネルギー移動を用い、発光強度が数10倍の画期的な種々の化学発光タンパク質を開発しました。これらを用いて、自由行動下にあるマウス個体内のがん組織や脳活動をリアルタイムに検出することに世界に先駆けて成功しました。また、企業との共同により発光イメージング装置を実用化しました。加えて、標的分子との結合により発光色が変化する機能性タンパク質を開発し、スマートフォンと組み合わせることで簡便に検査する手法も考案しましたた。さらに現在、植物に発光タンパク質と基質生産遺伝子を組み込み、自発光する植物を作出し、発光アート事業の創生、環境問題への取り組みを進めています。

受賞コメント

 栄誉ある山崎貞一賞の末席に加えて頂く機会を賜り、光栄かつ身の引き締まる思いです。産研、研究室の素晴らしいメンバー、国内外にいる共同研究者、関係者の皆様のおかげです。心から御礼を申し上げます。今回の栄誉に恥じることのないよう、さらなる高い頂上を目指して研究に邁進していきたいと考えております。

●関連リンク:

・山崎貞一について
・生体分子機能科学研究分野(永井研究室)
・永井研究室サイト