研究紹介

細菌多剤耐性化の原因となる薬剤排出ポンプ. 抗菌薬はポンプに存在する複数の口(CH1-4)から取り込まれ、薬剤結合ポケットとトンネルを経由して、細胞外に排出される。

AIによる薬剤耐性菌画像の判別. 薬剤耐性菌(左)と感受性菌(右)の電子顕微鏡像から機械学習により各菌を判別し、判別根拠である注目領域を可視化した。
近年、治療が困難な「薬剤耐性菌」による感染症が増加しており、世界中で問題となっています。人は抗菌薬を治療に使いますが、菌は耐性化することで、薬も次第に効かなくなります。私たちの研究の目的は、これら菌の適応能力を理解し、耐性菌問題克服のための新しい対策を考えることです。特に、細菌が薬を排出する「薬剤排出ポンプ」に注目。多くのポンプ遺伝子を同定し、耐性に関与していること、そして細菌が環境を感知してこれら遺伝子の発現を制御していることを発見しました。現在、これらポンプを阻害する薬の開発を目指し、薬剤耐性を軽減させる新規治療法の可能性を探っています。また、早期診断と適切な抗菌薬選択のための新たな薬剤耐性菌判別法の開発に取り組んでいます。感染症による疾病負担のない世界の実現を目指します。
2015年 - 現在 | 大阪大学 産業科学研究所 教授 |
2009年 - 2015年 | 大阪大学 産業科学研究所 准教授(特別プロジェクト研究部門) |
2007年 - 2009年 | 大阪大学 産業科学研究所, 助教 |
2007年 - 2007年 | 大阪大学 産業科学研究所, 特任助教 |
2006年 – 2010年 | 科学技術振興機構 さきがけ研究者(兼任) |
2005年 - 2007年 | 大阪大学 産業科学研究所, 特任助手 |
2003年 - 2005年 | 日本学術振興会 特別研究員(PD) |
2001年 - 2003年 | 日本学術振興会 特別研究員(DC) |